江ノ島からも歩いて行ける日蓮宗の名刹、寂光山 龍口寺(読み方はじゃっこうざん りゅうこうじ)は、日蓮上人の四大法難の一つである龍口法難(龍ノ口法難)にまつわる日蓮宗の霊跡本山。
日蓮宗49本山の一つです。
江ノ島とも関係が深く、天女と五頭龍(ごずりゅう)の恋物語の地。
五頭龍が眠る場所でもあります。
さらに、藤沢七福神の毘沙門天を担っています。
境内には日蓮聖人にまつわる霊跡、藤沢市指定重要文化財の大本堂や神奈川建築物百選に選ばれた県内最古の五重塔など、歴史を象徴する建物が多数残っているスピリチュアルなパワースポット。
ちなみに、映画「ハニーレモンソーダ」や「ホリック」のロケ地でもあります。

目次
・歴史とご本尊・ご利益
・仁王門・山門
・境内
・大本堂
・延寿の鐘
・御霊窟
・経八稲荷堂
・七面堂
・仏舎利塔
・五重塔・浄心池
・御朱印・お守り・おみくじ
・藤沢七福神
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
龍口寺の歴史とご本尊・ご利益
ご本尊は、日蓮の教えである国家安寧の思想「立正安国論(りっしょうあんこくろん)」を視覚的に表現した大曼荼羅(だいまんだら)。
日蓮聖人が処刑(龍ノ口法難)を奇跡的に免れたことから、災難除け・厄除けのご利益があるとされているパワースポットです。
また、開運や心の安らぎ、縁起向上などのご利益も。
創建のきっかけは、日蓮上人の四大法難の一つである龍口法難から(他の3つは松葉谷・伊豆・小松原)。
日蓮聖人が幕府の圧力によって龍ノ口刑場へと連行・処刑されると、江ノ島の方より満月のような光が現れ、その場にいた誰もが驚き恐れ、処刑が中止になるという奇跡が起こります。
この出来事から霊跡として知られるようになり、日蓮聖人の弟子である日法聖人がお堂を建立したのが龍口寺の始まりです。
かつては住職はおらず、近隣8つの寺院が順に龍口寺を守っていましたが(輪番八ヶ寺)、現在は常駐の住職が置かれています。
ちなみに、輪番八ヶ寺は片瀬の常立寺・本蓮寺、腰越の本成寺・勧行寺・法源寺・東漸寺・妙典寺・腰越本龍寺です。
また、湘南・藤沢から鎌倉へと続くこの地には、天女と五頭龍(ごずりゅう)の恋物語でも有名。
悪口を重ねていた五つの頭を持つ龍が、天女に恋をしたことから改心。
龍はこの地を護るため姿を変えて山になりました。
その龍の口元にあたる場所が「龍ノ口(たつのくち)」で、龍口寺(りゅうこうじ)がある場所です。
龍口寺の仁王門・山門
龍口寺は、江ノ電江ノ島駅もしくは湘南モノレール湘南江の島駅から徒歩3分ほどの距離に鎮座。
入り口前の交差点には江ノ電が走っており、写真撮影スポットとしても人気です。
1973年(昭和48年)に竣工された鉄筋コンクリート造り瓦葺の仁王門には阿吽の仁王尊像。
天井には龍が描かれています。
また、仁王門の左側には日蓮聖人法難 刑場跡が。
1271年(文永8年)に、鎌倉幕府の命令で処刑されそうになった(龍口法難)跡地です。




仁王門の正面、石段を上がったところには、1864年(元治元年)に竣工した欅造り銅板葺の山門。
中国の故事を描いた細密な八枚の彫刻が施されています。
正面の扁額には「龍口寺」。
裏面には「寂光山」。



龍口寺の境内
山門をくぐった正面には大本堂。
右側には、円弧を描いている特徴的な切妻造り屋根の手水舎。
国の登録有形文化財です。
三羽の鶴や龍の木彫、懸魚の鶴、木鼻の亀など凝っています。
手水鉢には「横濱 正汰講」。




左側には納骨位牌堂である寂光殿(じゃくこうでん)と、妙見菩薩の加護を称える妙見堂(みょうけんどう)。
妙見堂には、龍ノ口法難におい日蓮聖人を救った光の松の材木を使って造られた妙見大菩薩(北辰妙見菩薩)の尊像が奉安されています。
ちなみに「光の松」とは、日蓮聖人の処刑時に江の島方面から飛来した「光り物」が掛かったとされる伝説の松のこと。



龍口寺の大本堂
階段を上った先には、1832年(天保3年)に建てられた欅造り銅板葺の大本堂。
間口12間(約21メートル)、奥行き15間(約27メートル)にもなる木造大建築物です。

堂内の中央には日蓮聖人の尊像(直弟子の日法聖人作)。
日蓮聖人像の周囲には六老僧像。
正面向かって左側には藤沢七福神の毘沙門天像、脇陣には鬼子母神像や戦国武将の清正公像など多数並び、龍ノ口法難で日蓮聖人が座したとされる敷皮石も安置されています。
敷皮石は日蓮聖人の信念と精神力を象徴するものと信仰されており、大本堂は「敷皮堂(しきかわどう)」とも呼ばれています。


本堂の前には、水で一切の汚れを清める浄行菩薩。
「南無妙法蓮華経(なむ みょうほう れんげいきょう)」と唱えながら菩薩像を磨くと、体の不調はもちろん心の悩みも晴れるとされています。
日蓮宗では、日蓮聖人はこの浄行菩薩の化身であるとも言われています。


龍口寺の延寿の鐘
大本堂右側には日蓮聖人像と、1969年(昭和44年)に龍口法難700年を記念して建立された鐘楼堂「延寿の鐘(えんじゅのかね)」。
龍のレリーフが施された鐘には、寿命を延ばし、健康と安寧をもたらす願いが込められています。
梵鐘は一般開放されており、自由に撞くことができます。



龍口寺の御霊窟
大本堂向かって左側、地層が剥き出しになっている崖には小さな岩窟「御霊窟(ごれいくつ)」。
幕府に捕えられ龍ノ口刑場へと連行された日蓮聖人が、処刑の準備が整うまで幽閉されていた土牢です。
処刑を待つ間、日蓮聖人はここで題目を唱え続けていたそうです。


すぐ近くの崖のやぐらには観音像。

龍口寺の経八稲荷堂
大本堂の背後にある裏山には七面堂・仏舎利塔・五重塔があり、整備された小路を通ってぐるりと一周することができます。
その階段手前に鎮座するのは、地元に古くから伝わる経八稲荷堂(きょうはちいなりどう)。
大檀越である島村家に安置されていたお稲荷様です。
稲荷堂の左奥には、寺域を寄進した熱心な信者・島村采女の墓と伝わる宝篋印塔があります。


また、経八稲荷堂の近くには茶筅塚(ちゃせんづか)があり、使い古した茶筅を供養する行事がおこなわれています。
また、花塚や多数の神狐像も。


龍口寺の七面堂
階段を上った先には、身延七面山から勧請された七面大明神(七面天女)を祀る七面堂(しちめんどう)。
七面大明神は、法華経を信仰する人々を守護し、災厄を取り除く守護神。
毎月19日に例祭が行われています。
お堂の左側には、わりと大き目な龍の石像が置かれていました。




七面大明神が祀られるようになったのは、日蓮聖人が身延(山梨県)に隠棲していた頃、七面大明神が美しい女性の姿になって日蓮聖人の説法を熱心に聴聞していたことから。
この辺りでは見かけない女性であることから人々が不思議に思っていると、日蓮聖人が「本当の姿を現しなさい」と水を一滴女性に落とします。
すると女性は鮮やかな紅龍の姿に。
龍は七面山に住む七面大明神で、「法華経を信仰する者を守護し、苦しみを除き、安らぎを与えます」と言い飛び去っていきました。
それ以来、日蓮宗では七面大明神を末法鎮守の善神として祀っており、ここ龍神伝説が伝わる龍口寺でもお祀りしています。
龍口寺の仏舎利塔
七面堂の左側の小路を進んでいくと、相模湾と(天気が良ければ)富士山を仰ぐことができる隠れた絶景スポットに。
こちらには1970年(昭和45年)に建てられた仏舎利塔(ぶっしゃりとう)と、樹木葬墓地「龍口の杜」があります。


金色の釈迦(ブッダ)の坐像が中央に置かれて、塔の周囲には釈迦の生涯を表した彫刻絵が。
仏舎利塔内部には、釈尊の御遺骨が安置されています。


龍口寺の五重塔・浄心池
七面堂の右側の小路を進んだ先には、1910年(明治43年)に建てられた五重塔。
欅造り銅板葺の木造建築による本式木造五重塔(神奈川建築物百選)で、塔には彫刻「日蓮上人一代記」が施されています。

また五重塔から小路を下ったところ、大本堂右奥には、裏山からしみ出した水がたまった浄心池。


龍口寺の御朱印・お守り・おみくじ
御朱印(御首題)やお守りなどの授与品は本堂内で授与。
御朱印では特定の行事や季節ごとに限定御朱印が頒布されることもあります。
ちなみに龍口寺のおみくじは辛口。
通常の末広くじのおみくじの8倍にあたる全64通りが用意されており、吉凶だけでなく、最もよい「栄・宜・遅」と、凶よりも悪い「恐(おそれ)」も設けられています。
「恐」を引いた場合は、本堂前にある「おみくじ返却処」へ結んでから帰るとよいそうです。
龍口寺の藤沢七福神めぐり
藤沢七福神めぐりは、1月におこなわれているイベント。
2026年は1月7日から31日まで開催されました。
2025年までは紙でのスタンプラリーがおこなわれていましたが、2026年はデジタルスタンプラリーもしくはオリジナル色紙(有料)への押印。
デジタルスタンプラリーは、各社寺に掲示された二次元コードをスマートフォンで読み取ります。
藤沢七福神は以下の寺社。
9箇所あるのは、毘沙門天が白旗神社と龍口寺、弁財天が遊行寺(2024年から加入)と江島神社で重複しているからです。
ご利益だけならどらか一方の参拝でOK。
ただ、スタンプラリーコンプリートには全て回ることが必要です。
恵比寿…鵠沼皇大神宮
布袋尊…養命寺
毘沙門天…白旗神社、龍口寺
弁財天…清浄光寺(遊行寺)、江島神社
大黒天…藤澤諏訪神社
寿老人…感応院
福禄寿…常光寺
龍口寺の詳細
龍口寺へのアクセス
- 江ノ電:江ノ島駅より徒歩3分
- 湘南モノレール:湘南江の島駅より徒歩3分
- 小田急江ノ島線:片瀬江ノ島駅より徒歩15分
- 公式サイト:https://ryuukoji.com/
龍口寺の主な行事・イベント
- 1月:初詣・特別加持祈祷会
- 2月:節分会、釈尊涅槃会、宗祖降誕会
- 3月:春季彼岸会
- 4月:釈尊降誕会・花まつり、五重塔笹入れ式
- 5月:七面堂大祭
- 7月:ほうろく灸祈祷、施餓鬼会
- 9月:仏舎利塔平和記念法要、龍口法難会
- 10月:秋季彼岸会、龍の口竹灯籠
- 11月:七五三祈願、宗祖御会式
- 毎月19日:七面堂例祭
- 毎月25日、毎月第3日曜:妙見堂例祭
- 毎月第1土曜:写経会
龍口寺近くの神社・寺
| 江島神社 | 江ノ島にある辺津宮・中津宮・奥津宮。観光地としても有名。 |
|---|---|
| 龍口明神社 | 江島弁財天に一目ぼれした龍神が祀られています。 |
| 小動神社 | 海が一望できる展望台あり!龍王海神が祀られている神社 |
| 満福寺 | 源義経が兄・頼朝との和解するために手紙を書いた一時宿所。弁慶と義経の石碑があります。 |
| 片瀬諏訪神社 | 夫婦神による縁結びパワー!星形に見える参道、長い石段あり。 |
| 本龍寺 | 日蓮宗寺院。ご本尊は大曼荼羅です。比企高家の館跡と言われています。 |






