「大力の神=スポーツの神」ともされている天之手力雄命(あめのたぢからをのみこと)と学問の神様である菅原道真公を祀る湯島天満宮(読み方はゆしまてんまんぐう)。
「ゆしまてんじん」とも呼ばれています。
菅原道真公を祀ることからも、学業成就にご利益があることで有名。
初詣や受験シーズンになると、合格祈願で訪れる学生の参拝姿が多く見られます。
また、道真公より先に祀られている天之手力雄命は、天岩戸に隠れた天照大神を引きずり出して世界に明るさを戻した神様として有名です。
目次
・歴史とご祭神・ご利益
・参道
・撫で牛
・社殿
・戸隠神社と笹塚稲荷
・夫婦坂
・男坂・女坂
・梅まつり
・菊まつり
・御朱印・おまもり・おみくじ
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
湯島天満宮の歴史とご祭神・ご利益
ご祭神は、天之手力雄命(あめのたぢからをのみこと)と菅原道真公(すがわらみちざねこう)。
例祭は5月です。
458年に創建し、天之手力雄命を奉斎。
1355年(正平10年)に、菅原道真公を文道の大祖と崇め本社に勧請されています。
室町時代に入ると、太田道灌が社殿を再興。
さらに江戸時代には徳川幕府から庇護を受け、発展を遂げていきます。
湯島天満宮の参道
1667年(寛文7年)に寄進された銅製の神明鳥居。
何度か修理をおこない維持されている東京都指定有形文化財です。
鳥居をくぐると、左側には火伏せや家内安全のご利益がいわれている火伏三社稲荷神社。
右側には、湯島天満宮の神輿や町内神輿などの宝物類を展示する宝物殿。
湯島天満宮の撫で牛
菅原道真公祀る神社には、必ずと言っていいほど「天神さまの使い」である撫で牛がいます。
湯島天満宮には、手水舎を挟んで2頭。
自分の体の悪いところと同じ部分を撫でるとそこにご利益を得られると信仰されています。
手水舎には、菅原道真公のシンボルにもなっている梅が。
道真公を祀る神社の手水舎では、さまざまな形で梅のデザインが取り入れられています。
また、湯島天満宮の手水舎の彫刻は凝っており、どこからみても素晴らしい作り。
湯島天満宮の社殿
湯島天満宮の社殿は、防火対策から1885年(明治18年)に立て替え。
旧社殿は土蔵造りでしたが、現在の社殿は本殿と拝殿が幣殿で結ばれている権現造り。
樹齢250年といわれる木曽檜による純木造建築です。
湯島天満宮の戸隠神社と笹塚稲荷
湯島天満宮の本殿後方には、摂社・戸隠神社と末社・笹塚稲荷が鎮座。
戸隠神社のご祭神は、天之手力雄命(あめのたぢからをのみこと)。
例祭は10月におこなわれており、道真公が祀られる以前からの地主神です。
天之手力雄命を祀る神社では長野の戸隠神社が有名。
縁の深い社として、湯島天満宮の境内にも天之手力雄命を祀る戸隠神社が鎮座しています。
主なご利益は武道(スポーツ)の上達や開運です。
笹塚稲荷のご祭神は、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)。
穀物の神、農業の神、商工業の神、商売繁盛と多くの信仰がある神様です。
また、周囲にはカラフルに彩られた彫刻が。
一つ一つに特徴があります。
湯島天満宮の夫婦坂
戸隠神社と笹塚稲荷のすぐ隣には夫婦坂。
途中には登竜門があり、上下が石段で繋がっています。
湯島天満宮の男坂・女坂
湯島駅方面の鳥居の近くには新派の碑。
1977年(昭和52年)に、新派劇創立90年の記念碑として松竹株式会社と水谷八重子氏により新橋演舞場玄関脇に建てられました。
新派は、自由党壮士の角藤定憲が同志を集めて大阪の新町座で「大日本壮士改良演劇会」の旗揚げをしたのが起源。
左側にある梅樹は、新派の名優・故花柳章太郎氏の献木です。
鳥居の先は、男坂と女坂に分かれています。
男坂は三十八段の石段坂で、江戸時代の書物「御府内備考」には湯島天神参拝のための坂であったことが記載されています。
その後、本郷から上野広小路に抜ける通り道にもなったそうです。
また、湯島天満宮から御徒町方面まで続く約700mの道は「学問のみち」と呼ばれています。
ゆるやかな坂の女坂は三十三段の石段坂。
男坂と女坂の間には梅園があり、梅園は参集殿の近くにもあります。
湯島天満宮の梅まつり
湯島天満宮の梅園は、江戸時代より「梅の名所」として多くの庶民に親しまれ、2月から3月頃に道真公が愛した梅の花が咲そろいます。
樹齢70~80年の白加賀(しろかが・白梅)を中心に、月影や豊後梅、寒紅梅など約300本。
1958年(昭和33年)からは毎年梅まつりが開催されており、湯島白梅神太鼓や華やかな野点など各種イベントで賑わいます。
また、9月には日本全国の梅酒120種類以上から飲み比べできる「梅酒祭り」なんてお祭りも開催されています。
湯島天満宮の菊まつり
11月におこなわれる菊まつりでは、境内に丹精込めて育てられた菊がところせましと並べられます。
2024年の菊人形はNHK大河ドラマでした。
湯島天満宮の御朱印・おまもり・おみくじ
御朱印は、通常の御朱印と月替わりの御朱印、特別切り絵朱印の3種類。
おみくじでは、干支みくじやオリジナル天神様の開運みくじ、恋みくじとあります。
天神様の開運みくじには、より良い毎日になりますようにと湯島天神の木鷽の形をしたシール型お守りが入っています。
ちなみに1月の初天神では、鷽鳥を木彫りにした「鷽」を新しい「鷽」と取り替える神事が「鷽(うそ)替え神事」がおこなわれています。
お守りでは学業成就・合格祈願のお守りが人気で、梅の花が描かれた袋(赤・白・紫の3色)に入っています。
ちなみに、学業成就・合格祈願のお守りは「学んだことが成就することを祈願するお守り」であり、「普段の学業の成果が合格に繋がる」という教えから合格守はありません。
小学生には、かわいい形をした「学業ランドセル守」も人気です。
また、「五を欠く=合格」の四角形の学業成就鉛筆も。
格言が書かれた鉛筆が6本(普段の勉強用)、なにも書かれていない鉛筆が6本(試験用)の全部で12本入りです。
合格祈願の定番の絵馬は、合格祈願のための絵馬とお礼参りの絵馬。2種類。
合格祈願のための絵馬には、1月から4月はその年の干支、それ以外の月は牛に乗った天神様とが描かれています。
お礼参りの絵馬はダルマの絵柄となっています。
その他、赤い梅の花が描かれた「入試突破ハチマキ」、「資格勝得守」「仕事開運守」「就職祈願守」。
身体が丈夫な天之手力雄命にあやかった「病気平癒」も。
そして、梅の名所といわれるだけあって梅干し「福梅」も販売されています。
梅の種の中には天神様がいらっしゃるとする縁起物。
ただ、常にあるわけではないので、もしあったらラッキーです。
湯島天満宮の詳細
湯島天満宮へのアクセス
- 東京メトロ千代田線:湯島駅より徒歩2分
- 東京メトロ銀座線・都営地下鉄大江戸線:上野広小路駅より徒歩5分
- 公式サイト:https://www.yushimatenjin.or.jp/pc/index.htm
- 1月:初天神(鷽替え神事)
- 2~3月:梅まつり
- 5月:例祭
- 11月:菊まつり
湯島天満宮近くのおすすめ神社・寺
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