東京都新宿区、神楽坂からほど近い住宅街の小高い丘の上に鎮座する筑土八幡神社(読み方はつくどはちまんじんじゃ)は牛込東部の産土神。
平将門を主祭神にする北斗七星伝説(江戸の北斗七星)の一社でしたが、今は築土神社に引き継がれ、八幡神と同一とされている応神天皇が主祭神となっています。
境内には縁結びや交通守護のご利益があると言われている珍しい舟型の石造庚申塔や、伊勢神宮正宮の守護神である宮比神を祀る慶田社、白木千貫神輿がある神輿庫など見どころがいっぱいです。

目次
・ご祭神・ご利益
・歴史
・鳥居
・境内
・庚申塔
・宮比神社
・神輿庫と奉納樽
・社殿
・御朱印
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
筑土八幡神社のご祭神・ご利益
ご祭神は、誉田別尊とも呼ばれ八幡神と同一とされている応神天皇(おうじんてんのう)、応神天皇の母である神功皇后(じんぐうこうごう)、応神天皇の父である仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)。
そのご利益は開運・厄除け・勝運・出世・家内安全・家運隆昌などです。
ちなみに、昔は津久戸明神と呼ばれ、平将門を主祭神とした将門信仰の中心的神社でした。
まだ主祭神が平将門だった江戸の頃。
徳川家康の都市設計の一環で現在の新宿区に遷座します。
この移動には、東京23区内に点在する平将門伝説に関わる7つの神社を、北斗七星の形に配置する狙いがありました。
いわゆる都市伝説「北斗七星伝説(江戸の北斗七星)」で、筑土八幡神社は五番目の星「廉貞星(れんていせい)」になります。
1番…妙見信仰(北斗七星信仰)の起点となる鳥越神社
2番…兜を埋めたとされる兜神社
3番…北斗七星の核となる将門塚
4番…将門信仰の中枢である神田明神
5番…首桶の伝説がある筑土八幡神社
6番…将門の霊を鎮める水稲荷神社
7番…鎧を埋めたとされる鎧神社
ところが明治になると、政府の宗教政策によって「平将門は朝廷に刃向かった逆賊」とされ、公に祀ることが困難に。
祭祀は千代田区九段の築土神社に引き継がれ、現在の主祭神に差し替えられました。
また、実在されていたとされる首桶も築土神社に移されましたが、焼失してしまい現在は写真しか残っていないのだとか。
筑土八幡神社の歴史
約1200年前、嵯峨天皇の御代に創建。
創建のきっかけは、この辺りに住んでいた老人の夢に八幡神が現れたことからです。
夢から覚めた後、不思議に思って身を清めるため井戸へ行くと、一本の松の上に雲が棚引き、その雲の中から現れた白鳩が松の梢に。
八幡信仰の神使は鳩であることから、その松を祀ることとなりました。
その後、円仁(慈覚大師)が東国へ来た際に祠を立て、伝教大師(最澄)が彫った阿弥陀如来像を安置。
筑紫の宇佐神宮の宮土を礎としたことから筑土八幡宮と呼ばれるようになりました。
さらにその後、この辺りを支配していた上杉朝興によって社殿が建てられました。
1616年(元和2年)、それまで江戸城田安門付近にあった田安明神が筑土八幡神社の隣に移転(津久戸明神社)しますが戦災で全焼。
明神社は千代田区九段北に移転し築土神社に。
八幡神社の方はそのままこの地に鎮座し続け今に至ります。

筑土八幡神社の鳥居
最寄駅の飯田橋から大久保通り沿いを神楽坂方面に向かって歩くと、筑土八幡交差点のところに鳥居が見えてきます。
境内はかつて筑土山と呼ばれていた小高い丘の上にあり、長い石階段が境内に続いています。
その前には「筑土八幡神社」と刻まれた社号標と横木を用いた注連柱。


石段途中にある石造の明神型鳥居は、1726年(享保11年)に造立された新宿区内最古の鳥居(常陸国下館藩主の黒田直邦が奉納)。
総高3メートル75センチの新宿区登録有形文化財です。

さらに、遊具のある小さな児童遊園もあり。

筑土八幡神社の境内
階段を上るきると、緩く左に曲がる参道の先に社殿が見えます。
右側に手水舎・庚申塔・宮比神社・社務所。
左側には顕彰碑・神輿庫。


顕彰碑は、唱歌「金太郎」や「浦島太郎」「花咲爺」などを手がけた作曲家・田村虎蔵のもの。
筑土八幡神社の裏手に住んでいたのだとか。

境内には桜の木があり、手水舎近くには「神楽のさくら」。
参拝した日(3月下旬)は、残念ながらまだ満開には程遠い状態でした。


また神輿庫の横には隣の建物に通じる小道があり、参拝の休憩にピッタリな「筑土テラス cafe & bar」があります。



筑土八幡神社の庚申塔
大きな銀杏の前にある庚申塔は、1664年(寛文4年)造立。
太陽と月、桃の木と桃の実、二匹の猿をあしらった舟型の石造庚申塔は新宿区指定有形民俗文化財です。
三猿でなく二猿。
雌雄二匹の猿が桃の枝を持った姿は珍しく、縁結びや交通守護のご利益があるといわれています。
その近くには百度石。


筑土八幡神社の宮比神社
銀杏の木の奥に鎮座する境内社の宮比神社。
ご祭神は、伊勢神宮正宮の守護神である宮比神(みやびのかみ)。
大宮売命(おおみやのめのみこと)または天細女命(あめのうずめのみこと)とも呼ばれている、宮殿の平安を守る女神さまです。
下宮比町一番地の旗本屋敷にありましたが、1907年(明治40年)に現在地に遷座。



筑土八幡神社の神輿庫と奉納樽
神輿庫にある白木千貫神輿は、1866年(慶応2年)に製作された鉄製の飾り鋼に支え棒のついた堅牢な造りのお神輿。
担ぎ手には1000人も要するというのですからすごい。


隣には神楽坂の「升本酒店」から奉納された「白鷹」の積樽。
「白鷹」は伊勢神宮の御料酒として選定された銘酒です。

筑土八幡神社の社殿
玉垣に囲まれた社殿は、1963年(昭和38)に再建。
拝殿は入母屋造で本殿は流造です。


社殿前には、1810年(文化7年)に奉納された江戸尾立ちの狛犬。
「江戸名所図会」にも描かれた狛犬です。


筑土八幡神社の御朱印
社殿向かって右側に社務所。
御朱印は、社務所右側にある台に由緒書き一緒に置かれていました。

筑土八幡神社の詳細
筑土八幡神社へのアクセス
- 各線:飯田橋C1出口より徒歩4分
筑土八幡神社の主な行事・イベント
- 1月:歳旦祭
- 2月:節分祭
- 6月:大祓
- 9月:例大祭
- 12月:大祓
筑土八幡神社近くの神社・寺
| 赤城神社 | 隈研吾設計のモダンな社殿と、高い位置に鎮座する狛犬が特徴的。ゲゲゲの鬼太郎の御守りがあります。 |
|---|---|
| 清隆寺 | 加藤清正公を祀る日蓮宗寺院。御朱印の種類が豊富な今どきの都会のお寺。 |
| 安養寺(神楽坂聖天) | 御本尊は薬師如来坐の他、大聖歓喜天など多数の仏さまを祀る寺院。銭洗弁天の銭洗いができます。 |
| 伏見火防稲荷神社 | 神楽坂の路地裏にひっそりと佇む小さな稲荷神社。神楽坂まつりの会場の一つでもあります。 |
| 小石川諏訪神社 | 牛天神北野神社の兼務社。森稲荷大明神も祀られています。 |






