東京都文京区湯島にある麟祥院(読み方はりんしょういん)は、臨済宗妙心寺派の寺院で、妙心寺派江戸四箇寺(他は東禅寺・海禅寺・伝通院)の1つ。
徳川家光の乳母である春日局の菩提寺です。
墓地奥にある、四方に穴が貫通した特異な形をした春日局のお墓(文京区指定史跡)は、その形から「参詣すると願いが通る」とスピリチュアルなパワースポットとしても有名。
春日局のお墓は誰でもお参りできますが、先に本堂への参拝は忘れずに。
そして御朱印を頂く際には、できれは納経をおこなうと良いとされています。
また、麟祥院では一般の方向けに早朝坐禅会や土曜坐禅会を開催しています。

目次
・歴史とご本尊・ご利益
・山門
・境内
・春日局墓所
・御朱印・お守り
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
麟祥院の歴史とご本尊・ご利益
ご本尊は釈迦如来。
開山は渭川周劉(いせんしゅうりゅう)禅師。
開基は春日局。
幕府への恩返しとして寺院を建立しようとした春日局に、将軍家光が本郷湯島の土地を寺地として贈呈。
そのことから「報恩山 天沢寺」と名付け、1624年(寛永元年)に創建。
1630年(寛永7年)になると、渭川周劉禅師を住職として迎え、改めて春日局自身の菩提寺に。
1634年(寛永11年)に渭川和尚から春日局に法号「麟祥院殿従三位日浄大姉」がおくられ、これを喜んだ家光が寺号とするように命じたことから、「天澤山(天沢山) 麟祥院」になりました。
ちなみに、京都にある同名の麟祥院も、1634年(寛永11年)に徳川家光が春日局の菩提寺として建立してた妙心寺の塔頭です。
そんな春日局は、幼名は福、父は明智光秀の重臣・齋藤内蔵助利三。
稲葉家に嫁いだ後に三代将軍家光公の乳母となり、大奥の制度の確立に尽力しています。
1628年(寛永5年)に、家光公が疱瘡にかかり、なかなか回復しなかった際には、東照宮大権現に詣で「将軍の病が平癒したら今後私が病気になっても絶対に薬を服用しません」と祈願。
その後、家光公の病気が快復したことから、春日局は終生、針灸薬餌を一切用いらなかったというエピソードがあります。
また、家光公が将軍に就任した際には、感謝の印として渋谷金王八幡宮の神門や社殿を造営しています。
1643年(寛永20年)に65歳で亡くなり、麟祥院の墓地に永眠。
毎年10月には、春日忌として春日局の法要をおこなっています。

1887年(明治20年)に井上円了(いのうえ えんりょう)が、この寺の一棟を借りて哲学館(東洋大学の前身)を創立。
境内には「東洋大学発祥之地」の碑があります。
他にも多数の学校が併設され、臨済大教校もある学びの場にもなっていました。
麟祥院の山門
春日通りからちょっと入ったところにある山門。
山門前には春日局之像。

扁額には「海東法窟」。
中国(宋)から東に海を渡って仏法が伝えられた寺という意味があります。
ちなみに、当初は「カラタチ」の生垣があったことから「からたち寺」と呼ばれていましたが、明治以降の度重なる道路拡張などでカラタチの生垣はなくなりました。

麟祥院の境内
山門を入って左側には寺務所。
正面には庫裡。



左に折れた先に春日局墓所があり、参道沿いには本堂と地蔵群。
本堂前の山門の扁額には「天澤山」。
本殿の扁額には「麟祥禅院」。
突き当りが墓所の入り口です。


麟祥院の春日局墓所
墓所が集まる場所は、地面が苔に覆われ、樹木が辺り一帯を包む静かな一帯。
都心とは思えない静寂です。
案内板を頼りに墓石の間を通っていきます。


やがて稲葉正則の正室であった万菊(春日局の孫)や堀田正俊の正室(稲葉正則の娘)、淀藩稲葉家、館山藩稲葉家分家などのお墓が現れ、奥まった場所に春日局墓所が。



厳重に管理されており、徳川家と嫁ぎ先の稲葉家の家紋(三の字紋)も見られます。
「自分が死んだ後も天下の政道を見守り、誤りがあれば正せるように、黄泉の国からも見通せる墓を作って欲しい」という春日局の遺言から、無縫塔(卵塔)のお墓の四方や台石には穴があけられています。
江戸時代には、春日局の強運と賢徳にあやかり、そして墓石に穴が通っていることから「願いが通る」として参詣する人が多かったそうです。


麟祥院の御朱印・お守り
山門横にある寺務所では、「釈迦如来」の御朱印やお守りなどがいただけます。
御朱印は書置きで、納経にも対応(納経推奨)。



麟祥院の詳細
麟祥院へのアクセス
- 東京メトロ丸の内線・都営地下鉄大江戸線:本郷三丁目駅より徒歩5分
- 東京メトロ千代田線:湯島駅より徒歩7分
- 公式サイト:https://www.rinshouin.jp/
麟祥院の主な行事・イベント
- 2月:開山忌法要
- 7月:施餓鬼会法要
- 10月:春日忌法要
- 12月:除夜の鐘
麟祥院近くの神社・寺
| 湯島天満宮 | 日本神話の神様と学問の神様を祀る学業成就・合格祈願の聖地。梅まつりや菊まつりでも有名。 |
|---|---|
| 心城院(湯島聖天) | 聖天さまと十一面観音さまを祀り秘法・浴油祈祷もおこなう寺院。もとは湯島天満宮の境内にありました。 |
| 五社稲荷神社 | 戦後に近隣にあった五社を合祀。建物に囲まれた小さな神社。 |
| 霊雲寺 | 将軍家の天下泰平・武運長久の祈願寺として創建。真言宗霊雲寺派寺院。 |
| 本郷薬師 | 本郷通り沿いにある大きく目立つ門を通った先にある小さなお堂。少し先に十一面観音があり。 |
| 櫻木神社(桜木天神) | 太田道灌が江戸城築城の際に創建。裏手には「見送り稲荷(おこんこんさま)」が鎮座。 |






