神田明神は、正式名称は「神田神社」。
徳川家康ゆかりの神社であり、「明神さま」とも呼ばれている東京十社の一社です。
神田をはじめ、日本橋、秋葉原、大手丸の内、旧神田市場、豊洲魚市場など108町会の氏神様で、ドラマやアニメの聖地としても有名。
聖地巡礼で参拝する方も少なくありません。
ドラマでは「vivant」や「義母と娘のブルース」「HERO」「ロングバケーション」の撮影ロケ地に。
アニメでは「ラブライズ」や「シュタインズ・ゲート」「こちら葛飾区亀有公園前派出所(こち亀)」「薬屋のひとりごと」など、多数のアニメとコラボイベントがおこなわれています。
目次
・御祭神とご利益
・歴史
・鳥居
・隨神門
・だいこく様尊像とえびす様尊像
・狛犬と社殿
・獅子山
・大公孫樹
・神馬「あかりちゃん」
・祭祀殿・資料館
・文化交流館
・授与品
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
・近くのおすすめグルメ
神田明神の御祭神とご利益
御祭神は、大己貴命(おおなむちのみこと)・少彦名命(すくなひこなのみこと)・平将門命(たいらのまさかどのみこと)です。
一之宮の大己貴命は通称「だいこく様」、またの名を島根県の古社・出雲大社のご祭神「大国主命(おおくにぬしのみこと)」。
国土経営・夫婦和合・縁結びの神様、幽冥の守護神として信仰されています。
二之宮の少彦名命は、商売繁昌・医薬健康・開運招福の神様である「えびす様」。
日本の神様の・高皇産霊神(たかみむすひのかみ)のお子様で、知恵に優れ、そのお姿は手のひらに乗るほど。
大海の彼方・常世の国よりいらっしゃり、だいこく様とともに日本の国づくりの神様としてご活躍されました。
三之宮の平将門命は除災厄除の神様。
東京都千代田区大手町・将門塚(東京都指定文化財)には、将門公の御首が祀られています。
神田明神の歴史
730年(天平2年)に出雲氏族の真神田臣により創建。
平将門公の死後、将門塚周辺で天変地異が頻発し平将門公の御神威として人々が恐れたため、時宗の遊行僧・真教上人が手厚く御霊をお慰めし、1309年(延慶2年)に奉祀。
戦国時代には、太田道灌や北条氏綱などた名立たる武将に崇敬され、1600年(慶長5年)の関ヶ原の戦いでは徳川家康公が戦勝祈祷をされています。
江戸時代では幕府の庇護のもと、1616年(元和2年)に江戸城の表鬼門守護の場所にあたる現在の地に江戸総鎮守として遷座。
明治時代になると社名を神田明神から神田神社に改称し、東京の守護神として准勅祭社・東京府社に。
1874年(明治7年)には明治天皇が御参拝されるようになり、御幣物を献じられました。
神田明神の鳥居
神田明神には表参道と裏参道に鳥居があり、表参道側の鳥居は青銅色の鳥居。
裏参道側は朱色の鳥居。
社殿の背後に当たる位置にあり、祖霊社や合祀殿、境内末社がズラリ。
神田明神には末廣稲荷神社、金刀比羅神社、三宿稲荷神社、浦安稲荷神社、太田市場江戸神社、大伝馬町八雲神社、小舟町八雲神社、築地魚河岸水神社の末社が鎮座。
春秋の彼岸の中日に一番近い戊の日に、7つの石の鳥居をくぐってお参りする「社日参り」が推奨されています。
中風・ぼけ封じのご利益が得られると信仰されており、古例にならい家清めの「お砂」を授与しています。
※神田明神の境内社についてはこちら
神田明神の隨神門
1975年(昭和50年)に、昭和天皇御即位50年記念事業として再建。
総檜・入母屋造の二層建てで、屋根は銅板瓦棒葺。
各所に伝統的なテーマをもとにしつつ、オリジナルなデザインの文様がみられます。
外回りには四神(朱雀・白虎・青龍・玄武)。
内側には「因幡の白兎」などだいこく様の神話をモチーフにした彫刻。
二層目には、平将門公ゆらいの「繋馬」の彫刻。
外側正面に隨神像を配し、右は豊磐間戸神、左は櫛磐間戸神を安置しています。
隨神門の授与所側には、警護団体の一種で江戸町火消しの先駆けと言われている御防講の記念碑。
神田明神のだいこく様尊像とえびす様尊像
隨神門を入って左側には、大きなだいこく様尊像。
高さ6,6メートル、重さ約30トン。
石造りでは日本一のだいこく像です。
その大国様の前には、百度参りの起点となる御百度石。
20回お参りごとに五色紙垂を一色づつお供えし、五色揃えば百度参り達成となるのだとか?
だいこく様尊像の奥、文化交流館の端には、イルカやタイやトビウオなどの海の仲間に守られて大海原を渡られる二の宮のご祭神「少彦名命/えびす様」のご尊像。
神話では、木の実を舟にして海の彼方にある常世から来訪。
だいこく様と力を合わせて日本の国作りをされた神様であり、病人に医薬の道を教え、酒造りなど豊かな知恵を人々に授けられた福の神です。
神田明神の狛犬と社殿
社殿の前には一対の狛犬。
神田明神の狛犬は正面を向いている珍しいスタイルです。
また、狛犬の背後には鉄製天水桶(千代田区指定有形民俗文化財)。
旧社殿は、1923年(大正12年)の関東大震災により焼失。
1934年(昭和9年)に鉄骨鉄筋コンクリート、総朱漆塗の社殿として再建されました。
その後、第二次世界大戦でほとんどを焼失してしまうものの、耐火構造の社殿はわずかな損傷のみで済んだそうです。
平成の御造替事業で、全面的に塗替・修復がおこなわれています。
神田明神の獅子山
獅子山に乗る石獅子は、石彫獅子の名工・藤兵衛(別名・油売藤兵衛)作。
能の出し物「石橋(しゃっきょう)」にちなみ、親獅子が子獅子を谷底に突き落とし、はいあがってきた子をはじめて我が子とするという内容を造形化しています。
ちなみに、流れている水は循環水。
驚くことに金魚とメダカがいるそうですが、しぶきがすごくて水面を確認できませんでした(汗)。
神田明神の大公孫樹
結婚式場「明神会館」の一角にある大公孫樹は、江戸時代よりある由緒ある樹木。
大正時代の関東大震災で焼け残った公孫樹からひこばえが生え育ち、戦火の憂き目にあうも立派に育ち親木を支える樹木に。
親木のほうは枯木につき上部を伐採し保存されています。
長い間この地を見守り、災難除け・厄除け・縁結びのご神徳を持つご神木です。
ちなみに、結婚式場「明神会館」では多数の芸能人が結婚式を挙げており、尾上菊之助さん(結婚披露宴はホテルオークラ東京)が有名ですね。
神田明神の神馬「あかりちゃん」
社殿向かって左側には神馬「あかりちゃん」の厩舎が。
神事では神職や巫女と一緒に参進することもあり、5月の神田祭の神幸祭の際には行列に参加。
散歩は1日2回。
7月から9月以外は厩舎でその姿を見ることができます。
神田明神の祭祀殿・資料館
1階には年祭を執り行うための祭祀殿。
2階には神田祭のジオラマや関連資料を展示。
3階には神田明神に伝わる神宝を展示。
参拝した日は、漫画「薬屋のひとりごと」のイベント展示がおこなわれていました。
神田明神の文化交流館
2018年にオープンした文化交流館は地下から4階まであり、各種イベント開催や神札所・昇殿参拝受付、お土産屋さん、いなせ茶屋、ホール、屋上庭園とあります。
神田明神の授与品
御朱印には、正式名称の「神田神社」。
「元准勅祭十社之内」の印が入っています。
右下のかわいらしいスタンプは、時期によって異なるようです。
また、神田祭の時は限定御朱印が頒布されたりしています。
2023年の少彦名命御奉祀百五十年記念御朱印では、「THE ALFEE」のギタリスト高見沢俊彦氏デザインの御朱印が頒布されました。
その他、東京十社の一社として、東京十社絵馬や「東京十社めぐり」の御朱印帳もあります。
神宮大麻や神田大神神札の神札、仕事・勝負運・健康・厄除・交通安全・縁結び・心願成就・開運招福などのお守り、祈願絵馬・東京十社記念ミニ絵馬・干支絵馬、干支土鈴、家内安全卓上鏑矢などさまざまな授与品があります。
代表的なお守りには、徳川家康公が関ケ原の戦いに臨む際、神田神社にて戦勝祈願をされ見事勝利を収めたことにあやかった「勝守」。
また、サンリオの身体健全「リラックマ御守」、災難・厄除守護「神田祭ゆかりのなまず守り」、開運招福・身体健全・交通安全の「神馬あかり御守」、だいこく様とうさぎの神話による「縁結び守護」はかわいいうさぎの刺繍と、ユニークでチャーミングなお守りも多数あります。
参拝が難しい方には、郵送によるお守授与のお申込みにも対応されています。
神田明神(神田神社)の詳細
神田明神(神田神社)へのアクセス
- JR中央線・総武線:御茶ノ水駅(聖橋口)より徒歩5分
- 東京メトロ丸ノ内線:御茶ノ水駅(1番口)より徒歩5分
- 東京メトロ千代田線:新御茶ノ水駅(B1出入口)より徒歩5分
- 東京メトロ銀座線:末広町駅より徒歩5分
- 公式サイト:https://www.kandamyoujin.or.jp/
神田明神(神田神社)の主な行事・お祭り
- 1月:歳旦祭、初詣、神楽始(太々神楽)、だいこく祭他
- 2月:節分祭豆まき式、紀元祭、天長祭、末広稲荷神社例祭
- 3月:浦安稲荷神社例祭、柿本神社例祭、京都神田明神春季例祭
- 4月:祖霊社春季例祭、春大祭(祈年祭)他
- 5月:鳳輦・神輿遷座祭、神幸祭、例大祭他
- 6月:富士神社例祭、京都神田明神例祭、夏越大祓式他
- 7月:大祓形代流却神事、七夕祭、諏訪神社(末社)例祭
- 8月:納涼祭り、八幡神社(末社)例祭、えびす祭他
- 9月:祖霊社秋季例祭、将門塚例祭
- 10月:金刀比羅神社例祭、三宿稲荷神社例祭他
- 11月:大鳥神社例祭、京都神田明神秋季例祭他
- 12月:煤納め、師走大祓式、除夜祭
- 毎月1・15日:月次祭
神田明神(神田神社)近くのおすすめ神社・寺
湯島聖堂 | 5代将軍徳川綱吉が建立した孔子廟。日本の学校教育発祥の地。 |
---|---|
湯島天満宮 | 日本神話の神様と学問の神様を祀る学業成就・合格祈願の聖地。梅まつりや菊まつりでも有名。 |
箭弓稲荷神社 | 建物の中を通った先にあるコンパクトな神社。建物に囲まれた印象的な神社です。 |
花房稲荷神社 | ビルとビルの隙間に鎮座する小さなお稲荷様。 |
神田明神(神田神社)近くのおすすめグルメ
EDOCCO CAFÉ MASU MASU | 神田明神境内の和カフェ。「神社声援ジンジャーエール」など多数の名物メニューあり。 |
---|