世田谷区にある豪徳寺は、今戸神社(台東区)とともに招き猫発祥の地として有名な猫寺。
たくさんの招福猫児(まねきねこ)が奉納されている招福殿は、そのご利益だけでなくフォトスポット&スピリチュアルなパワースポットとして人気です。
正式名称は「大谿山 豪徳寺(読み方はだいけいざん ごうとくじ)」で、曹洞宗(そうとうしゅう)に属する禅宗寺院。
彦根藩主井伊家の江戸における菩提寺です。
広い境内は緑にあふれ、野鳥が飛び交う森林も。
梅や桜、牡丹、つつじ、紅葉などの四季折々の風景が楽しめます。

目次
・ご本尊・ご利益
・歴史
・山門
・地蔵堂
・梵鐘
・三重塔
・仏殿
・本殿(法堂)
・赤門・納骨堂
・招福殿
・井伊家墓所
・御朱印・お守り
・アクセス
・近くにある神社・寺
豪徳寺のご本尊・ご利益
ご本尊は、釈迦如来(しゃかにょらい)。
他、多数の仏像を安置していますが、特に過去・現在・未来の三世にわたる救済を象徴している釈迦如来・阿弥陀如来・弥勒菩薩による三世仏(さんぜほとけ)は有名。
釈迦如来は、現世で教えを説き悟りへ導く過去仏。
阿弥陀如来は、念仏による救済、極楽往生へ導く現在仏。
弥勒菩薩は、釈迦入滅後56億7千万年後に仏となり、苦しむ衆生を救済する未来仏。
その意味するところは、「過去を悔い、現在を正し、未来に希望を持つ」という祈りに通じているそうです。
豪徳寺の歴史
豪徳寺の前身は、室町時代の後期、1480年(文明12年)に創建された弘徳院。
創建当初は臨済宗に属していましたが、1584年(天正12年)に曹洞宗に改宗しています。
1633年(寛永10年)に世田谷が彦根藩の所領地になり、住職の愛猫「たま」と井伊直孝の出会いによって彦根藩主井伊家の江戸菩提寺になります。
それは、井伊直孝が鷹狩りの帰り道での事。
お寺の門前にいた住職の愛猫「たま」に手招きされ入ると、突然の雷雨が。
難を逃れることができただけでなく、住職の説法を聞けたことに仏の因果を感じた井伊直孝公は、荒れていた寺の再興に尽力します。
そして住職の愛猫「たま」を福を招いた猫「招福猫児(まねきねこ)」と呼び、招福殿を建てて招福観音菩薩立像を安置。
家内安全、商売繁盛、開運招福のご利益があるとして、多くの参詣者で賑わうようになりました。
1659年(万治2年)に2代藩主井伊直孝の法号「久昌院殿豪徳天英大居士」にちなみ、豪徳寺と改称。
大名家墓所に相応しい伽藍を整えられ今に至ります。
豪徳寺の山門
最寄り駅は東急世田谷線宮の坂駅。
小田急小田原線豪徳寺駅からは徒歩15分とちょっと遠いですが、改札口には招き猫像があり、途中の商店街には猫をモチーフにした看板やイラスト、お土産などがみられるので、こちらから来るのも楽しい。
入口の左側には石標「大渓山 豪徳寺」。
石標にはさんずいの「溪」が使われていますが、山号には「谿」が用いられています。
その先の門柱には山号の「大谿山」と「豪徳寺」が彫られており、柱の上には狛犬。



約100メートルほど続く参道の両側には黒松が枝を伸ばしており、まるで黒松のトンネルのよう。

立派な山門には、扁額「碧雲関(へきうんかん)」。
その意味は「外の世界(俗世間)と境内(仏の世界)を隔てる門」。


山門前には、自販機とベンチがある古民家風の無料休憩所「豪徳寺茶屋」。

豪徳寺の地蔵堂
山門入って右側にある地蔵堂には、手に如意宝珠(願いを叶える宝)と錫杖(迷いを払う杖)を持つ地蔵菩薩半跏像が安置されています。
釈迦入滅後から弥勒菩薩が現れるまでの無仏時代に、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天)すべての世界で人々を救済するとされる菩薩様。
「半跏像(はんかぞう)」とは、片足を下ろして座る姿勢のことで、常に人々の苦しみに寄り添い救済できる準備が整っている事を表しています。
土日祝、正月三が日、お彼岸、お盆に御開帳されています。

豪徳寺の梵鐘
1679年(延宝7年)に、藤原正次(釜屋六右衛門)により鋳造された区内最古の梵鐘(世田谷区指定有形文化財)。
これまで移動することなくずっと同じ場所にあり、朝と夕刻には鐘が撞かれています。

豪徳寺の三重塔
高さ22.5メートルある三重塔は、2006年(平成18年)建設と比較的新しい建物ですが、伝統的なスタイルを随所にみることができます。
釈迦如来像を中心に迦葉尊者像、阿難尊者像、招福猫児観音像が安置されています。
また、三重塔を囲うように十二支が方角に合わせて配置しており、そこには猫の姿も!
しかも、子(ねずみ)のところに招き猫。




豪徳寺の仏殿
1677年(延宝5年)に建立。
正面に掲げられた篆額「弎世佛」は、現在・過去・未来の三世を意味する三世仏(釈迦如来・阿弥陀如来・弥勒菩薩)が安置されていることを示しています。
また、堂内の天井画は世田谷区指定の有形文化財です。


豪徳寺の本殿(法堂)
1967年(昭和42年)に造営された鉄筋コンクリート造の本殿(法堂)では、日々の読経や法要がおこなわれています。
堂内には聖観世音菩薩立像・文殊菩薩坐像・普賢菩薩座像・地蔵菩薩立像や、寺宝「井伊直弼肖像画(井伊直安作)」が飾られています。



本堂(法堂)向かって左奥にあるのは開祖堂。
宗関大和尚椅像(当寺開山)や秀道大和尚椅像(当寺中興開山四世)、承陽大師(道元)椅像、常済大師(瑩山)椅像、聖徳太子椅像、そして歴代住職、藩主の位牌が安置されています。
正月三が日とお彼岸、お盆のみ御開帳。
豪徳寺の赤門・納骨堂
本堂(法堂)の左側には、井伊家の上屋敷にあった赤門(長屋門)。
その右側にある白いお堂は納骨堂。


豪徳寺の招福殿
仏殿向かって左側にある招福殿は、豪徳寺で一番の人気スポット。
招福観音(招福観世音菩薩)が祀られており、招福猫児(まねぎねこ)はこの観音様の眷属になります。
そのご利益は金運・財運の向上、商売繫盛、家内安全、良縁成就など。
招福殿の門前には置かれており招福猫児像が参拝者をお出迎え。




お堂向かって左側にある奉納所には、家内安全・商売繁盛・開運招福を祈願して奉納された大小さまざまな招福猫児が所狭しと置かれています。
その風景は圧巻。
豪徳寺境内で一番人気のフォトスポットになっています。


願いが成就した招福猫児を奉納所に返納することで、さらに御利益がいただけるといわれている縁起のいいスポット。
ちなみに、豪徳寺の招福猫児は小判を持たない右手をあげた姿。
福そのものを与えてくれるわけではなく、人を招いて「縁」や「機会」をもたらしてくれます。

中央には招福観音の石碑があり、「如是畜生 慈善提心」と刻まれています。


豪徳寺の井伊家墓所
入り口には六地蔵。
墓所には、第2代井伊直孝から幕末の大老である第13代井伊直弼、正室・側室・子息・娘、藩士のお墓があります(国史跡指定)。
その墓石の数は300基以上にもなるのだとか。
墓石は格式に応じて配置されています。



豪徳寺の御朱印・お守り
御朱印やお守りなどの授与品は、本殿向かって右側にある寺務所で。

授与品では、小さいのから大きいのまでそろう招福猫児の置物が人気。
数センチほどの手のひらに乗るサイズから30センチほどの特大サイズまで、数種類のサイズが用意されています。
また、招福猫児のイラストが描かれた絵馬や御朱印帳、小さな招福猫児がケースに入っている豆お守り、招福猫児を模った交通安全キーホルダー、エコバッグ、付箋、開運招福箸など招福猫児にちなんだ授与品も。
ちなみに、寺務所のガラス扉には彦根のマスコットキャラクター・ひこにゃんの絵。
なんと、ひこにゃんのモデルは招福猫児なのだとか。



豪徳寺の詳細
豪徳寺へのアクセス
- 東急世田谷線:宮の坂駅より徒歩5分
- 小田急小田原線:豪徳寺駅より徒歩15分
- 公式サイト:https://gotokuji.jp/
豪徳寺近くの神社・寺
| 世田谷八幡宮 | 源義家が戦の勝利を祈願して創建した「勝運」のご利益が強い八幡宮。江戸三相撲の名所でもあります。 |
|---|---|
| 勝國寺 | 鬼門除けとして開山された新義真言宗の寺院。玉川八十八ヶ所霊場48番札所。 |
| 勝光院 | 世田谷城の城主だった吉良氏の菩提寺で、心源院(八王子市)の末寺 |






