行人坂の途中にある松林山 大圓寺(読み方はしょうりんざん だいえんじ)は、裏鬼門を護る位置にあることから特に厄除けで有名なお寺。
商売繁盛・出世開運などのご利益がある開運出世大黒天を安置していることからも「大黒寺」とも呼ばれているスピリチュアルなパワースポットです。
秋の東京都文化財ウィークでは、特定の日にしか御開帳されない釈迦堂の木造釈迦如来立像を公開。
本堂に参拝への参拝はもちろん、気軽にできる護摩祈願や薬師如来への金箔貼り、とろけ地蔵とお七地蔵の摩尼車、五百羅漢石仏群などの各種石仏の拝観など、基本的な参拝だけでなく、さまざまな鑑賞・体験ができます。

目次
・東京都文化財ウィークとは?
・参拝①本堂
・参拝②釈迦堂の木造釈迦如来立像
・参拝③お手軽護摩祈願
・参拝④薬師如来の金箔貼り(健康祈願)
・参拝⑤とろけ地蔵とお七地蔵の摩尼車
・参拝⑥境内の各種石仏拝観
・参拝⑦御朱印・お守り
・参拝⑧周辺の寺社めぐり
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
大圓寺の東京都文化財ウィークとは?
文化財をより身近に感じてもらうための企画「東京文化財ウィーク」は、大きくわけて通年で公開している通年公開事業、普段公開していない文化財を特別に公開する特別公開事業、文化財めぐりや特別展・講座などを行う企画事業とに分かれています。
企画事業がおこなわれる2ヶ月間を主に東京文化財ウィークと呼んでおり、特別公開事業は中間に当たる期間に10日間ほど設定されています。
大圓寺では特別公開事業として、10月下旬から10日間ほど木造釈迦如来立像を公開しています。
木造釈迦如来立像は本堂の左側に建つ釈迦堂に安置されており、通常は非公開。
大晦日・お正月・花まつり・甲子祭の日のみの開帳となり、数日間と長い期間に自由に拝観できるのは東京都文化財ウィーク期間中のみです。

大圓寺の参拝①本堂
東京都文化財ウィーク期間中は、山門や境内に「東京都文化財ウィーク」と書かれた幟があちらこちらに。


まずは本堂に参拝。
お堂の前には、大黒天が持っている袋をモチーフにした香炉があり、「開運」と書かれた小槌が。
隣にはお線香(100円)が用意されています。



大圓寺の参拝②釈迦堂の木造釈迦如来立像
本堂にお参りしたら、隣の釈迦堂に。
いつもは閉まっている扉が開かれ、ガラス越しに木造釈迦如来立像を拝観することができます。


大圓寺の参拝③お手軽護摩祈願
大圓寺では、「甲子(きのえね)」の日に大黒天の甲子大祭縁日をおこない、護摩修行者が密教の秘法で自身を浄め様々な供物を以って供養をおこない、願い事が叶うように仏様に祈りを捧げてくださいます。
それとは別に、本堂と釈迦堂の間、おみくじの隣に開運大黒天護摩木が用意されています。
短い(100円)のと長い護摩木(200円)の2種類。
いつでもお手軽にできる護摩祈願で、参拝した際には必ずと言っていいほどおこなう、おすすめの護摩祈願です。
また、最近、おみくじを引いていなかったら、こちらおみくじを引いて吉凶を占うのもおすすめです。
こちらにある筒に入った木札をひく(100円)タイプだけでなく、寺務所には山手七福神の大黒天の入れ物に入ったおみくじもあります。


おみくじと護摩祈願の正面には七福神が鎮座しており、真ん中に人が入れるような?
せっかくだから、ここで写真を撮ってもいいですね!
思い出にもお守りにもなりそうです。

大圓寺の参拝④薬師如来の金箔貼り(健康祈願)
本堂の右側に安置されている薬師如来は、病気や怪我の平癒にご利益があるとして、体の悪いところと同じ部分に金箔を貼るとたちまち良くなると言われています。
寺務所(授与所)で金箔を授与(3枚で500円 ※2025年10月)しており、自分だけでなく家族、友人の体で気になる箇所と同じ場所に願いを込めて貼ることができます。


金箔は手のひらに収まるほどのサイズで、紙に一枚ずつ挟まれていました。
そのまま手に持ってつけようとすると、薬師如来さまではなく自分の手について黄金色になりますので要注意!
紙の上から押さえつけるように貼り付けます。
ただ、これがなかなか難しい!
シールみたいに簡単に張り付かず、粘着力が弱いので、しっかりついていない箇所は風で飛ばされたりと簡単にはいきません。
(なんとか)貼り終えたら薬師如来のご真言「オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ」と唱えお祈りします。



大圓寺の参拝⑤とろけ地蔵とお七地蔵の摩尼車
大圓寺の境内には、五百羅漢石仏群をはじめさまざまな石仏があり、摩尼車(まにぐるま)もいくつか設置されています。
摩尼車は主にチベット仏教で使われる仏具で、円筒の筒の中に経文やマントラが収められており、筒を回すことで経を唱えたのと同じ功徳が得られるとされています。
なかでも是非回しておきたいのは、とろけ地蔵とお七地蔵です。
とろけ地蔵は、行人坂の大火などで被害にあわれた人々の慰霊のために作られた五百羅漢石仏群のところにあります。
歴史的重要文化財である五百羅漢石仏群は是非じっくりと見ていただきたいところで、赤ん坊を抱いた女性の羅漢像や錫杖の鐶を掛ける部分が十字架の形をした羅漢像など、すべての石像の表情やポーズが異なり見ごたえがあります。
石仏群の前には普賢菩薩・文殊菩薩を脇侍に配した釈迦三尊像。
その周囲には十大弟子と十六羅漢が。


その右隣にあるのが、その名の通り溶けてしまったようなお姿をしているとろけ地蔵。
もとは漁師の網に引っかかっていたお地蔵様で、行人坂の大火で焼かれて今のお姿になってしまったそうです。
悩み事をとろけさせてくれるご利益があるといわれていますので、悩みごとがある方は摩尼車を回してみてはいかがでしょうか。

お七地蔵は、本堂の右側にある阿弥陀堂のところにあります。
お七地蔵のお七とは、西運上人(吉三)の恋人。
お七さんは吉三さん恋しさから心を壊し、家に火を放ったことから処刑されてしまった女性です。
吉三さん(西運上人)はお七の死後、念仏を唱えながら諸国巡礼。
江戸にもどると目黒不動尊と浅草浅草寺へ隔夜日参一万日という念仏行を数十年と続けるなど供養の日々を送ります。
そして成し遂げった夜、お七が夢枕に立って成仏した事を告げたと伝えられています。
お七地蔵は縁結びのご利益があるといわれており、すぐそばの摩尼車を一回まわすと、お経を一回唱えたのと同じご功徳を頂けるとされています。
地蔵菩薩のご真言は「おん かかか びさんまえい そわか」。
ちなみに、お七地蔵の左側にある石碑は、風雪吹きすさぶ中を念仏行を続ける西運の姿が刻まれています。


大圓寺の参拝⑥境内の各種石仏拝観
境内には五百羅漢石仏群だけでなく、他にもたくさんの石像が置かれており見ごたえがあります。
山門の両サイドの可愛らしい守り地蔵や、案内の石碑にのっているかわいらしいお地蔵さん。
水子供養地蔵群や六地蔵、鬼の顔がのっかった鐘楼、「見ざる聞かざる言わざる」の3匹の猿が彫られた庚申塔などあちらこちらに点在しています。



また、行人坂の途中にある目黒川架橋供養勢至菩薩石像も忘れずに参拝したいところ。
厄除・安産のご利益があると言われています。

大圓寺の参拝⑦御朱印・お守り
最後はやっぱり御朱印&お守り!
本堂と阿弥陀堂の間にある寺務所で授与されています。
御朱印は、ご本尊の釈迦如来と大黒天の2種類。
御朱印帳への直書きと、打ち出の小槌型の書き置き型御朱印とあります。


お守りでは、開運や縁結び、病気平癒など、さまざまなご利益に応じたお守りを授与。
特に、甲子の日に授与される「大黒天金運お守り」、小さな大黒さまが入ってる「金小槌根付守り」など金運アップ祈願のお守りは人気です。
大圓寺の参拝⑧周辺の寺社めぐり
大圓寺の近くには有名な神社やお寺があり、いずれも徒歩圏内。
目黒駅からここ大圓寺。
坂を下って良縁のパワースポットであり、眼病に特化したお守りがあることでも有名な大鳥神社。
山手通り沿いに鎮座する、岩窟の弁天堂がある蟠龍寺。
目黒区指定有形文化財の四脚門がある海福寺。
その隣には、松雲元慶禅師が十数年の歳月をかけて彫りあげた羅漢像(現存305体)を安置している五百羅漢寺。
境内の「らかん茶屋」でランチやお茶ができます。
さらに隣の目黒不動尊瀧泉寺も!
目黒不動尊は広く、こちらも見どころがいっぱいです。
縁日(甘藷まつり)の日であれば、迫力ある護摩祈祷や屋台グルメも楽しめます。

そして最後は、タコが多幸を呼ぶ開運のご利益があるされているスピリチュアルなパワースポットたこ薬師 成就院。
帰りは目黒駅から一駅の不動前駅から帰宅できると、目黒駅から不動前駅までの間でまる1日を楽しむことができます。
大圓寺の詳細
大圓寺へのアクセス
- 各線:目黒駅より徒歩3分
- 公式サイト:https://meguro-daienji.com/
大圓寺の行事・お祭り
- 1月:十一面観音護摩修正会
- 2月:星祭節分会、初甲子大祭
- 3月:春季彼岸会法要
- 4月:花まつり降誕会
- 7月:盂蘭盆会・施餓鬼会法要
- 9月:秋季彼岸会法要
- 10月:東京都文化財ウィーク
- 毎月:写経会
- 大黒天ご縁日:甲子大祭
大圓寺近くのおすすめ神社・寺
| 大鳥神社 | 例大祭と酉の市で有名な、目黒区最古の神社。境内社に目黒稲荷神社があり。 |
|---|---|
| 蟠龍寺 | 浄土宗の寺院。奥まったところにひっそりとあり、本堂右手奥の岩窟内には山手七福神の弁天様がいます。 |
| 誕生八幡神社 | 太田道灌が安産祈願として創建。徳川三代将軍家光由来の重箱稲荷があります。 |







