母親と子供を護る仏教の女神・鬼子母神(きしもじん)を祀っている真源寺(読み方はしんげんじ)。
安産や子育て、縁結び、家内安全のご利益で有名です。
また、子宝・富にご利益がある福禄寿を祀る下谷七福神のひとつです。
毎年7月6・7・8日には、入谷朝顔まつりが3日間にわたって開催。
朝顔業者と露店が道路いっぱいに並び、多くの人が訪れて賑わいを見せる夏の風物詩になっています。
目次
・ご本尊
・歴史
・山門
・境内
・本堂
・福禄寿堂
・入谷七福神とは?
・御朱印・お守り
・入谷朝顔まつり
・アクセス
・近くにある神社・寺
真源寺のご本尊
ご本尊は、三宝尊(さんぽうそん)。
三宝尊とは、法華宗・日蓮宗の本尊。
仏(お釈迦さま)・法(法華経)・僧(日蓮聖人)の三宝を一つの本尊としてまとめ祀る仏像です。
正式には「一塔両尊(いっとうりょうそん)」と呼びます。
また、法華経の守護神であり、安産と子育ての神様でもある鬼子母神も祀っています。
そのご利益(ご神徳)は、安産・子授け・子育て・病気平癒などです。
入谷鬼子母神では、子育ての善神になった事から「鬼」の字の1画目の点を外したツノのない文字を使っています。
ちなみに、鬼子母神を祀る法華経のお寺のなかでも、入谷の真源寺・中山の正中山法華経寺(千葉県)・雑司ケ谷鬼子母神堂(東京・豊島区)は江戸三大鬼子母神と言われています。
真源寺の歴史
1689年(満治2年)、静岡県沼津にある大本山光長寺(法華宗の総本山)の第二十世高運院日融上人が、日蓮像と鬼子母神像(一寸八分の御木像)を祀る仏立山・真源寺を建立。
この鬼子母神像は、大本山光長寺の開基・中老僧日法聖人が彫り、日蓮聖人が開眼したと伝えられています。
俗に「恐れ入谷の鬼子母神」と言われていますが、その由来は医者にも見放された腫れものに困っていた女中によるもの。
腫れものをどうにかしてほしい一心でお参り(願掛け)をおこなったところ、帰り道につまずき、腫れ物の口が破れて膿が出て完治。
その出来事を江戸の中期に活躍した狂歌師・太田蜀山人が聞き、そのご利益に恐れ入ったとして「恐れ入谷の鬼子母神」と洒落言葉(地名の入谷と鬼子母神をかけた)で言ったのが始まりです。
真源寺の山門
東京メトロ日比谷線入谷駅2番出口から地上に出て、言問通りを横断。
途中、「入谷朝顔発祥の地」ともう一つの記念碑が。
入谷の朝顔は明治初めの頃から作られており、植木屋が競って大輪の朝顔や変わり種を作ったことから「入谷の朝顔」として有名になりました。
言問通りに沿って歩くと、境内の石造り塀、石造り山門が見えました。
駅から近いです。
入り口には「入谷鬼子母神」と彫られていますが、よーくみると鬼に一角がありません。
また、壁の屋根瓦には鶴紋&ざくろ紋。
真源寺の境内
境内はコンパクトで、境内に入ってすぐ右側には、下谷七福神の福禄寿を祀る福禄寿堂。
左側には「南無妙法蓮華経」の名が刻まれている石柱標、畳針供養、正岡子規句碑、日朝上人坐像がズラリ。
日朝上人にお参りすると、眼病平癒にご利益があると言われています。
正岡子規は、入谷朝顔まつりについて「入谷から出る朝顔の車かな」と詠っていることでも有名です。
本堂左側の寺務所近くには、やっぱり点がない「鬼子母尊神御寶前」の標額が掲げられている庫。
ザクロの木が屋根を貫通しています。
真源寺の本堂
石畳の参道の先には常香炉。
屋根瓦とは異なるけど、こちらもざくろ紋かな?
常香炉の先には本堂。
「鬼子母神」の名の入った大きな赤提灯!
また、躍動感ある龍と獅子の彫刻が見事です。
今にも動き出しそうなほどリアル。
真源寺の福禄寿堂
入谷七福神の福禄寿を祀るお堂。
福禄寿は幸福・財産・長寿の神様で、招徳人望・金運上昇・健康長寿のご利益があると言われています。
福禄寿堂の前には百度石の石柱がありました。
その隣には絵馬掛け。
浮世絵の下には、福禄寿が描かれた絵馬が。
入谷七福神とは?
入谷七福神は入谷鬼子母神の他、寿永寺(布袋尊)・飛不動尊正宝院(恵比寿神)・弁天院(朝日弁財天)・法昌寺(毘沙門天)・英信寺(三面大黒天)・元三島神社(寿老神)の7社寺。
当初は社寺それぞれで御開帳日を定めおこなわれいていましたが、1977年(昭和52年)からは7社寺そろって御開帳日(毎年1月1日~7日)を定め、七福神めぐりがおこなわれています。
集印用の専用色紙は3種類あり、各社寺を巡拝して集める七福神の分身もあります。
真源寺の御朱印・お守り
御朱印は、本堂左側の寺務所の授与窓口でいただけます。
下谷七福神の福禄寿や入谷鬼子母神、入谷朝顔市の特別御朱印など多数あり。
お守りでは、心身の健康を意味する「身體健全」と記された健康祈願、子授けなどのお守りなどが用意されており、お守りを受け取る際には火打ち石を打ってお経を唱えながら渡してくれるのだとか。
また、入谷朝顔まつり開催時には、「身体安全・御守・入谷鬼子母神」と記された、朝顔の造花がついたお守りもあります。
祈祷日は毎月8・18・28日です。
真源寺の「入谷朝顔まつり」
3日間にわたって開催される入谷朝顔まつりは、江戸情緒豊かな入谷の夏の風物詩。
入谷鬼子母神(真源寺)を中心に、言問通りに朝顔業者や屋台(縁日)がズラリと並び、毎年数十万人といった人出で賑わいます
真源寺の詳細
真源寺へのアクセス
- 東京メトロ日比谷線:入谷駅より徒歩2分
真源寺近くのおすすめ神社・寺
小野照崎神社 | 「男はつらいよ」の寅さんも!断ち物祈願による願掛けで有名。 |
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英信寺 | 本堂は鐘では無く数珠。下谷七福神三面大黒天(大黒天、弁財天、毘沙門天の三面のお顔)は必見。 |
法昌寺 | たこ地蔵や入谷七福神毘沙門天(下谷七福神巡り)で有名な寺院。 |
三島神社 | 雷井戸の伝承のよる「不落祈願」や「不落守」で有名。境内には火除稲荷社が鎮座。 |
元三島神社 | 「三島さま」として知られ正岡子規ゆかりの地。定期的に変わる手花水と御朱印も。 |