きれいに区画整理された閑静な住宅街と広い公園を見下ろす高台に鎮座する歴史ある神社、本牧神社(読み方はほんもくじんじゃ)。
社殿の背後には本牧山頂公園が広がる緑豊かな場所です。
本牧神社と言えば祭事「お馬流し」と「お馬の厄祓い」で有名ですが、縁結び・縁切りのご利益が強いスピリチュアルな榎木の樹「縁の木」や、シンガーソングライター「ゆず」の北川さんが奉納された奉納碑でも知られています。
目次
・ご祭神・ご利益
・歴史
・お馬通り
・駐車場
・境内
・社殿
・境内末社・宇氣の稲荷社
・境内末社・本牧天神社と本牧水天宮
・境内末社・熊野速玉社
・本牧神社から行ける本牧山頂公園
・御朱印・お守り・おみくじ
・「お馬流し」と厄除「お馬の厄祓い」
・良縁結び祈祷
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
本牧神社のご祭神・ご利益
ご祭神は、皇室の御祖先神である大日靈女命(おおひるめのみこと)。
大日靈女命は天照大御神(あまてらすおおみかみ)の別名です。
相殿神には、災厄を祓い疫病を除いて福を招く神様・建速須佐能男命(たけはやすさのおのみこと)。
富士山を御神体とする浅間神社の御祭神で火難消除・子育ての守護神である木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)。
山王社とも称される日枝神社の御祭神で農耕や醸造の守護神である大山咋命(おおやまくいのみこと)が。
さらに相殿末社には、心身錬成、勝運守護のご利益で慕われている若宮八幡宮の八幡大神、丹沢山系大山の山頂に本宮を持つ大山阿夫利神社にお祀りされる大山津見神が祀られています。
本牧神社の歴史
創建年数は1192年(建久2年)。
源頼朝が鎌倉幕府を開く際には鬼門を守護する神社に指名されています。
神社は本牧岬の先端(現・本牧十二天一番地)に張り出した出島の中に鎮座していたことから、当時は本牧十二天社と呼ばれていました。
海沿いにあったため、運送船からは航海安全の神、地元民からは生業の守護神として崇められていました。
現在の内陸地になったのは、1967年に本牧岬が埋め立てられてからです。
第二次世界大戦終戦後、本牧地区が米軍に強制接収され、本牧神社は別場所に仮遷座をしていましたが、返還後の区画整備で現在の場所に戻り今に至ります。
本牧神社のお馬通り
本牧神社の前には、きれいに整備された長方形の新本牧公園と、公園をぐるりと囲むようにお馬通りが通っています。
ここ本牧和田は戦後に土地が返還されて区画整理されるまで、進駐軍将校たちの住居地でした。
かつては高級住宅街として名をはせ、現在でも有名人が住んでいるのだとか。
新本牧公園を通り抜けた先に神社。
大鳥居は公園と対峙するかのように建ち、一段高い位置に境内があります。
本牧神社の駐車場
駐車場は、境内に上がる階段の中間、両サイドにありました。
しかも、奥にはシェアサイクルが。
本牧神社の境内
階段を上ると、手前に広場。
右奥に社殿、左奥に社務所。


本牧神社の社殿
境内よりも高い位置に建てられている社殿は、正面に掲げる大しめ縄と黒い扉が印象的。
長さ約4メートル、重さ約200キロの大しめ縄は、出雲大社(島根県出雲市)のしめ縄も手掛ける「須賀注連縄保存会」で製作されたものです。
本牧神社の境内末社・宇氣の稲荷社
手水舎の右側には境内末社・宇氣の稲荷社。
ご祭神は、五穀豊穣の神として古くから崇敬されてきた宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)。
大漁・豊穣・商売繁盛・開運招福のご利益がある神様です。
御社号の「宇氣」は「保食(うけもち)=食べ物」を意味しています。
社殿には覆屋が設けられていました。
本牧神社の境内末社・本牧天神社と本牧水天宮
手水舎の左奥には、絵馬掛けと共に境内末社・本牧水天宮と本牧天神社。
本牧天神社のご祭神は、学業成就、芸道・詩歌・舞踊成就のご利益がある菅原道真公。
古くからお祀りされている社です。
本牧水天宮のご祭神は安徳天皇。
妊娠5か月の戌の日に参拝すれば、安産や健やかな赤ちゃんを出産できるといわれています。
安徳天皇は子授け・安産・子供の守護神としてのご神徳があり、とりわけ「母子安泰の鳥居」をくぐると安産のご利益が得られると言われています。
また、海上安全の神としても信仰されています。

本牧神社の境内末社・熊野速玉社
境内右側には、本牧山頂公園に繋がる神社の入り口と境内末社・熊野速玉社が。
階段がきつい方はこちらの坂道からも境内に入れます。
鳥居の両サイドには愛嬌ある狛犬が。
また、ワンちゃん連れの方の為でしょうか?
リードフックらしきものも。
熊野速玉社は鳥居の隣奥に鎮座。
御祭神は、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)・熊野夫須美大神(くまのむすびのおおかみ)。
総本宮の熊野大社(熊野三所権現)は、和歌山県紀伊半島の南部に三社それぞれ御鎮座。
本牧神社があるエリアは、その昔、漁業の盛んな地域であったことから、さらなる大漁満足・航海安全の霊験あらたかな大神としてお迎えされたとされています。
社の前にはシンガーソングライター「ゆず」の北川さんがの奉納された奉納碑。
「ゆず」といえば、2008年に横浜松坂屋より移築された「ゆずの壁画」がある岡村天満宮も有名ですね。
また、熊野速玉社の絵馬は珍しいミニサイズで、お守りとセットで授与しています。
お願い事を絵馬に書いて奉納し、お守りは持ち帰ります。
社の隣にある榎木の樹「縁の木」は、木の周りを右回りに三度回れば良縁に恵まれ、逆さに三度回ると悪縁を断ち切るとされています。
本牧神社から行ける本牧山頂公園
鳥居の先には、本牧山頂公園に続く階段。
樹々に囲まれた大規模な広い公園で、舗装された遊歩道が通っています。
見晴らしカフェもあり。
本牧神社の御朱印・お守り・おみくじ
御朱印は社殿左手の授与所でいただけます。
通常御朱印の他、春の桜や瑞雨の紫陽花など季節限定の御朱印が用意されています。
オリジナル御朱印帳は、お馬流しをモチーフにしたマークと船舶信号旗入りのモノグラム風デザイン。
「人生の安航を願う」という意味が込められているのだとか。
お守りも各種揃っています。
おみくじでは「しあわせみくじ」と、体数限定と書かれた「お馬さまみくじ」が。
お馬さまみくじには茅のお馬さまのイラストがプリントされています。
本牧神社の「お馬流し」と厄除「お馬の厄祓い」
本牧神社の祭事で有名な「お馬流し」は、8月の本牧神社例祭で斎行される特殊神事。
1566年(永禄9年)から始まり、400年以上に渡って受け継がれてきた神奈川県の無形民俗文化財です。
茅で作った「お馬さま(頭は馬、胴は亀)」を海に流し、あらゆる災いを祓います。
本牧神社での厄除けでは、御神前での祈祷後、「お馬さま」を描いた形代に祓いを修め、いったん神社で預かり、その年の「お馬流し」の際に「お馬さま」と共に放流されます(お馬の厄祓い)。
厄除けの御祈祷は、厄年だけでなくいつでも受けられます。
本牧神社の良縁結び祈祷
本牧神社では命名式や初宮詣、七五三詣、交通安全(車祓)、攘災招福 (災難除)、方除け、心願成就 病気平癒、良縁成就・悪縁断ちなどさまざまな御祈祷をおこなっていますが、境内末社・熊野速玉社にあやかる良縁結び祈祷も。
熊野速玉社のご祭神の速玉之男神は、良き縁(えにし)をむすび給う神様。
「ご=五」と「縁=えん(0)」から、毎月5・10・15・20・25・30日限定で斎行し、良縁成就・職縁(就職)成就・悪縁断ちを祈願します。
御祈祷では、御本殿で御祈祷後、御神木・榎(えんのき)の下に祀られる「熊野速玉社」に参詣。
良縁むすびは榎の下を右回りに、悪縁断ちは左回りに回って祈願。
御祈祷札とともに「縁の木守」が授与されます。
本牧神社の詳細
本牧神社へのアクセス
- JR根岸線:山手駅より車で9分
- R根岸線:根岸駅よりバス10分、バス停「三の谷」下車徒歩3分
- みなとみらい線:元町中華街駅よりバス15分、バス停「三の谷」下車徒歩3分
- 公式サイト:https://honmoku.or.jp/
本牧神社の主な行事・お祭り
- 1月:歳旦祭、元始祭、勧学祭・本牧天神社例祭(初天神祭)
- 2月:祈年祭・宇氣の稲荷社初午祭 (初午の日)
- 5月:本牧水天宮例祭
- 6月:夏越大祓
- 8月:例祭(お馬迎え式、お馬送り式・お馬流し)
- 9月:八王子大神例祭
- 10月:熊野速玉社例祭、御遷座記念祭
- 11月:新嘗祭・宇氣の稲荷社例祭
- 12月:煤払、大祓(大晦日)
- 毎月1・15日:月次祭
本牧神社近くのおすすめ神社・寺
吾妻神社 | 安産・子育て・虫封じの神様。妻恋稲荷社も鎮座。獅子山の上には砲弾を抱えている砲弾狛犬がいます。 |
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亀の子石神社 | 亀がそのまま石化したという伝説がある神社。たわしで喉元擦ると咳が収まると言われています。 |
三渓園 | 広大な敷地に天満宮や旧東慶寺仏殿、天授院などがあります。 |