牛天神北野神社(読み方はうしてんじんきたのじんじゃ)は、源頼朝が創建した神社。
東京ドームシティや小石川後楽園などの氏神様でもあり、東都七天神の一社にも数えられています。
境内にある願いが叶う「撫で岩(ねがい牛)」は、源頼朝が休憩し夢告を受けたスピリチュアルなパワースポットで、願掛けのためのお参りの仕方もあるほど。
また、ドラマ「全領域異常解決室」の撮影地でもあり、ドラマ内では稲荷山神社として、ゼンケツ本部になっていた神社でもあります。

目次
・歴史とご祭神・ご利益
・鳥居
・参道
・木斛・桜の木
・撫で岩(ねがい牛)と牛石
・社殿
・太田神社・高木神社
・御朱印・お守り
・鷽替え神事
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
・近くのおすすめグルメ
牛天神北野神社の歴史とご祭神・ご利益
ご祭神は、学問の神様として知られている天神様こと菅原道真公。
牛に乗った菅原道真公の御神託を受けた源頼朝により、牛を守護神とした牛天神社として1184年(元暦元年)に創建。
創建場所は現在の小石川後楽園や東京ドームシティのところ?
寛永年間に、水戸藩邸が造営されたため現社地に遷座。
別当寺は「龍門寺(現・廃寺)」でした。
牛天神北野神社は浮世絵にも描かれており、葛飾北斎は当時境内にあった茶屋で「富嶽三十六景」を描いた事は有名です。

牛天神北野神社の鳥居
最寄り駅は、東京メトロや都営地下鉄各線の後楽園駅・春日駅、またはJRの飯田橋駅。
住宅に挟まれる形で立つ1915年(大正4年)製の鳥居は、ちょっと変わった形をしています。
2本の石柱間を、3つの穴が開いた木材でつなげ、通称の牛・天・神の提灯。
ちなみに、社号碑は「北野神社」です。
社地縮小や区画整理により、かつての裏参道が現在の表参道になっています。


やや急勾配で段数がある階段を登っていくと、一般的な形の二の鳥居があり、その先が境内です。


牛天神北野神社の参道
鳥居正面には、牛の形にくりぬかれたおみくじ掛け。
左側には社務所と、境内社の太田神社・高木神社。
社殿には右側から、塀沿いに進んでいきます。
ちなみに、おみくじ掛けは牛の形だけでなく、縁結びのご利益がささやかれるハート形のおみくじ掛けもあります。


2002年(平成14年)に菅原道真公昇神1100年を記念して奉納された手水舎は、屋根や柱には備前の木、梅の花びらを模している手水鉢には御影石が使われています。


社殿前に鎮座する狛犬は、両方とも子供の狛犬持ち。
ママのお乳をのむ子と、パパの背中をよじ登る子と、夫婦で子育てしているかのような姿にほっこり。


牛天神北野神社の木斛・桜の木
社殿前の広いスペースには、樹齢100年超の木斛(もっこく)。
心をこめてお願いすると必ず願いが叶うといわれている、スピリチュアルなパワースポットです。

木斛の奥には、1909年(明治42年)に門下生によって建てられた中島歌子の歌碑。
「雪のうちに 根ざしかためて 若竹の 生出むとしの 光をぞ思ふ(雪の降り積もった中で、深く根を入れている若竹が、すくすくと光り輝いて伸びている)」

また、水戸藩二代藩主・徳川光圀(水戸光圀)が奉納したといわれている桜の木も。
当時、5本ありましたが、現在は1本だけ残り春になると花を咲かせています。
牛天神北野神社の撫で岩(ねがい牛)と牛石
社殿の前には、2つの牛石。
天神様をお祀りしている神社では定番です。


奥の方には、鎌倉時代に源頼朝公が奥州への東征途中で腰掛け休息した撫で岩(ねがい牛)。
牛に乗った菅原道真公から「二つの喜びがある」と夢告を受け、翌年、願いが叶った(長男頼家の誕生、平家を西海に追はらう)ことから、この岩を祀るようになりました。
以来、境内にある牛の形をした岩(ねがい牛)の頭の部分を、願いながら撫でると願いが叶うと言われています。
また、独自の願掛けもあり。
境内のお水で濡らしたガーゼなどをねがい牛の口元に触って気を入れ、ビニール袋などに入れて持ち帰ります。
寝る際に枕の下に入れると、2つの願いが叶うそうです。


牛天神北野神社の社殿
南向きの社殿には、社紋である梅の花。
周囲には梅の木が植えられており、2月には献梅祭・紅梅まつりが斎行されています。
また、拝殿内には運慶作で水戸藩二代藩主・徳川光圀(水戸光圀)が奉納した金色の美しい狛犬が置かれています。
鎌倉時代に運慶が製作し京都御所に置かれていた狛犬で、光圀公へ献上すも「好みではない」ということで、水戸藩邸の隣にあった牛天神北野神社に奉納されたそうです。

牛天神北野神社の太田神社・高木神社
鳥居の先には、太田神社と高木神社の合殿。
芸能の神・天鈿女命(あめのうずめのみこと)と道の神・猿田彦命(さるたひこのみこと)の夫婦神、宇迦御魂命(うかのみたまのみこと)が祀られています。
そのご利益は芸能上達・開運招福。
かつては貧乏神とされる黒闇天女を祀っていましたが、清貧旗本が貧乏神から「毎月、1日と15日と25日に赤飯と油揚げを供え、わしを祭れば福を授けよう」と夢告され、その通りにしたところたちまち大金持ちに。
「福の神になった貧乏神」として、「人についている貧乏神を追い払い、福の神を招き入れることができる」と信仰されるようになったそうです。
毎年3月31日に例祭が斎行され、太田神社・高木神社例祭記念御朱印を頒布。
数量限定で参拝品も進呈されています(要御朱印帳)。


境内社鳥居の近くには、屋根付きの庚大きな庚申塔。
下部には「見ざる・聞かざる・言わざる」の三猿が。

牛天神北野神社の御朱印・お守り
御朱印では、牛天神北野神社だけでなく境内社の太田神社・高木神社、兼務社の諏訪神社・出世稲荷神社の御朱印を授与。
御朱印に押印されている黒牛は、牛天神北野神社のシンボルである願い牛をモチーフにしています。
祭祀や催事の際には記念御朱印もあり、記念品がつくことも。
ただ、曜日が限定されていることもありますので要注意です。
ちなみに、オリジナル御朱印帳は木製で、葛飾北斎の冨嶽三十六景「礫川雪ノ旦」が描かれています。


お守りは各種用意されており、学業成就や厄除け、縁結び、安産、交通安全など多岐にわたります。



牛天神北野神社の鷽替え神事
1月25日の初天神では、鷽替え神事を斎行。
牛天神北野神社が頒布している鷽鳥は、まるで枝にとまっているかのようなデザイン。
ちょっとずんぐりむっくりしたふくよかなスタイルで貫録があります。
しかも箱入り。
ちなみに、2025年の14時ごろに参拝したところ、すでに鷽鳥はすべて授与されていました。
そのことを知らせる書置きがセンスあり。

牛天神北野神社の詳細
牛天神北野神社へのアクセス
- 地下鉄丸ノ内線・南北線:後楽園駅より徒歩10分
- 地下鉄三田線・大江戸線:春日駅より徒歩10分
- 各線:飯田橋駅より徒歩10分
- 公式サイト:http://ushitenjin.jp/
牛天神北野神社の主な行事・イベント
- 1月:元旦祭、春季祭
- 2月:献梅祭・紅梅まつり
- 3月:太田神社・高木神社 例祭、さくら便り
- 4月:さくら便り
- 5月:例大祭
- 6月:夏越祓
- 7月:夏詣、七夕祈願、大輪朝顔まつり
- 8月:納涼大会
- 9月:秋季祭
- 10月:菊わらべまつり(菊展示会)
- 11月:菊わらべまつり(菊展示会)、七五三祝祭
- 12月:大祓式
牛天神北野神社近くのおすすめ神社・寺
| 傳通院 | 徳川家康公の生母・於大の方の菩提寺。有名人のお墓が多数あります。 |
|---|---|
| 福聚院 | 小石川七福神の大黒天がご本尊。幼稚園が併設されています。 |
| 慈眼院 澤蔵司稲荷 | 傳通院で仏教を学んだお狐様が祀られている霊場。 |
| 月参堂 善光寺 | 月に一度のお参りを推奨する月参堂。徳川家康公の母君ゆかりのお寺です。 |
| 無量山 真珠院 | 開基は初代松本藩主・水野忠清。小石川七福神の布袋尊が祀られています。 |
| 源覚寺(こんにゃく閻魔) | こんにゃく閻魔さまにこんにゃく、塩地蔵さまにお塩を奉納して健康祈願。 |
牛天神北野神社近くのグルメ
| 稲荷蕎麦 萬盛 | 稲荷大明神が通った老舗の蕎麦屋。澤蔵司稲荷に奉納している箱そばは店内でも食べれます。 |
|---|






