日本有数の繁華街として、外国人も多く訪れる東京・銀座。
銀座三越の9階、銀座テラスにある芝生広場「テラスガーデン」の一角には、昔から篤い信仰を受ける銀座出世地蔵尊(読み方はしゅっせじぞうそん)が鎮座しています。
地面の下から発見され道端で祀られたのが、いつしか銀座の高い場所に祀られるようになったことから、出世運のご利益があるといわれるようになったお地蔵様。
「祈願して成就せざるはなし」といわれている銀座のスピリチュアルなパワースポットであり、銀座八丁神社めぐりの一つです。
目次
・歴史とご利益
・銀座三越9階テラスガーデン
・境内
・三囲神社銀座摂社
・御朱印・お守り
・銀座八丁神社めぐりとは?
・銀座出世地蔵尊の六方焼
・アクセス
・近くにある神社・寺
銀座出世地蔵尊の歴史とご利益
銀座出世地蔵尊は、三十間堀に住んでいた石工の弟子が自分の親の供養のため、親方の許可なく彫ったお地蔵様と言われています。
親方に見つからないように三十間堀(現在の銀座4丁目10番地あたり)に埋めてしまうのですが、その埋めたお地蔵様を土から取り出して祀り始めた由来には諸説あり。
一つは、弟子の夢枕にお地蔵様が姿を見せるようになり、それを聞いた親方がお地蔵様を手厚く祀ったという説。
もう一つは、埋めた後に三十間堀の護岸工事がおこなわれたのですが、同じ個所が何度も壊れ、それを不思議に思って堀をさらったらお地蔵様が出てきたという説です。
後者では、芝増上寺の住職に預けて供養され、浅草のお寺に住職が招かれるとお地蔵様は返却。
銀座四丁目の空き地(現在の7番地あたり)に安置されたと言われています。
どちらの諸説が事実かはさておき、安置されたお地蔵様へ花やお団子をお供えするなどの参詣する人が増加。
やがて開運・出世・延命・商売繁盛のご利益があるとして、木造の立派なお堂も建てられるようになりました。
さらに、毎月7・18・29日をご縁日にした縁日も開かれるようになるなど賑やかに発展。
これが、銀座八丁露店の始まりといわれています。
関東大震災や太平洋戦争などの紆余曲折経て、1968年におこなわれた銀座三越の全面改装で銀座三越の屋上に新築。
その際、築地本願寺より開眼法要をおこない、銀座八丁の守り本尊として安置され今に至ります。
「路上から百貨店の屋上にあがった(出世した)」として、「出世地蔵」と命名されました。
銀座出世地蔵尊が鎮座するテラスガーデン
芝生の広場に四季の草花、ベンチやテーブルが用意されている銀座三越9階テラスガーデン。
そんな銀座の憩いの場所に銀座出世地蔵尊が鎮座しています。

ちなみに、9階にあるテラスルームでは、その時々で催事がおこなわれており、参拝に訪れた日は「八代目 尾上菊五郎・六代目 尾上菊之助 襲名展」が開催中。
しかも入場無料。
お二方のこれまでのご活躍の紹介、普段は間近に見ることのできない貴重な衣裳・小道具やゆかりの品々が展示されていました。
銀座出世地蔵尊の境内
銀座出世地蔵尊は、テラスに出て右側に鎮座していました。
中央にある六角形のお堂が銀座出世地蔵尊で、ご本尊が安置されています。
ひときわ目を引く左側のお像は、出世地蔵尊の分身像です。
そして、一番右が三囲神社の摂社です。
銀座出世地蔵像の左、足元には小さなお地蔵さんが並んでいました。
寺務所にロウソクとお線香が用意されているので、香炉に供えることもできます。
銀座出世地蔵尊の三囲神社銀座摂社
銀座出世地蔵尊の並びには、旧三井財閥が守護神として崇敬していた三囲神社の銀座摂社(読み方はみめぐりじんじゃぎんざせっしゃ)も。
本社は墨田区の向島に鎮座しています。
三囲神社は弘法大師が建立したと伝わっており、ご祭神は宇迦之御魂命(うかのみたまのみこと)。
文和年間に社殿を再建する際、白狐が御神体を三度めぐったという故事から「みめぐり」と呼ばれています。

銀座出世地蔵尊の御朱印・お守り
社務所では、おみくじや寄進のろうそく、おまもり、出世地蔵尊の根付などを授与しています。
特に注目なのが出世地蔵尊の根付。
すべて手彫りで作られていることからも、お地蔵さまのお顔が一つひとつ違います。
いくつか並べて見せていただくことができるので、自分のインスピレーションでお地蔵さまを選べます。
ご朱印は銀座出世地蔵尊、三囲神社銀座摂社どちらもないようです。
以前は御朱印代わりにスタンプが用意されていたのだとか。
ただ、銀座八丁神社めぐりが開催されているときは、シールの御朱印を頂けるようです。
銀座八丁神社めぐりとは?
銀座の路地やビルの屋上にお祀りしている特定の神社にて期間限定でおこなっている、初開催から50年以上にわたって続いているイベントです。
期間中、集印帳を各神社にて配布。
銀座出世地蔵尊の他、幸稲荷神社・銀座稲荷神社・龍光不動尊・朝日稲荷神社・宝珠稲荷神社・宝童稲荷神社・歌舞伎稲荷神社・あづま稲荷神社・靍護稲荷神社・成功稲荷神社・豊岩稲荷神社・熊谷稲荷神社と合計13の寺社でおこなわれています。
開催期間は1月や5月、11月など。
銀座出世地蔵尊の六方焼
銀座三越に出店している京都の老舗和菓子屋「仙太郎」では、銀座三越限定の「出世地蔵六方焼」を販売(通年)しています。
銀座出世地蔵尊のにっこり顔が焼き印された、なんとも福々しい和菓子。
薄力粉・卵・はちみつを混ぜた生地で餡子を包み、上下と側面あわせた六面(六方)を、一つ一つ鉄板を使って手作業で焼き上げています。
焼き皮は薄く、こし餡がたっぷりと使われていますが、その味はあっさりと軽め。
小豆の旨味や皮のコクが引き立っており、はちみつが使われているからかパサパサしないしっとりとした口当たりです。
ちなみに、「六方」とは仏教用語で「東西南北+天地=六方」を意味しています。
銀座出世地蔵尊の詳細
銀座出世地蔵尊へのアクセス(銀座三越9階)
- 東京メトロ日比谷線・都営浅草線:東銀座駅より徒歩6分
- 東京メトロ丸の内線・日比谷線・銀座線:銀座駅より徒歩8分
- 東京メトロ有楽町線:東銀座駅より徒歩9分
銀座出世地蔵尊近くのおすすめ神社・寺
龍光不動尊 | 松屋銀座8階に鎮座する、高野山龍光院より勧請した龍光不動尊。銀座八丁神社の1つです。 |
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朝日稲荷神社 | 銀座松屋通り沿いのビルに鎮座。1階は拝殿、屋上に本殿。銀座七福神(弁財天)。 |
あづま稲荷大明神 | 京都伏見稲荷神社から分祀された火災・盗難守護の神社。銀座七福神(福禄寿)。 |
宝童稲荷神社 | 江戸城紅葉山から分祀された子育て祈願の神社。銀座七福神(布袋尊)。 |