ビルに囲まれた一角に鎮座する末廣神社(読み方はすえひろじんじゃ)。
コンパクトな境内ですが、養母世稲荷や末廣徳の石など見どころがあります。
また、毘沙門天を祀る日本橋七福神の一社。
財運・勝運・開運・厄除け・無病息災に御利益があるといわれており、龍(辰)や虎(寅)と縁があることから「辰の日」「寅の日」にお参りすると運気が上がると言われています。
しかも、寅の日には毘沙門天像と七福神の掛軸を展観!
また、ブラザーズ人形町店では、寅の日限定「末廣メンチカツバーガー」なんてメニューもあります。
目次
・歴史とご祭神・ご利益
・鳥居
・社殿
・養母世稲荷
・「は組」の石碑
・満願成就 末廣徳の石
・御朱印・お守り・おみくじ
・日本橋七福神
・初午祭
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
末廣神社の歴史とご祭神・ご利益
ご祭神は、宇賀之美多麻命(うかのみたまのみこと)他4柱と、四天王最強の神・毘沙門天。
末廣神社にある毘沙門天像は、一木造で彫られた木像。
日本橋七福神の一つです。
毘沙門天の御神徳といえば勝運向上ですが、末廣神社では疫病鎮めの病気平癒や厄除け、宇賀之美多麻命のご神徳である五穀豊穣・商売繁盛・産業興隆・家内安全・芸能上達、財運向上、福徳繁栄など、さまざまなご利益がいわれています。
創建時の詳細は不明ですが、古文書から1596年(慶長元年)には稲荷祠として、現在地辺りに鎮座していたとされています。
1617年(元和3年)に幕府から許可を得て周辺地域を開拓し、江戸で初めての遊郭・葭原(吉原)が完成。
この地の鎮守(地主神)として篤く信仰されるようになりました。
1656年(明暦2年)に幕府の江戸市街拡張のため葭原(吉原)は移転し、さらに翌年の明暦の大火で葭原(吉原)は焼失。
遊郭は現在の浅草へと移転し新吉原が開かれました。
明暦の大火による吉原移転後、その跡地の難波町・住吉町・高砂町・新泉町の氏神として大切にされ、1675年(延宝3年)に社殿修復行った際、年経た中啓(扇)が発見されたことから社号が「末廣」になりました。
末廣神社の鳥居
最寄駅は人形町駅。
日本橋人形町の路地に鎮座しています。
鳥居は1955年(昭和30年)に奉納されたもの。
「元吉原総鎮守 末廣神社」と書かれた提灯がかかっています。
鳥居の先には、すぐ左手に手水舎、一対の狛犬。
参道途中には小祠や末廣徳の石、町火消のいろは四十八組「は組」の石碑、養母世稲荷など、小さいながらも歴史とスピリチュアルなパワーを感じます。
末廣神社の社殿
玉垣で囲まれた境内はコンパクトで、数メートル先にある社殿は建物に囲まれてちょっと窮屈そう。
現在の社殿は1947年(昭和22年)に再建された総檜造りです。
末廣神社の養母世稲荷
相殿のお稲荷様。
江戸時代の頃、高砂町(現・富沢町南部地区)に、働く女性のために子供を預かったり、孤児を引き取り育てるなど、多くの女性と子供を助けていた女性がいました。
女性の死後、その功徳から人々によって稲荷社・養母世稲荷が創建。
町の有志で護ってきたものの、お社の維持が不可能となり末廣神社に。
以来、女性と子供の守り神として信仰されています。
末廣神社の「は組」の石碑(木遣石)
火消しの「いろは組」の石碑。
古い文献から、末廣神社の祭礼には多くの武士が関わっていたことがわかっており、火消屋敷(現在の消防署)も近くにあったことから、末廣神社は火消し達からも信仰されていました。
末廣神社の「満願成就 末廣徳の石」
椎の木の根元には、様々な徳を授け高めるご利益があるといわれる石があります。
お盆の上に財(お金)を置き、手を合わせて心の中で「いや、すえひろがり」と唱えます。
そして、財(お金)を持ち帰ります。
そのお金を使えば徳運が広がり、そのお金を持てば徳運が貯まると言われています。
末廣神社の御朱印・お守り・おみくじ
御朱印は、末廣神社の神社印と七福神巡りの御朱印(毘沙門天)の2種類。
社殿右側にある社務所でいただけます。
お守りでは、すべてのことからお守りいただく「大神守」や毘沙門天様の勝運向上「勝守」、凶方位の方違えお守り「方位除守」、金運財布お守り、ペットお守りなど多数あり。
おみくじでは、通常のおみくじの他、かわいい飾りみくじもあります。
末廣神社の日本橋七福神
末廣神社の毘沙門天は日本橋七福神の一社。
日本橋七福神は以下↓
・末廣神社…毘沙門天
・笠間稲荷神社東京別社…寿老神
・小網神社…福禄寿
・宝生弁財天(水天宮境内)…弁財天
・椙森神社…恵比寿神
・松島神社…大国神
・茶ノ木神社…布袋尊
日本橋七福神では「揃(そろい)の宝船」と「揃の色紙」を頒布。
茶ノ木神社以外で授与することができます。
ただ、一社ですべての社の御朱印が押された七社押印済、七神像と船がそろった状態での拝受(2025年2月確認)。
各神社で色紙印・宝船ご神像を受ける巡拝方式はとっていません。
末廣神社の初午祭
末廣神社の初午祭は旧暦の3月におこなっており、他5社と一緒に参加無料のデジタルスタンプラリー「江戸日本橋初午めぐり」を開催しています。
開催神社は以下↓
・末廣神社
・笠間稲荷神社東京別社
・椙森神社
・松島神社
・福徳神社
・日本橋日枝神社
末廣神社では、初午・二の午・三の午の日に福箸を頒布しています(数量限定)。
また、稲荷神の掛け軸の披露もあるそうです。
末廣神社の詳細
末廣神社へのアクセス
- 東京メトロ日比谷線・都営浅草線:人形町駅より徒歩3分
- 公式サイト:https://suehirojinja.or.jp/
末廣神社の主な行事・お祭り
- 1月:歳旦祭、日本橋七福神詣
- 2月:節分祭
- 3月:初午祭
- 5月:例大祭
- 6月:夏越の大祓(茅の輪くぐり)
- 11月:新嘗祭
- 12月:年越の大祓
末廣神社近くのおすすめ神社・寺
笠間稲荷神社東京別社 | 茨城県の笠間稲荷神社の東京別社。日本橋七福神巡りの一社です。 |
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大観音寺 | 江戸三十三観音札所の三番目の寺院。本尊は鉄造菩薩頭で、茶吉尼天様と韋駄天尊も祀っています。 |
松島神社 | 開運招福、厄除、商売繁盛のご利益がある、ビル1階にある神社。日本橋七福神の大国神様がいます。 |
椙森神社 | 江戸三森、恵比寿神を祀る日本橋七福神の一つ。「富塚」があります。 |
清正公寺 | 虎退治の加藤清正公を祀る寺院。勝負事の願掛けで知られています。 |