飛不動尊 正宝院(読み方はとびふどうそん しょうぼういん)は、本山派修験僧の正山上人によって開かれた修験系天台宗の単立寺院。
関東三十六不動霊場、第二十四番札所です。
正式名称は「龍光山 三高寺 正寶院(りゅうこうざん さんこうじ しょうぼういん)」で、創建のきっかけとなった、龍が光を放ち空へ昇った吉夢から名づけられました。
お不動様が空を飛んで戻り願いをかなえてくれたというスピリチュアルな伝承があるパワースポット。
近年では、小惑星探査機はやぶさに「無事に動くように」と正宝院のシールが貼れたこと、行方不明になった時に正宝院にお参りしていたことでも知られています(その後、奇跡的に見つかり映画「はやぶさ 遥かなる帰還」にもなりました)。
ちなみに、飛不動尊 正宝院のお参りの仕方は、一般的なお寺とはちょっと異なります。

目次
・ご本尊・ご利益
・歴史
・参道入口
・境内
・本堂のお参りの仕方
・恵比寿堂のお参りの仕方
・御朱印・お守り・おみくじ
・入谷七福神とは?
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
飛不動尊 正宝院のご本尊・ご利益
ご本尊は、正山上人が彫ったお不動様、通称「飛不動尊」です。
飛不動尊は、旅先まで飛んできて守ってくれる「空飛ぶお不動様」、病魔や災難等を飛ばしてくださる「厄飛ばしのお不動様」とも呼ばれています。
お不動さまのご縁日は28日で、ご本尊のご開帳は12年ごとの酉歳におこなわれています。
飛不動尊 正宝院の歴史
創建は1530年(享禄3年)。
諸国を巡歴していた正山上人がこの地を訪れたとき、お不動様のご加護を象徴する龍の夢告を受け、村人達の息災延命と自らの旅の安全を祈ってお不動様を刻みこの地に奉安。
旅人の守り本尊、また災厄消除の祈願寺として信仰されるようになりました。
飛不動尊と呼ばれる所以は、ご本尊のお不動様がお寺に不在(住職が修行に出ていた)際に、お不動様の分身を携えた人々が集まり祈念したところ、お不動様が一夜にして大峯山から江戸に飛び帰り、祈った人々の願いを叶えてくださったことからです。
また近年では、正宝院で成功祈願を受けていたい小惑星探査機「はやぶさ」が行方不明になるも奇跡的に見つかり帰還したことでも有名。
宇宙に関わる職業の方や愛好家の方々からも信仰されています。
さらに、「航空安全=落ちない」から受験合格・学業成就のご利益でも注目されています。

飛不動尊 正宝院の参道入口
鷲神社や吉原神社からほど近い、住宅に囲まれた境内。
建物に挟まれたところにある参道入り口には、「飛不動尊」の提灯と頭上にズラリと並んだ奉納提灯ですぐにわかります。


参道には奉納されたのぼりが連なり石仏も。



飛不動尊 正宝院の境内
参道の正面には寺務所、左側に本堂。


手水舎は境内の右側。
六地蔵さまとカウンター付きのお百度石もありました。



飛不動尊 正宝院の本堂のお参りの仕方
御本堂に掲げられた提灯には「飛不動尊」。
扁額「龍光山」の隣には、奉納された利剣が架けられています。
そして堂内には御本尊の飛不動尊、大日如来、阿弥陀如来などが安置されています。



お賽銭箱にはお参りの仕方の説明書きが置かれており、一般的なお寺のお参りの仕方とは異なる作法。
①お賽銭を入れる
②一礼をする
③鰐口を2回鳴らす
④手を2回叩く
⑤合唱してお不動様に願い事や感謝の気持ちを伝えます。
⑥ご真言を3回唱えし一礼します。

飛不動尊 正宝院の恵比寿堂のお参りの仕方
飛不動尊 正宝院は、恵比寿様が祀られている下谷七福神めぐりの一寺。
お堂にはお参りの仕方の説明書きがあり、その作法は「一礼二拍手一礼」。
①一礼
②二拍手
③合唱したまま一礼し、願い事と恵比寿様のご真言を3回唱えます。


お堂の左側にはなにやら話し込んでいる羅漢さんのお像、右側には洗心童子。


飛不動尊 正宝院の御朱印・お守り・おみくじ
御朱印や御守りは、御本堂の右手の納経所にて。
御朱印は、お不動様・恵比寿様・観音様の3種類。
オリジナルの御朱印帳もあります。


飛不動尊の由来から、空の交通安全と道中安泰旅行安泰を祈願した「飛行護(根付形、金襴袋入り)」や、よく飛ぶように祈願された「ゴルフ安全護」が人気。
スーツケースに貼れる航空安全・飛行安泰・旅行安泰ステッカー、ゴルフステッカーや、恵比寿様を祀ることから「きくえびす福銭」なんてお守りもあります。





絵馬は不動明王と恵比寿神の2種類。

11月の酉の日には限定お守りを授与しています。

また、境内には「おみくじの引き方」の説明書きも。
それによると、同じ事柄で再度占うときには最低2時間、通常は2週間ぐらいを置くといいそうです。


入谷七福神とは?
入谷七福神は飛不動尊正宝院の恵比寿神の他、真源寺(福禄寿)・寿永寺(布袋尊)・英信寺(三面大黒天)・弁天院(朝日弁財天)・法昌寺(毘沙門天)・元三島神社(寿老神)の7社寺。
七福神巡りが始まった頃は社寺それぞれで御開帳日を定めていましたが、1977年(昭和52年)からは7社寺そろって御開帳日(毎年1月1日~7日)を定め、七福神めぐりがおこなわれています。
集印用の専用色紙は3種類あり、各社寺を巡拝して集める七福神の分身もあります。
飛不動尊 正宝院の詳細
飛不動尊 正宝院へのアクセス
- 東京メトロ日比谷線:三ノ輪駅より徒歩8分
- 公式サイト:http://tobifudo.jp/
飛不動尊 正宝院の主な行事・イベント
- 1月:初護摩供祈願会、下谷七福神めぐり(~7日)、初不動、初春大祭護摩供祈願会
- 5月:例大祭護摩供祈願会
- 9月:秋季大祭護摩供祈願会
- 11月:七五三
- 12月:尊星供星まつり、歳納め不動尊護摩供祈願会、除夜の鐘供養
- 毎月28日:ご縁日(月例護摩供祈願会)
飛不動尊 正宝院近くのおすすめ神社・寺
| 長國寺 | 鷲神社のすぐ北側に鎮座する寺院。酉の市とあじさい祭りで有名。 |
|---|---|
| 鷲神社 | 酉の市で有名。触る場所によってご利益が変わる「おかめ」は是非撫でたい。 |
| 吉原神社 | 吉原遊廓と縁の深い神社。御朱印には特徴的な蛇のサインが。 |
| 吉原弁財天本宮 | 吉原神社の奥宮。境内には吉原観音像や十三佛も。 |
| 西徳寺 | 本山佛光寺門徒の聞法道場の一つとして開山。いつも面白い言葉が書かれています。 |
| 千束稲荷神社 | 樋口一葉「たけくらべ」の舞台になった神社。樋口一葉の銅像があります。 |






