波除神社(読み方はなみよけじんじゃ)は、災難を除き波を乗り切る波除稲荷様を祀る、厄除け・災難除け・商売繁盛などのご利益で親しまれているスピリチュアルなパワースポット。
銀座からのアクセスも良く、築地グルメを楽しめる場所にあります。
境内に安置されている大きな厄除天井大獅子やお歯黒獅子、本社内に安置されている獅子頭一対や青龍・白虎の頭と見どころがいっぱい。
また、御朱印の種類も多く、通常御朱印は3カ月枚にデザインが変わる栞付き(数量限定)。
他、祭事時の限定御朱印はもちろん、特定日のみに授与されている七福神巡りの御朱印などさまざまな御朱印が用意されています。
グルメの町・築地らしい石碑の数々はもちろん、自分で作るお守り「干支めぐり守り」による自分の干支の碑を探すのも楽しいです。
目次
・歴史とご祭神・ご利益
・鳥居
・社殿
・七福殿
・厄除天井大獅子
・おきつね様
・摂社・弁財天社(お歯黒獅子)
・四末社
・石碑
・御朱印・干支めぐり守り
・夏越し大祭「つきじ獅子祭」
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
波除神社の歴史とご祭神・ご利益
ご祭神は、倉稲魂命(うがのみたまのみこと)。
「災難を除き、波を乗り切る」波除稲荷様として、災難除・厄除・商売繁盛・工事安全などのご利益があります。
波除神社の創建は、江戸の整備工事から。
江戸を整備する中でもひときわ困難を極めたのが、江戸幕府4代将軍・徳川家綱公が手掛けた築地の埋立工事でした。
当時、築地一帯は海で、堤防を築いても激波にさらわれてしまうなどしてなかなか進みませんでした。
ある日、海面を光り輝く稲荷大神の御神体が漂っているのに気が付き、現在地に社殿を作りこのご神体をお祀りしたところ、波風が収まり工事もスムーズに進むように。
そして、1659年(萬治2年)に埋立工事が完了。
無事に工事が終了したのは稲荷大神のおかげとして、稲荷大神に「波除」の尊称を奉り、雲を従える龍、風を従える虎、一声で万物を威伏させる獅子の巨大な頭を奉納しました。
これらを担いで回りはじめたのが、つきじ獅子祭の始まりです。
波除神社の鳥居
銀座からのアクセスも良く、最寄り駅は17世紀建立の仏教寺院である浄土真宗本願寺派築地本願寺がある東京メトロ築地駅と都営大江戸線築地市場駅。
築地場外市場と新鮮な魚介を扱った飲食店が多く立ち並ぶ一角に鎮座しています。
波除神社の社殿
鳥居をくぐって数メートル先に社殿。
現在の社殿は1937年(昭和12年)に建てられたもので、国産の檜をつかった伊勢神宮(外宮)と同じ唯一神明造り。
また、本殿の木階を昇った大床の両側には、1848年(嘉永元年)に製作された木造・金梨地塗りの獅子頭一対(中央区文化財)。
御祭神をお守りするように納められています(本社正面より見えます)。
天災や戦災にも無事で、1927年(昭和2年)に獅子の付属品であった眼球と獅子毛と共に神社に奉納されました。
また、神社創建の際に獅子頭とともに奉納された青龍・白虎の頭も飾られています。
当時の時の青龍・白虎の頭は江戸時代に焼失してしまいましたが、2012年(平成24年)の御鎮座350年記念事業で再興。
獅子頭が見下ろすように本殿に飾られています。
波除神社の七福殿
本社の左側にある七福殿には、毎月7日の七福神参りに合わせて、その月の七福神の御神像が安置されています。
7日以外では、祭典の際に祓所としてお祀りされています。
波除神社の厄除天井大獅子
獅子殿には、樹齢約三千年の黒檜(ねず)の原木で作られた高さ2.4m・幅3.3m・重さ1tの厄除天井大獅子。
江戸末期に焼失してしてしまったのを、1990年(平成2年)の御鎮座330年記念で復興しました。

厄除天井大獅子はぐるりと一周(左回り)して近くで見ることができます。
神棚や築地ホテル館錦絵なども置かれています。
厄除天井大獅子の近くには願い串が置かれており、天井大獅子の舌の上の収め籠に納め念じると、願い事を叶えて頂けるといわれています。
この「願い串」は毎月1日の獅子殿月次祭にてお供えされお祀り。
専用の箱に収められ、12月第3土曜日に執り行われるお火焚祭でお焚き上げされ海に流されます。
波除神社のおきつね様
厄除天井大獅子のそばにはおきつね様。
その由緒は不明です。
波除神社の摂社・弁財天社(お歯黒獅子)
ご祭神は、学芸の才能と豊かな財をなす福徳の神・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。
弁財天として広く知られています。
本社御創建時からお祀りされている摂社で、水にご縁の有る神様であるあることから手水施設もある造り。
中には、2002年(平成14年)に再興された、紅色の肌地にお歯黒、金箔押しの巻き毛のお歯黒獅子。
頭の宝珠の中には、弁財天・市杵島姫命の御神像が収められています。
波除神社の四末社
手水鉢の奥には、四神がお祀りされています。
伊勢神宮の御祭神で日本人の大御祖神さまである天照大神(あまてらすおおみかみ)。
大黒天としても知られている経営・開運の守り神である大国主命(おおくにぬしのみこと)。
恵比寿としても知られている医薬・開運の守り神である少彦名命(すくなひこなのみこと)。
お酉様としても知られている商売繁盛の守り神である天日鷲命(あめのひわしのみこと)。
波除神社の石碑
塀にそって蛤石や活魚塚、あんこう塚、海老塚、すし塚、玉子塚がずらり。


境内には、他にも魚がし碑や昆布塚、吉野家碑などがあります。

波除神社の御朱印・干支めぐり守り
波除神社の御朱印は、通常御朱印(本社と摂社)は、3ヶ月ごとに柄が変わる季節の木の栞付き(数量限定)。
その他、東京福めぐり御朱印、催事やイベントに合わせた限定御朱印、七福神参りの御朱印とあり、各祭典の限定御朱印については直書きではなく書置きのみ。

七福神参りの御朱印はいつでもいただけるわけではなく、七福神の「七」にちなんで毎月7の付く日(7・17・27日)にその月に御開帳された神様の姿(絵)を入れた御朱印を授与しています。
また、7体の御朱印をすべて集めると、12月に神社特製の開運七福神記念品が。
1枚でも持っていると正月に枕元にひくと良い初夢を見られるとされる宝船の絵がいただけます。
御朱印帳では、波除神社オリジナルの御朱印帳の他、多数ある波除神社の御朱印専門で集められる限定御朱印専用の御朱印帳もあります。
限定御朱印専用の御朱印帳では、最初のページに限定御朱印専用の御朱印を押してくれます。
ただ、ほかの神社の御朱印には使用できないそうです。

お守りやお札は各種そろっていますが、厄除け木獅子守りは波除神社ならでは。
厄除け木獅子守りは特注品も請け負っており、福守りをかませておくこともできるなど、お守り置きとしても使えます。
通年授与されているお守りだけでなく、お正月数量限定の目出鯛(大)や、11月酉の市と正月限定の目出鯛(福かご)、冬至より立春まで授与している一陽来復、五節句の各種お守り、秋のお初穂祭と新嘗祭(11月23日)限定のコンコン守りなど、季節限定のお守りも多数あります。
また、干支めぐり守りも波除神社ならでは。
願い事の異なる4種類の玉(緑:健康・家内安全、赤:学問・合格祈願、黄色:金運・商売繁盛、紫:恋愛・良縁祈願)から同じ色を2つ取り、一つはお守り袋入れて持ち帰り、もう一つの玉は境内にある十二支燈籠の自分の干支に納めます。
十二支燈籠は、境内の各所に安置されています。
波除神社の夏越し大祭「つきじ獅子祭」
6月の中旬に6日間にわたって斎行される夏越し大祭「つきじ獅子祭」では、3年毎に本祭りがおこなわれています。
2025年は神社千貫宮神輿創建100年の記念大祭と重なり大いに盛り上がりました。
また、6月末のつきじ獅子祭の納め神事である大祓式、7月最初の日におこなわれる海上形代流しにて終了となります。
※夏越し大祭「つきじ獅子祭(本祭)」の様子はこちら
波除神社の詳細
波除神社へのアクセス
- 都営大江戸線:築地市場駅より徒歩5分
- 東京メトロ日比谷線:築地駅より徒歩7分
- 公式サイト:http://www.namiyoke.or.jp/
波除神社の主な行事・イベント
- 1月:干支の守り札配布、特別厄除祈願祭、七草神事
- 2月:節分祭追儺式、初午祭、七福神参り大黒天大祭
- 3月:七福神参り恵比寿大祭、雛神事の人形展示、人形供養祭、初午祈年祭
- 4月:初巳大祭、七福神参り(大黒天)
- 5月:端午の節句、お田植祭、七福神参り(恵比寿)
- 6月:七福神参り弁財天大祭(弁財天)、つきじ獅子祭(本祭・陰祭)、夏越しの大祓式
- 7月:大祓形代・海上形代流し、星祭、七福神参り(毘沙門天)
- 8月:七福神参り(寿老人)、抜穂祭
- 9月:七福神参り(福禄寿)、重陽の節句
- 10月:七福神参り(布袋尊)、御初穂祭
- 11月:酉の市、七福神参り天井大獅子大祭、新嘗祭どぶろく祭
- 12月:七福神参り弁財天大祭、お火焚神事、お大祓式
- 毎日:日別朝御饌祭
- 毎月1・15日:月次祭
- 巳の日:摂社祭
波除神社近くのおすすめ神社・寺
築地本願寺 | 創建400年を超える由緒ある寺院。異国情緒あふれる建物はインドの古代仏教寺院がモチーフ。 |
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東京佃 住吉神社 | 航海の神や海上安全の守護神社。龍神社もあり。 |
佃天台地蔵尊 | 狭い路地の奥に鎮座する、石板に彫られた(線刻)の珍しいお地蔵さんです。 |
於咲稲荷神社・波除稲荷神社 | 隣り合って鎮座する、大漁や水難防止を願う神社。 |