横浜市鶴見区に鎮座する、市内最古の神社といわれている鶴見神社。
創建は1400年以上前の飛鳥時代にまでさかのぼります。
二社相殿つくりの本殿にズラリと並んだ7つの境内社とたくさんの神様がおり、金運から病気治癒までさまざまなご利益が。
また、鶴見七福神の一つ、長寿の神様寿老人が祀られていることからも、お正月には「鶴見七福神めぐり」が実施されています。
鶴見に縁がある文豪・三島由紀夫氏と森田必勝氏も祀られているというのも特徴です。
ちなみに、テレビ番組「鉄腕DASH」のお正月特番ロケ地にもなったことがあり、TOKIOのメンバーとプロサッカー選手数名が参拝。
翌日、参拝客の間でもその話題でもちきりだったそうです。
目次
・歴史
・境内
・社殿
・境内社
・御朱印
・お祭り
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
・近くのおすすめグルメ
鶴見神社の歴史
創建は1,400年以上前。
1962年(昭和37年)、境内より弥生式後期から古墳時代の土師器や、鎌倉期にまで及ぶ多数の祭祀遺物が発見されたことで、横浜・川崎間最古の社であることが立証されました。
かつでは杉山大明神と呼ばれていましたが、1920年(大正9年)に鶴見神社に改称しています。
旧社格は村社。
神紋は有職鶴(ゆうそくづる)です。
鶴見神社の境内
境内入り口は開けた空間で、右寄りに鳥居、左側に社務所。
道路をはさんで駐車場があります。
手水舎は、龍の口へ手をかざすと水が出てくる自動水栓です。
手水舎の先には、対になった大きな岩。
ゴツゴツした岩の上には狛犬が鎮座し迫力があります。
岩石を進んだ右側には宝物殿。
ここには、横浜市指定史跡の鶴見神社境内貝塚もあります。
貝塚は弥生時代末期から古墳時代前期のもの。
周辺からは竪穴住居後も発見されています。
鶴見神社の社殿
本殿は、杉山大明神と天王宮の二社相殿。
杉山大明神の御祭神は五十猛命(いそたけるのみこと)で、その御神徳は植林・成長の神・子供の守護神。
五十猛命は、日本書紀では「こだね(木種)の神」とも呼ばれ、林業・建設業・造船業を守護する木の守り神、木の生命に由来した成長の守護神としての信仰も深いです。
安全守護(森の安全)・成長祈願・安産祈願・子宝祈願・合格祈願・学業成就など多方面にわたるご利益がいわれています。
天王宮の御祭神は素盞鳴尊(すさのうのみこと)で、その御神徳は安全守護・厄除けです。
素盞鳴尊は、古事記の「牛頭天王」としても知られています。
そのご利益は、安全守護・厄除け・病魔退散・病気平癒など。
鶴見神社の境内社
本殿向かって右側には境内社がズラリと勢ぞろい。
大鳥神社・稲荷神社・秋葉神社・関神社・祖霊社・寿老人・清明宮が整列しています。
大鳥社…例年11月の酉の日には大鳥祭による熊手市が立ちます。
稲荷社…中町稲荷、上町稲荷、三家稲荷、東関森稲荷を合祀。
秋葉神社…秋葉山の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神様。火防・火伏せの霊験で有名です。
関神社…または咳神社。風邪から守ってくれる神様で、おしゃもじで喉をなで、それを神社に奉納すると風邪が治るといわれていたことからも「おしゃもじ様」ともいいます。
祖霊社…鶴見神社崇敬の神道の家の祖先の霊を祀ります。
寿老人…福禄寿と同体異名とも。福徳、延命長寿の神様。
清明宮…文豪・三島由紀夫氏と森田必勝氏が祀られています。
文豪・三島由紀夫氏は、鶴見区内にあったバー「仔馬」の常連で、経営者の息子さんの名付け親になるほどの仲。
この縁から、社が建立されたそうです。
祖霊社と寿老人の間には、横浜市地域有形民俗文化財の「寺尾稲荷道道標」があります。
一村一社の神社合祀令により鶴見神社に移され、二度の建替えを経て三代目。
寺尾稲荷は寺尾城址の西山麗に祀られ、現在は馬場稲荷に。
江戸時代には馬術上達が叶えられる稲荷として信仰されていました。
さらに境内の奥、本殿裏にある富士塚の頂に鎮座する富士浅間社。
御祭神は、火難の神としても知られている木花開邪媛命(このはさくやひめのみこと)。
富士山にも祀られている女神さまです。
もとは山(古墳)に鎮座していたのですが、鉄道開通で接収されたことからこちらに移られました。
階段を上り鳥居をくぐると、そこは小さな境内。
左側には富士信仰再興の祖・角行像、弥勒菩薩像。
奥に浅間社、その右側手前には、カエルの石像。
昔から富士山に祀られているそうで、参拝者が蛙の頭を撫でて帰ると無事に「帰る(カエル)」という言い伝えがあるそうです。
鶴見神社の御朱印
御朱印は、境内入って左手前側の社務所で受け付けています。
「鶴見の田祭り」と弓矢を射る男性が捺印されているデザインの他、季節限定のデザインもあります。
鶴見神社のお祭り
鶴見神社では年間を通してさまざまな神事がおこなわれていますが、中でも有名なのが横浜市地域無形民俗文化財「鶴見の田祭り」と天王祭です。
毎年4月29日(昭和の日)の杉山祭でおこなわれている「鶴見の田祭り」は、1871年(明治4年)に一度廃絶した横浜最古の民俗神事芸能。
五穀豊穣を祈り、1年の稲作の所作を行う伝統行事(神事)です。
「田祭り神寿歌(かみほぎうた)」が奉納され、模擬店や撒き餅、お神酒振舞、神輿パレードをおこなっています。
天王祭では、古式にのり長柄の鎌の大神輿が各町内を巡行。
その宮神輿は、江戸時代に鶴見川上流から流れ着いたとされています。
当時、少し上流にあった鎮守天王社(現在は川崎市幸区小倉の小倉神社)が鶴見川で鶴神輿を洗った際に、誤って流してしまったのだとか…。
鶴見神社の詳細
鶴見神社へのアクセス
- JR各線:鶴見駅より徒歩3分
- 京急本線:京急鶴見駅より徒歩4分
- 公式サイト:https://tsurumijinja.jp/
鶴見神社の主な行事・お祭り
- 1月:新年祭、新年安全祈願、七福神・寿老人
- 2月:初午祭、節分祭、神嘗祭
- 3月:春季皇霊祭
- 4月:杉山祭・田祭り
- 5月:秋葉祭
- 6月:浅間祭、大祓
- 7月:天王祭
- 9月:秋季皇霊祭
- 11月:咳神社祭、大鳥祭、七五三祝、新嘗祭、清明宮祭
- 12月:大祓、除夜祭
鶴見神社近くのおすすめ神社・寺
大本山總持寺 | 鶴見駅からすぐの曹洞宗の大本山。伝統的な建築、諸堂がある美しい仏教寺院。 |
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穴熊稲荷 | 総持寺の山の上にある境内社。穴熊稲荷大明神が祀られています。 |
三寶殿/三宝殿(總持寺) | 大本山總持寺の守護神。仏・法・僧の三宝を守護する三寶大荒神が祀られています。 |
成願寺 | 赤門を守る可愛らしい仁王像が目印の曹洞宗の寺院。薬師殿と仁王様の御朱印があります。 |
鶴見中央神明社 | 伊勢神宮内が本家の照大御神をお祀りする、路線沿いにある神社。 |
五の日稲荷大明神 | 鶴見銀座商店街の一角にある商店街の守護神。鶴見の粉屋が商売繁盛を祈願し建立したそうです。 |
東福寺 | 鶴見七福神のひとつ。白く美しい慈悲観音や子育観音像、日本庭園があります。 |
鶴見神社近くのおすすめグルメ
珈琲専門店山百合 | こだわりのサイフォン式コーヒーや食事・スイーツがいただける昭和レトロな喫茶店 |
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禅カフェ茶房おかげや(總持寺) | 三松閣内にある禅カフェ。境内の四季折々の風景を眺めながらモーニングやランチメニューが楽しめます。 |