佛日庵（読み方はぶつにちあん）は、鎌倉五山第二位、臨済宗円覚寺派の大本山である円覚寺の塔頭寺院。
鎌倉地蔵霊場十四番札所、鎌倉三十三観音霊場第三十三番、結願の札所です。
円覚寺境内にありますが、別途拝観料が必要。
開運と学問のご利益があるといわれているスピリチュアルなパワースポットです。
また、境内には種類豊富な紫陽花をはじめ長寿の木・臥龍梅、中国の作家・魯迅から贈られた白木蓮（ハクモクレン）や泰山木（タイザンボク）、作家・大佛次郎夫人から贈られた垂れ桜など、歴史の偉人にまつわる四季折々の風景が楽しめます。
目次
・歴史とご本尊・ご利益
・入り口
・本堂
・開基廟
・庭園
・茶室「烟足軒」
・御朱印・お守り・おみくじ
・アクセス
・主な行事・お祭り
・円覚寺境内各所
・近くにある神社・寺
・近くのおすすめグルメ
佛日庵の歴史とご本尊・ご利益
ご本尊は延命地蔵菩薩坐像。
延命長寿・母子の擁護のご利益の他、また、開基である北条時宗公を祀っていることから、開運・学問向上、縁結び、厄災消除といったご利益があるとされています。
1282年（弘安5年）に鎌倉幕府の8代執権・北条時宗公が、中国・宋より無学祖元禅師（佛光国師）を招いて円覚寺を開山。
禅の修業をおこなうために建てた庵を、時宗公の死後に開基廟として整備しました。
室町時代末期頃になると、鶴隠周音（かくいんしゅういん）が開基廟の南に玉泉軒を建て、佛日庵と改称し円覚寺の塔頭になったことで、再び盛り立てられていきました。
佛日庵の入り口
円覚寺の参道を大方丈、妙香池を過ぎると佛日庵への案内板。
開基廟の正面にある山門は、普段は閉じられています。
入口は山門の左側。
こちらで拝観料を納めます。
拝観時間は9時から16時。
拝観料は100円（円覚寺拝観料とは別）。
ちなみに、1月1日～3日は拝観無料、5月5日は中学生以下は拝観無料でお参りできます。
佛日庵の本堂
2007年（平成19年）に建てられた本堂。
鎌倉地蔵霊場十四番札所です。
本堂には南北朝期の地蔵菩薩坐像（鎌倉地蔵霊場十四番）と、佛日庵を再興した鶴隠周音像が安置されているだけでなく、円覚寺山門建立の時に使われた長さ48尺の物差し（尺杖）が現存。
本堂内に上がって参拝できます。
佛日庵の開基廟
開基廟は石積みの基壇の上に立つお堂で、1811年（文化8年）に改築。
円覚寺の開基である北条時宗公のご廟所（墓所）で、「佛日庵御霊屋」とも呼ばれています。
ご廟所があった場所は、北条時宗公が禅の修行をおこなうための庵があった場所で、1284年（弘安7年）に亡くなると、この場所にご遺体を安置しお堂を建て開基廟としました。
時宗公のご命日である4月4日には毎歳忌、毎月4日には毎月忌の法要。
7月15日には開基廟総供養の法要が執り行われています。
常香炉には北条家の家紋「三つ鱗」。
ここだけでなく、いたるところにみられます。
堂内には円覚寺大檀那である鎌倉幕府8代執権・北条時宗公、9代執権北条貞時公、14代執権北条高時公の木像と、時宗公が禅の修業をしていたときに信仰していたと言われる十一面観音坐像（鎌倉観音霊場第三十三番）、が祀られています。
また、お堂の下には北条時宗公、貞時公、高時公の各遺骨を納めた石櫃があると伝えられています。
佛日庵の庭園
開基廟の前にある庭園には、落語家の二代目・林家木久蔵師匠と苔の専門家チームの手によって造られた苔庭、開基廟左前の臥龍梅（がりゅうばい）、「阿Q正伝」「狂人日記」で知られる中国の作家・魯迅から贈られた泰山木と白木蓮、枝垂れ桜、多羅葉、唐種小賀玉（からたねおがた）、そして秋は紅葉と四季折々の自然を楽しむことができます。
庭の一角には、どんな人であっても平等に幸せになってほしいとの願いから作られたしあわせ観音様。
梅雨の時期には、しあわせ観音の周りに紫陽花が咲き誇る隠れた名所です。
また、佛日庵の寺務所ではしあわせ観音に由来したしあわせ守りが授与されています。
境内には椅子が用意され、こちらで宇治のお抹茶とミカフェートのコーヒーがいただけます。
落雁は豊島屋さんの小鳩豆楽を使用。
佛日庵の茶室「烟足軒」
川端康成の「千羽鶴」や立原正秋の「やぶつばき」などの小説にも登場する茶室「烟足軒（えんそくけん）」。
ここは佛日庵を再興した鶴隠周音（かくいんしゅういん）が建てた茶室があった場所で、現在の茶室は昭和初期に移築されたきたものです。
佛日庵の御朱印・お守り・おみくじ
佛日庵で頒布されている御朱印は3種類。
開基廟におまつりしている北条時宗公御廟所。
開基廟におまつりしている十一面観音（鎌倉観音霊場第三十三番）。
佛日庵本堂におまつりしているご本尊延命地蔵尊（鎌倉地蔵霊場十四番）。
授与所では、北条時宗公・十一面観音・延命地蔵尊のお箸、お線香、大般若札、降魔矢、交通安全マグネット・反射ステッカー、絵馬おみくじなどが授与されています。
円覚寺の詳細
円覚寺へのアクセス
- JR線：北鎌倉駅よりすぐ
- 円覚寺公式サイト：https://www.engakuji.or.jp/
- 佛日庵公式サイト：http://www.butsunichian.com/
円覚寺の主な行事・イベント
- 1月：国宝舎利殿特別公開、大般若祈祷会
- 2月：涅槃会
- 4月：時宗公毎歳忌、降誕会（花まつり）
- 5月：国宝舎利殿特別公開
- 6月：観音懺法
- 10月：開山国師毎歳忌、達磨大師毎歳忌、漢・舎利講式
- 11月：国宝舎利殿特別公開、宝物風入、弁財天諷経
- 12月：成道会、除夜念誦、除夜の鐘
円覚寺境内各所
| 仏殿 | 禅宗様式の七堂伽藍の中心、ご本尊が祀られています。 |
|---|---|
| 大方丈 | 境内には天然記念物「柏槇（ビャクシン）」や百観音霊場。堂内から美しい庭園が眺められます。 |
| 舎利殿 | 国宝。「佛牙舎利（ぶつげしゃり）」というお釈迦様の歯が祀られています。 |
| 佛日庵 | 円覚寺の開基である北条時宗公のご廟所（墓所）。別名「佛日庵御霊屋」。 |
| 黄梅院 | 境内奥にある、第十五世夢窓疎石（夢窓国師）の塔所。 |
| 弁天堂 | 高台にあり、茶屋も併設。江ノ島弁財天の加護によって完成した洪鐘があります。 |
| 十王堂（桂昌庵） | 木造十王像が祀られており、弓道場も併設。別名「閻魔堂」。 |
| 如意庵 | 窓に広がるお庭の景色を眺めながらお茶がいただけるお寺カフェ。 |
| 弁天茶屋「航」 | 洪鐘弁天堂の横にある茶屋。オープンテラスで眺めが最高です。 |
円覚寺近くのおすすめ神社・寺
| 浄智寺 | 苔の参道が美しい禅宗寺院。本堂をはじめ鎌倉十井ややぐら、七福神と見どころあり。 |
|---|---|
| 明月院 | 悟りの窓と境内のアジサイや紅葉で有名な臨済宗禅寺。園内には地蔵様やウサギが点在しています。 |
円覚寺近くのおすすめ喫茶・カフェ・食事処
| 鎌倉五山本店 | 昔ながらの食事処。名物メニューは紫陽花ごはんと元祖建長そば・うどん。 |
|---|---|
| 茶寮 風花 | 明月院近くにあるお茶屋さん。名物メニュー「うさぎ饅頭」が人気。 |
