渋谷金王丸の名声が残る金王八幡宮(読み方はこんのうはちまんぐう)は、江戸期に興隆して著名となった江戸八所八幡宮の一宮。
渡航交通安全・子授け・出世のご利益で有名なスピリチュアルなパワースポットです。
境内には、江戸初期様式による権現造りの社殿や、入場無料の寳物館(宝物館)に所蔵されている都内最古のお神輿や算額など、歴史的な見どころが多数あり。
また、本殿そばの金王桜は珍しい種類の桜で、江戸三名桜の一つに数えられていました。
映画化もされた冲方丁の小説「天地明察」の舞台でもあり、石垣島出身3人組バンド「BEGIN(ビギン)」の奉納ライブや広瀬すずさんや池田エライザさんなどが映画「SUNNY(サニー) 強い気持ち・強い愛」のヒット祈願などもおこなっています。

目次
・ご祭神・ご利益
・歴史
・鳥居と神門(赤門)
・境内
・本殿と金王桜
・金王丸社(金王丸御影堂)
・玉造稲荷神社
・御嶽神社
・寳物館(宝物館)
・御朱印・お守り・おみくじ
・駐車場
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
金王八幡宮のご祭神・ご利益
御祭神は、第15代天皇の応神天皇(おうじんてんのう)。
八幡大神であり、「品陀和気命(ほんだわけのみこと)」「八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)」とも呼ばれています。
清和源氏や桓武平氏など、全国の武家から武運の神「弓矢八幡」として崇敬され、特に清和源氏は八幡大神を氏神としていました。
八幡大神はさまざまなご神徳があるといわれていますが、金王八幡宮では特に渡航交通安全・子授け・出世のご利益で有名。
金王八幡宮すぐ前を走る八幡通り(旧鎌倉街道)が今も昔も交通の要所であり、渋谷氏が居城を構えた所以から渡航交通安全。
渋谷重家が祈願を重ね、金王丸(のちの土佐坊昌俊)を授かったことから子授け。
竹千代(のちの徳川家光)を三代将軍にと、家光の乳母・春日局と守役・青山伯耆守忠俊が祈願し成就したことから出世のご利益がいわれています。
金王八幡宮の歴史
1092年(寛治6年)に、雄徳山八幡(石清水八幡宮)を勧請し創建。
渋谷次郎平高重が父昌俊の遺品を受けに鞍馬寺に行った際、弘法大師が宇佐八幡宮からの御神託により鞍馬寺に納めた八幡像を渋谷に持ち帰り、御神体としたと祀ったのが始まりとされています。
東福寺が元別当でしたが、神仏分離で別々に。
古くは八幡宮または渋谷八幡宮と呼ばれていましたが、渋谷平三重家の子である渋谷金王丸常光(しぶやこんのうまるつねみつ)の名声により金王八幡宮と称されるようになりました。
ちなみに、明治の元勲東郷平八郎元帥は渋谷氏の子孫。
寳物館(宝物館)には東郷平八郎元帥の二男・東郷実氏が奉納した額が所蔵されています。
近くには東郷平八郎命を御祭神とする東郷神社もあるので、一緒に参拝するのもおすすめです。
金王八幡宮の鳥居と神門(赤門)
石段の手前に社号碑。
石段をのぼったところに鳥居があり、その先には江戸時代初期の建築様式を残す神門(赤門)。



金王八幡宮の境内
神門を通って正面に本殿。
右側奥から社務所、寳物館(宝物館)、金王丸社(金王丸御影堂)。
左側には手水舎、御嶽神社、玉造稲荷神社、神楽殿。
境内裏手には児童公園もあります。


金王八幡宮の神楽殿前にはベンチが置かれ、(この日は椅子が使えないように上げられていましたが)普段は参拝者の休憩場所となっています。
神楽だけでなくジャズ演奏や漫才などのイベントの会場として使われており、昔は「面白殿(おもしろでん)」と呼ばれていたのだとか。
実際に「面白殿」と書かれた江戸時代の額が残っており、神楽殿に掛かっています。

金王八幡宮の本殿と金王桜
1612年(慶長17年)、幾度もの改修を経て現存している、二代将軍徳川秀忠の頃に乳母の春日局と守役の青山忠俊によって造営された江戸初期の様式による権現造りの社殿。
その時の様子はドラマ「大奥」でも描かれています。




朱塗りの社殿に極彩色の彫刻が施されており、特に拝殿正面の漠と虎は見事。
獏は「世の安寧」、虎は「正しいまつりごと」への祈りの心が込められています。



社殿向かって右側にある金王桜は、一枝に一重と八重が入り混じって咲く珍しい長州緋桜。
江戸時代には江戸三名桜(他は円照寺の右衛門桜、白山神社の旗桜)の一つに数えられ、代々、実生より育て植え継がれてきた名木です。
1189年(文治5年)、源頼朝が藤原泰衡を討ちに行く際、渋谷高重の館に立ち寄り太刀を奉納(宝刀)。
金王丸御影堂へ参拝し、父義朝に仕えた渋谷金王丸の忠節を偲び、鎌倉亀ヶ谷の館にあった憂忘桜をこの地に移植し「金王桜」と名付けたとされています。
反対側には、1524年(大永4年)、北条氏綱と上杉朝興の高輪原の戦で焼き払われた渋谷城砦の石が置かれています。

金王八幡宮の金王丸社(金王丸御影堂)
神門入って右側に鎮座。
昔は境外にあったようです。
入り口ともなる通路には御神木のシイノキ。
大きな洞に力強さが感じられます。


御祭神は、社号にもなった渋谷金王丸常光(しぶやこんのうまるつねみつ)。
金王丸が17歳で保元の乱に出陣する際、自分の姿を彫刻し形見として母に残した木像が納められています。
金王丸の木像は、3月最終土曜日に斎行される金王丸祭で特別開帳されています。
また、金王丸が所持していた毒蛇長太刀も保存されています。
長田の館の戦いで「鉾先に向かいその刃風に触れる者生きて帰る者なし、鰐口は遁れるとも毒蛇の口は遁れ難し」と言ったことから、その名が付いたのだとか。





金王八幡宮の玉造稲荷神社
玉造稲荷神社(たまつくりいなりじんしゃ)は、1703年(元禄16年)創建。
ご祭神は宇賀御魂命(うがのみたまのみこと)で、御本社は京都伏見稲荷大社です。


金王八幡宮の御嶽神社
御嶽神社(みたけじんじゃ)のご祭神は、櫛眞知命(くしまちのみこと)・大己貴命(おおなむちのみこと)・少名毘古那命(すくなひこなのみこと)・日本武尊(やまとたけるのみこと)。
本社は武州御嶽神社です。

社の前に鎮座する狛犬一対と西参道の鳥居は、かつて実践女子学園の校内にあった香雪神社のものです。


金王八幡宮の寳物館(宝物館)
社殿の右手にある社務所に併設されているのは、入場無料で見学できる寳物館(宝物館)。
寳物館(宝物館)には、都内最古のお神輿と鳳輦、算額、東郷平八郎元帥の二男・東郷実氏が奉納した額、例祭で使った獅子頭、古い扁額や札、絵馬、書物など金王八幡宮の歴史を伝える貴重な品々が所蔵されています。


特にお神輿は必見!
屋根の下部が直線的な延屋根型(のべやねがた)で頂部には鳳凰。
四辺には鳥居が配され、細やかな獅子の彫刻があしらわれています。
屋根や台座には、八幡宮の総本宮である宇佐神宮(大分県)の御紋「左三つ巴紋」。
縦横それぞれ約1.2m、高さ2mほどでの中規模サイズですが、その重さは100貫(約375キロ)もあります。

しかもこちらのお神輿は、もともとは鶴岡八幡宮のもの。
江戸時代のはじめ、金王八幡宮の氏子さんたちが鎌倉の八幡宮の祭りにお参りに行った時、参道を賑やかに進む神輿を氏子さんたちも一緒になって担ぎ、祭りのどさくさに紛れて渋谷まで担ぎ帰ってきたものなのです。
中目黒駅の北側にある「目切坂」は、鎌倉からの追手が神輿を見失ったことから命名されたともいわれています。
今の時代では考えられないですね。
また、算額は高校レベルの難易度なのだとか。
金王八幡宮の御朱印・お守り・おみくじ
御朱印は、金王八幡宮だけでなく隣接する豊栄稲荷神社(兼務社)の御朱印がいただけます。
季節限定の切り絵御朱印が授与されている時も。
御朱印帳には金王丸がデザインされています。
お守りも各種そろっており、おみくじでは「金王桜桜みくじ」をはじめ「一年安鯛みくじ」や「十徳おみくじ」などがあります。
金王八幡宮の駐車場
境内の神門右手、金王丸社(金王丸御影堂)近くにあり。

金王八幡宮の詳細
金王八幡宮へのアクセス
- 各線:渋谷駅C1出口より徒歩5分
- 公式サイト:https://www.konno-hachimangu.jp/index.html
金王八幡宮の主な行事・イベント
- 1月:初詣、歳旦祭
- 2月:節分祭、初午祭、紀元祭、祈年祭
- 3月:金王丸祭・金王桜まつり、春季皇霊殿遥拝式
- 6月:夏越大祓
- 9月:例祭、秋季皇霊殿遥拝式
- 11月:御嶽祭、新嘗祭
- 12月:大祓
- 毎月1日及び15日:月次祭
金王八幡宮近くの神社・寺
| 豊栄稲荷神社 | 鳥居の下には百度石。赤い鳥居がズラリと並ぶお稲荷さんです。 |
|---|---|
| 宮益御嶽神社 | 日本武尊・秋葉之神・大国主神・菅原之神の4柱と、「炙り不動」を祀る神社。 |
| 乗泉寺 | 谷口吉郎設計の現代的な本堂。本門佛立宗の寺院です。 |
| 渋谷氷川神社 | 縁結びで有名な渋谷最古の神社。稲荷神社と厳島神社もあり。 |
| 千代田稲荷神社 | 商売繁盛のご利益があるパワースポット。中川稲荷大明神もあります。 |






