東京都江東区白河に鎮座する霊巌寺(読み方はれいがんじ)は、深川エリアの名刹として有名な浄土宗寺院。
正式名称は「道本山 東海院 霊巌寺」です。
11代将軍徳川家斉の頃に寛政の改革を行った老中首座・松平定信や今治藩主松平家、膳所藩主本多家など有力大名のお墓があり、境内には江戸六地蔵の第五番が安置。
また、江戸七大火葬場(荼毘所)の一つでもありました。
ちなみに、久松松平家は菅原道真の後裔に持つとされる家系であることからも、霊巌寺の宝篋印塔には「梅鉢紋(星梅鉢紋)」が刻まれているのも見どころの一つです。

目次
・歴史とご本尊・ご利益
・山門・境内
・江戸六地蔵第五番
・本堂
・松平定信墓所
・御朱印
・アクセス
・近くにある神社・寺
霊巌寺の歴史とご本尊・ご利益
山号は道本山。
院号は東海院。
ご本尊は阿弥陀如来。
1624年(寛永元年)、日本橋付近の芦原を埋め立てた霊巌島(現在の東京都中央区新川)に浄土宗知恩院第32世雄誉霊巌上人(おうよれいがんしょうにん)が開山。
寺名は開山上人の法号「霊巌」にちなんで。
数年後には檀林が設置され、関東十八檀林の一つとなりました。
ちなみに関東十八檀林とは、江戸時代初期に江戸幕府によって定められた、関東地方における浄土宗の僧侶養成機関・学問所のこと。
卒業後はキャリアとして活躍できるため「出世檀林」とも呼ばれていました。
1657年(明暦3年)の明暦の大火により霊巌寺も延焼し、徳川幕府による都市改造計画の一環として現在地に移転しています。
霊巌寺の山門・境内
山門の手前右側には社号碑「霊巌寺」。
山門は京都御所の建礼⾨をモチーフにした総欅づくりの四脚⾨です。
⼭⾨の蟇股彫刻には、四神(⻘⿓・⽩⻁・朱雀・⽞武)と麒麟、お釈迦様。
太瓶束の笈形には蓮があしらわれていました。


山門の正面には本堂。
広々とした境内です。
山門くぐって左側には、関東大震災の慰霊の地蔵群「慰霊地蔵尊群」。
関東大震災の被災後に散在していた石仏類を集めて安置された地蔵群です。
線香立てには、折敷紋に波打つような形の「三」の文字を据えた「押切に揺れ三文字(隅切折敷縮三文字)」の家紋。
愛媛県今治市の大山祇神社の神紋、今治城主だった河野氏の家紋として知られています。


また右側には、霊巌寺住職によって開設された幼稚園。
参道沿いには法然城人の幼少期の像「勢至丸さま」。


霊巌寺の江戸六地蔵第五番
境内のなかでもひときわ存在感があるのが、東京都指定有形⽂化財に指定されている像高2.73メートルの地蔵菩薩坐像(銅造地蔵菩薩坐像)。
1717年(享保2年)に造られた江戸六地蔵の5番目です。
左手に持つ宝珠を支える指のうち四本が密着しており、手の爪がやや長めになっているなど、他の江戸六地蔵とちょっと異なる仕様。
もともとは金箔や鍼金も施されていたそうで、その痕跡がところどころに残っています。


江戸六地蔵が作られたのは、深川の地蔵坊正元(しょうげん)という人が若い頃に大病を患い、「病が癒えたあかつきには地蔵像をたくさん造立する」と地蔵菩薩に祈ったことから。
無事に病気から回復すると寄進を募り、江戸の主要六街道の出入口に地蔵像を造立。
そのため、お地蔵様には奉納者の名前がびっしりと刻まれています。
江戸六地蔵は全部で六体あり、江戸六地蔵の第1番は品川寺(品川/東海道)、第2番は東禅寺(浅草/奥州街道)、第3番は太宗寺(新宿/甲州街道)、第4番は真性寺(巣鴨/中山道)、第6番の永代寺(江東区/千葉街道、廃仏毀釈で壊されて現存せず)です。
霊巌寺の本堂
1981年(昭和56年)に完成した鉄筋コンクリート造の本堂。
堂内には阿弥陀三尊が安置されています。


霊巌寺の松平定信墓所
本堂向かって左側には、陸奥白河藩の第3代藩主で、寛政の改革を行った松平定信(まつだいら さだのぶ)のお墓。
八代将軍徳川吉宗の孫でもあります。
松平定信墓所の前には「楽翁松平忠信墓」と彫られた石碑。
塀に囲まれており中には入れませんが、柵の隙間から五輪塔の姿がチラリ。
墓石には「故 白河城主楽翁(らくおう)公之墓」。
菅原道真公と共通の家紋「星梅鉢(ほしうめばち)」がみられました。
また毎年6月の命日には、1929年(昭和4年)には設立された楽翁公遺徳顕彰会によって、墓前祭(顕彰祭)が行われています。


霊巌寺の御朱印
御朱印は、本堂の右手前にある寺務所で。
ご本尊の阿弥陀如来と江戸六地蔵尊とあります。

霊巌寺の詳細
霊巌寺へのアクセス
- 東京メトロ半蔵門線・都営大江戸線:清澄白河駅より徒歩3分
霊巌寺近くの神社・寺
| 長専院 出世不動尊 | 阿弥陀如来と不動明王を祀っている浄土宗の寺院。 |
|---|---|
| 正覚院 | 霊厳寺を開山した霊厳上人によって創建。境内にはお稲荷様も鎮座。 |
| 本誓寺 | 江戸城内黒本尊供養役四箇寺の一つである浄土宗寺院。境内には迦楼羅や六地蔵石塔などの石造物あり。 |
| 深川稲荷神社 | 無住社で町会によって管理運営されている神社。深川七福神の布袋尊を祀っています。 |
| 雲光院 | 徳川家康公の側室・阿茶局のお墓がある浄土宗寺院。多数のマスコットも。 |
| 龍光院 | 御本尊の阿弥陀如来と七福神の毘沙門天を祀る浄土宗寺院。境内の「二河百道」は必見。 |






