高層ビルが立ち並ぶ日本橋の一角に佇む神社福徳神社(読み方はふくとくじんじゃ)は、宝くじ祈願やチケット当選のご利益で有名な神社。
提供する側も舞台やコンサートの成功を祈って、ジャニーズなどの芸能人も参拝に訪れることでも知られています。
さらに、福徳芽吹ミニ神棚や福徳芽吹ミニポーチ、福徳芽吹きコースターなどの推し活グッズも用意されており、推し活の聖地とも言われています。
目次
・ご祭神・ご利益
・歴史
・鳥居・境内
・社殿
・福徳の森と薬祖神社
・富くじ(宝くじ)祈願所と一粒万倍絵馬掛け
・御朱印・お守り・おみくじ
・くじの日特別参拝
・例大祭と神幸祭
・初午祭
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
福徳神社(芽吹稲荷)のご祭神・ご利益
主祭神は、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)。
相殿は、天穂日命(あめのほひのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、少名彦名命(すくなひこなのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)、三穂津媛命(みほつひめのみこと)。
さらに、江戸時代前後に太田道灌(おおたどうかん)、弁財天、徳川家康(本多忠勝の命により合祀)も合祀されています。
たくさんの神様が祀られていることからも、受験合格や縁結び、金運招福、商売繁盛、福徳円満、病気平癒、国土安寧、開運、子孫繫栄などご利益もいろいろ。
特に注目なのが、宝くじ・チケット当選のご利益!
火事で類焼した社殿の造営などのため、たびたび幕府より富くじ興行「御免富」が許可されていたのが由来です。
他で許されていた神社・お寺には、護国寺・椙森稲荷・本所回向院・芝神明・茅場町薬師・白旗稲荷・浅草寺などが。
特に椙森神社・烏森神社・柳森神社は江戸三富と呼ばれており、同じ日本橋にある椙森神社も宝くじ祈願で有名。
境内の「富塚」では、宝くじ当選祈願もおこなわれています。
※椙森神社の詳細はこちら
福徳神社(芽吹稲荷)の歴史
創建についての詳細は不明ですが、貞観年間には鎮座していたと云われています。
武蔵国豊島郡福徳村(あるいは豊島郡野口村福徳)で、稲荷の祠と呼ばれていたのが、いつしか村名から福徳稲荷に。
また、隣接していた森を「稲荷の森」と呼び、一端に建てられていた里程標を「稲荷の一里塚」として大切にしていました。
この一里塚は1657年(明暦3年)の大地震で崩壊しています。
源義家公や太田道灌公、徳川家康公など武将からの崇敬も厚く、本田忠勝は関ヶ原の戦いの功績で家康公より賜った紙入れを奉納。
「東照宮の神霊」として相殿に奉斎されています。
さらに、二代将軍・徳川秀忠公が「福徳とはまことにめでたい神号である」と称賛。
古例の椚(くぬぎ)の皮付き鳥居に若芽がでていたことから、別名「芽吹稲荷」と命名しています。
そして1847年(明治7年)に、社号が福徳稲荷から福徳神社に。
関東大震災後の区画整理や戦災、日本橋室町の再開発などで数回の遷座を繰り返し、ビルの屋上へと移転したこともあるものの現在地に落ち着き今に至ります。
福徳神社(芽吹稲荷)の鳥居・境内
最寄り駅はJR総武快速線新日本橋駅と、東京メトロ銀座線・半蔵門線三越前駅。
A6番出口より徒歩1分です。
三井不動産による再開発で完成した「COREDO室町」の、「コレド室町1」と「コレド室町2」の間の通りは福徳神社の参道とされています。
大きくそびたつ朱色の鳥居は、三井不動産のCMでも度々登場しています。
車両の侵入防止柵は、小さい鳥居の形。
ぬい撮りスポットとして人気です。
鳥居の先、左手に石段。
その右手に手水舎。
福徳神社(芽吹稲荷)の社殿
日本橋室町東地区の再開発により三井不動産を中心に、2016年(平成28年)に完成した社殿は、鉄骨造に吉野檜が使われています。
社殿前には、宝珠と巻物を咥えた一対の神狐像が鎮座。
また、社殿前左側には算額が奉納(2020年/令和2年)されています。
福徳神社(芽吹稲荷)の福徳の森と薬祖神社
2016年(平成28年)に、街の中の鎮守の杜「福徳の森」を整備。
薬祖神社が遷座されました。
たくさんの風鈴を展示する「森の風鈴小怪」や日本酒祭など、季節に応じて各種イベントを開催。
参拝した日は、ドラゴンクエストのイベントがおこなわれていました。
福徳の森の奥には薬祖神社。
遷座されるまでは、日本橋にあるビルの屋上に祀られていました。
ご祭神は、医薬の祖神・大穴牟遅神(おおなむちのかみ)と少名毘古那神(すくなびこなのかみ)。
ちなみに薬祖神社は、1908年(明治41年)に上野公園にある五條天神社から御霊を迎えているそうです。
福徳神社(芽吹稲荷)の富くじ(宝くじ)祈願所と一粒万倍絵馬掛け
道路を隔てた場所には、ガラスケースで護られた社と富くじ(宝くじ)祈願所、紙絵馬・おみくじが。
富くじ(宝くじ)祈願所には幸運鈴が置かれており、セルフ祈願ができます。
祈願所の隣には、日本橋の老舗和菓子店・榮太樓總本鋪と株式会社にんべんとコラボした一粒万倍絵馬掛けが。
一粒万倍絵馬は、榮太樓總本鋪の「一粒万倍もち」とにんべんの「一粒万倍弁当」についている紙の絵馬。
お米の形の一粒万倍絵馬に願い事を書いて福徳神社にかけておくと、招福を願いお焚き上げをしてくれます。
ちなみに、一粒万倍日限定商品。
「一粒万倍もち」は前日も購入できるそうですが、どちらも人気ですぐに売れ切れてしまうそうです。
福徳神社(芽吹稲荷)の御朱印・お守り・おみくじ
御朱印は書き置きのみ。
拝殿左側にある社務所(授与所)でいただけます。
また、福徳神社は「東京福めぐり」の一社。
東京福めぐりには福徳神社の他、上神明天祖神社(蛇窪神社)・戸越八幡神社・高輪神社・烏森神社・波除神社・鳥越神社・浅草神社が参加しています。
専用用紙は金箔紙の豪華な折帖で、各神社で神社印と御神紋を押印。
8社すべてを揃えるたら、「開運・八社さんぽ」という特別な印を押してもらえます。
お守りでは、二代将軍・徳川秀忠公由来の「芽吹き守」や、金運・宝くじ・チケット当選のご利益による「富籤守」、そして「宝袋」「神狐絵馬」が有名。
特に「宝袋」は毎月数量限定で頒布しており、早いと数日でソールドアウトとなってしまうほど。
頒布が始まる1日は行列ができることも珍しくありません。
「神狐絵馬」は夫婦の神狐がセットになっており、片方を境内の絵馬にかけ、もう片方は持ち帰ります。
すると、持帰った方の神狐が片方の神狐と一緒になるために一生懸命働いてくれるという、なんともいじらしい絵馬です。
願いが叶ったら、持帰った神狐はお礼参りの際に持ってきて、絵馬掛けにかけて夫婦に戻してあげます。
その他、商売守や旅守、恋守、往来守、勝守、芽吹き厄除守、学守、健康守などがあります。
おみくじは、通常では「心にささるおみくじ」のみ。
春には桜色の「桜みくじ」が登場するそうです。
おみくじ全体を撮影できる台が設置されているので、撮影後に境内に結んで帰ることができます。
福徳神社(芽吹稲荷)のくじの日特別参拝
1967年(昭和42年)に「くじ(9・2)」の語呂合わせで設けられた「くじの日」。
宝くじ当選や各種チケット抽選の当選祈願のご利益から、福徳神社ではこの日にあわせて当選願掛け所を設置しています(目印の看板があり)。
昇殿参拝は不要で、願掛け所には幸運鈴が増設されています。
さらに祈願文もあり。
特別参拝方法は、三宝に当選祈願をおこなう宝くじやスマホを乗せ、神前に向かって二拝。
手元の祈願文を読みます。
読み終えたら、二拝二拍手一拝。
三宝にのせた品に幸運鈴を振り、幸運鈴を置いて品を回収。
一礼して終わりです。
ちなみに、近くに鎮座する椙森神社でも、この日は「富塚くじの日祈願祭」をおこなっています。
一緒に富塚にお参りにしてもいいですね。
福徳神社(芽吹稲荷)の例大祭と神幸祭
福徳神社の例大祭は5月。
神幸祭は隔年で10月に催されています。
新社殿竣工・御遷座記念として、2016年(平成28年)に第1回の神幸祭が斎行。
同年に奉納された日本橋の麒麟像が彫刻された神輿の渡御もおこなわれました。
福徳神社(芽吹稲荷)の初午祭
福徳神社の初午祭は旧暦の3月におこなっており、他5社と一緒に参加無料のデジタルスタンプラリー「江戸日本橋初午めぐり」を開催しています(2025年)。
開催神社は福徳神社の他、椙森神社・末廣神社・笠間稲荷神社東京別社・松島神社・日本橋日枝神社です。
※初午祭の詳細はこちら
福徳神社(芽吹稲荷)の詳細
福徳神社(芽吹稲荷)へのアクセス
- JR総武快速線:新日本橋駅A6番出口より徒歩1分
- 東京メトロ銀座線・半蔵門線:三越前駅A6番出口より徒歩1分
- 公式サイト:https://mebuki.jp/
福徳神社(芽吹稲荷)の主な行事・お祭り
- 1月:元日・歳旦祭・初詣
- 3月:初午祭
- 5月:例祭
- 6月:嘉祥祭、夏越大祓
- 7月:七夕祭
- 9月:くじの日特別参拝、重陽祭
- 10月:神幸祭(2年に一度)
- 11月:新嘗祭
- 12月:年越大祓
福徳神社(芽吹稲荷)近くのおすすめ神社・寺
宝田恵比寿神社 | 祭神は商売繁盛の恵比寿神(日本橋七福神)を祀る神社。10月のえびす講「べったら市」は有名です。 |
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椙森神社 | 江戸三森、恵比寿神を祀る日本橋七福神の一つ。宝くじ祈願で有名な「富塚」があります。 |
出世稲荷神社・岩代稲荷神社 | マンションの駐輪場の奥に鎮座。芸能関係者の信仰も篤い神社です。 |