東京散歩⑥格式高い書院造りと池泉庭園「旧前田家本邸」の迎賓向け和館

英国風の重厚な洋館とは対照的な近代和風建築。

見学できる範囲は限られていますが、畳廊下に座って眺める庭園は、時を忘れさせてくれました。

ついつい寛いで長居をしたくなるそんな雰囲気があります。

他に見学客がいない(天気が悪かったから?)ので、しばし座ってぼけーっとさせていただきました。

設計は工学博士・塚本靖と帝室技芸員の佐々木岩次郎氏で、茶室は木村清兵衛氏(煎茶室は金沢の兼六園に接する成巽閣に移築されています)です。

自分たちの生活の場というよりも、外国賓客に日本文化を伝える目的で建設された館です。
ちなみに、和館は洋館と渡り廊下で繋がっています。

2階建ての和館は、1階部分を一般公開。
もちろん、こちらも無料です。



 

塀は腰までを割竹打ちとして、門は一間一戸の平唐門(薬医門形式)。

金閣寺垣に導かれた先には玄関。
入ると、広い畳の部屋が続いていて圧巻です。

 

1階の大客間は、主室「御客間」と次の間「御次之間」を合わせて40畳程になる続き間。

部屋境は筬欄間と襖障子で仕切られており、ここを中心に、畳廊下や入側、縁側が囲んでいます。

 

御客間は伝統的な、床、違い棚、附書院を備えた格式高い書院造りです。

欄間の幾何学模様の美しさに目が釘付け。
その他、明治期の日本画家・橋本雅邦の扉絵、鳥居型の違い棚、明障子付きの付書院など日本建築の粋があちらこちらに。

 

縁側からは、美しい日本庭園が望めます。

石が配置され、松やもみじなどの樹木と曲水が流れる池泉庭園。
造園家・原煕(はらひろし)氏が手掛けています。

さすが大名だっただけあるなぁと。
雪がふったらさぞかし絵になるのではないかなと思える光景です。

また、紅葉時もさぞかし雅な滞在時間が楽しめるのではないでしょうか。

 

2階は宝形屋根を載せた楼閣風の外観で、「御居間」の床構えは数寄屋風を加味したものとなっているのだとか。
こちらはガイドツアーで見学できるのかな?

洋館も和館も掃除が行き届いていて、建物の痛みもほとんど感じませんでした。
いい状態で保存されているなと感心です。

和と洋、それぞれの豪華な建物や、当時の華族の生活を垣間見れた有意義な時間でした。
歴史好き、建築好きにはたまりません。

 



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