東京都中央区に御鎮座する鉄砲洲稲荷神社(読み方はてっぽうずいなりじんじゃ)は、古くから「湊の守護神」と呼ばれ信仰されてきたスピリチュアルなパワースポット。
江戸湊(東京湾)の埋め立てと共に遷座を繰り返した、平安時代創建の歴史ある古社です。
正式名称は旧字体の「鐵砲洲稲荷神社」。
冬至におこなわれる開運祈願祭で配られる神札「金銀富貴」、実際に海に入ることはありませんが氷柱を入れた水槽に入り一年の無病息災を願う禊祓いの神事「寒中水浴大会」、境内に建つ区の有形民俗文化財である富士塚「鉄砲洲富士」で有名です。

目次
・歴史とご祭神・ご利益
・鳥居
・境内
・社殿
・合祀殿
・富士塚
・御朱印・お守り
・例大祭
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
鉄砲洲稲荷神社の歴史とご祭神・ご利益
ご祭神は、稚産霊神(わくむすびのかみ)、豊受比売神(とようけひめのかみ)、宇迦之御魂神(うがのみたまのかみ)。
豊作を願って創建された神社で、江戸湊といわれる水路に近かったことから漁業・商売繁盛・航海安全・商売繁盛のご利益で知られています。
その創建は841年の平安時代初期の頃。
長らく続く凶作に苦しんでいた住民が、産土神である大御親神生成の大神(おおみおやがみせいせいのおおかみ)に祈願したのが始まりです。
1554年の足利義輝の頃には、京橋地区一帯の土地生成の産土神「生成太神(いなりのおおかみ)」として浸透していきました。
埋立てが進んだことから現在の京橋あたりに御遷座し、さらに室町時代の末期の頃に今の新京橋へ。
八町堀稲荷神社と呼ばれるように。
1624年(寛永元年)になると稲荷橋南東詰に御遷座し、その地に鎮座していた八幡神社を摂社に。
米や塩、酒、薪、炭など物流も盛んだったことから、船乗人の海上守護神として全国に広まりました。
1866年(明治元年)に現在地に移転し今日に至っています。
「鉄砲洲」と呼ばれる由来は、地形が鉄砲の形をしていたから、寛永の頃に幕府が大砲の射撃訓練としていたからなど諸説あり。
鉄砲洲稲荷神社の鳥居
最寄駅の東京メトロ日比谷線・JR京葉線八丁堀駅から徒歩数分。
鉄砲洲通り沿いに鎮座。
隣には児童公園「鉄砲洲児童公園」があります。

鳥居の両脇には一対の狛犬。
小ぶりなサイズでかわいらしい。
山門の裏側には百度石も。




鉄砲洲稲荷神社の境内
正面中央奥に社殿、その左奥には神楽庫、右奥には富士塚。
力石も置かれていました。



左側には神楽殿と合祀殿。
1960年(昭和35年)に松徳和洋裁専門学院(現・東京ファッション専門学校)の生徒によって奉納された石碑「針塚」も。
天然石を大きな針に見立て、地面に刺したような形をしています。
毎年2月8日の「事八日・事始めの日」に針供養祭がおこなわれ、日頃使っている針への感謝と裁縫(和裁・洋裁)の上達が祈願されます。



右側には社務所と手水舎。
手水舎には、なかなか心に響く文が。


鉄砲洲稲荷神社の社殿
拝殿前にも一対の狛犬。
鳥居前の狛犬とは風貌が大きく異なり、こちらは筋肉隆々で凛々しい体躯の招魂社系です。



1935年(昭和10年)に再建された社殿は、拝殿・幣殿・本殿がつながる権現造り。
拝殿は千鳥破風付の入母屋造で、幣殿は切妻造、最奥の本殿は三間社流造で中央区の区民有形文化財にも登録されています。
拝殿には向拝、軒唐破風の屋根は四本の向拝柱で支えられ、軒下の組物は出三斗、正面の水引虹梁や透かし彫りの本蟇股、向拝柱の木鼻などの質素であるも重厚な造りです。



八幡宮の近くには、二宮金次郎像がありました。

鉄砲洲稲荷神社の合祀殿
社殿の左手には、もともとこの地に鎮座していた八幡神社、菅原道真公を祀る天満社、大物主神(三輪明神)を祀る三輪社、浅間社、「こんぴらさん」として知られる琴平神社、海上安全や渡航安全の守護である住吉社を祀る合祀殿。
八幡神社は1624年(寛永元年)に、稲荷大神が遷座してきた際に摂社となりました。




鉄砲洲稲荷神社の富士塚
社殿右側(境内北西)には、1874年(明治7年)に再築造された富士塚。
その高さは約5メートル。
近づくとその大きさに圧倒されます。
とはいえ、江戸時代はもっと高かったようです。
もとは1790年(寛政2年)、湊稲荷と呼ばれていた旧社地(現在の湊一丁目8番付近)に築造された富士塚で、関東大震災後の区画整理や社殿造営に伴う移設などを経てこちらに移されました。


塚は富士山から持ってきた溶岩で覆われ、富士山の五合目以上の姿を模しています。
正面左手前に池。
自然石で造られた「く」の字形の登山道。
山腹には富士講に関する32基の石碑がみられ、活発だった富士信仰の様子がうかがえます。




また、中腹には末廣稲荷と稲荷大神の石祠、山頂付近に中興の祖・食行身禄の入定を象徴する烏帽子型の白い巨石、山頂に鉄砲洲富士浅間神社(奥宮)が祀られています。



普段は登拝禁止で、周囲をぐるりと囲むようにコンクリートで舗装された周遊道が通れるのみ。
富士山の山開き(7月1日)のみ登拝が可能になるのかな?
周遊道沿いには小御嶽神社の祠、複数の狐像(お狐様)が祀られており、富士講に関する数多くの石碑を見ることができます。






さらに、山裾には開祖である長谷川角行が修行した胎内窟も再現されていました。


鉄砲洲稲荷神社の御朱印・お守り
御朱印やお守りは、社殿向かって右側にある社務所で。
案内はありませんが、近くに鎮座する於岩稲荷田宮神社(中央区新川)の御朱印もいただけます。
授与品では各種お札、お守りなどが用意されていますが、なかでも冬至開運祈願祭に頒布される「金銀富貴」は有名。
金運や福徳を招く神札として人気があります。

鉄砲洲稲荷神社の例大祭
5月上旬に斎行される例大祭は、3年毎に本祭。
例大祭前には御本社神輿が外部で展示され、初日に鳳輦・神輿神霊奉遷祭、2・3日目に宮神輿渡御、最終日に翌日祭で奉納や鳳輦・神輿神霊還御がおこなわれます。
ちなみに宮神輿渡御は、神社から京橋公園御旅所まで渡御し、翌日に京橋公園御旅所から神社に宮入りします。
100年の歴史がある巨大な御本社神輿です。
祭礼時の御本社神輿渡御の運営は、鉄砲洲稲荷神社の奉賛団体「弥生会」が中心となっておこなわれており、会のモットーは「氏神様とお祭りを次世代に!」
また、神社行事への参加と奉仕もおこなっており、新年の風物詩になっている寒中水浴大会の運営も担っています。
鉄砲洲稲荷神社の詳細
鉄砲洲稲荷神社へのアクセス
- 東京メトロ日比谷線・JR京葉線:八丁堀駅より徒歩5分
- 東京メトロ有楽町線:新富町駅より徒歩10分
- 公式サイト:http://teppozujinja.or.jp/
鉄砲洲稲荷神社の主な行事・イベント
- 1月:歳旦祭、寒中水浴大会(寒中禊)
- 2月:節分祭追儺式、針供養、豊年祈願祭
- 5月:例大祭
- 6月:夏越の大祓
- 7月:鐵砲洲富士浅間神社例祭
- 8月:摂社八幡神社例祭
- 11月:七五三祝祭
- 12月:冬至開運祈願祭、師走の大祓、除夜祭
鉄砲洲稲荷神社近くの神社・寺
| 住吉神社 | 江戸時代からある、昔ながらの良き下町の雰囲気が漂う神社。佃煮のルーツ。 |
|---|---|
| 於岩稲荷田宮神社 | 宮司はお岩さんのモデルとなった田宮家の御当主。新宿区に飛地境内社の四谷於岩稲荷田宮神社があります。 |
| 今村幸稲荷神社 | 建物の二階部分にお祀りされている、アパートと一体型になった神社。 |






