2200年以上前から大山に鎮座する、関東総鎮護の霊山・大山阿夫利神社(読み方はおおやまあふりじんじゃ)。
大山阿夫利神社の標高は本社が1251.7m、下社が696m。
大山阿夫利神社・下社は大山の中腹に鎮座し、大山ケーブルカーの「阿夫利神社駅」から、もしくは男坂・女坂を上って参拝します。
本社への参拝はしっかりとした準備が必要ですが、下社に大山ケーブルカーで来るなら軽装でも大丈夫。
ただ、男坂・女坂を上って下社にくるなら、本社ほどではないにしろそれなりの準備は必要。
道が急で危ない箇所もあります。
目次
・ご祭神とご利益
・歴史
・参道と階段
・獅子山と権田直助像
・社殿
・御朱印とお守り
・夜景&紅葉シーズン
・七不思議
・アクセス
・主な行事・お祭り
・大山阿夫利の案内
大山阿夫利神社・下社のご祭神とご利益
御祭神は大山祗大神(おおやまつみのおおかみ)、高龗神(たかおかみのかみ)、大雷神(おおいかずちのかみ)。
大山祗大神は富士山の御祭神として祀られている木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)の父君。
山の神・水の神としての信仰だけでなく、大山が船の羅針盤となったことから産業・海運の神、酒造の祖神である酒解神としても信仰されています。
そして、大山では祈雨・止雨の神である高龗神(“高”は山、“龗”は龍を示す龍神とも言われています)は小天狗、火災・盗難除けの神である大雷神は大天狗と称されてます。
大山阿夫利神社の歴史
2200年以上前、崇神天皇の頃に創建されたと伝えられている式内社(延喜式の神名帳に記載されている神社)です。
別名「あめふり山」とも呼ばれ、雨乞いや五穀豊穣の祈願もおこなわれていました。
奈良時代以降は神仏習合の霊山として。
武家政権下では武運長久の祈りの場として。
庶民からの崇敬も高く「大山詣り」がおこなわれていました。
大山詣りは2016年に文化庁が日本遺産に認定しており、大山祗大神が木花咲耶姫の父君にあたることから、大山と富士山の両山をお参りする「両詣り」もおこなれていました。
大山阿夫利神社・下社の参道と階段
大山ケーブルカー阿夫利神社駅には、「熊出没注意」と書かれた看板が!
熊には会った事がありませんが(会いたくないですが…)、鹿は見かけたことがあります。
1回目は、女坂を歩いて下山していた際、追分社近くの橋の下に親子の鹿を。
子鹿が水を飲みに来ており、橋の上のこちらに気が付き興味津々といった表情でみていましたが、親鹿がすぐに寄って来て連れて行きました。
そして2回目は大山ケーブルカー阿夫利神社駅から大山阿夫利神社・下社に向かう参道の途中で!
まったく逃げる気配なし。
大山ケーブルカー阿夫利神社駅から参道を通ると、大山阿夫利神社・下社に続く階段に。
階段前はちょっとした広場になっており、「売店 茶屋処さくらや」が。
階段途中には明治から昭和にかけての政治家・内山岩太郎像、休憩処「大山参集殿 洗心閣」があります。
カーブしている階段の最上部には大きな鳥居。
その前に狛犬。
大鳥居は大山街道の鳥居として明治7年に建立。
大正8年に銅板巻きとなったものの腐蝕から撤去。
新しく作り直したものとなります。
ここから見る眺めも最高です。
大鳥居の近くにはベンチもあり、大山詣りの像も。
大山阿夫利神社・下社の獅子山と権田直助像
富士山の岩を使い、5頭からなる大山獅子。
ぐるりと囲むように十二支が配置されています。
獅子山の隣には、幕末維新に活躍した勤皇の志士・権田直助像と神鈴養謄。
大山阿夫利神社・下社の社殿
大山阿夫利神社・下社の社殿は、紀元前97年に創建されたと伝えられています。
周囲の建造物や飾り物も目を引きます。
社殿の右隣は社務所があり、大山名水の地下道に繋がる入り口があります。
また、風情ある絶景とお茶が楽しめる「茶寮・石尊」も。
大山阿夫利神社の御朱印とお守り
大山阿夫利神社では、各種御祈祷、御朱印や授与品の頒布をおこなっています。
御朱印は阿夫利神社下社、山頂本社、山麓社務局にて。
山頂本社に神職が不在の場合は、参拝後に下社にていただます。
下社・本社の御朱印の他、四季折々の大山の自然を表した季節の限定御朱印や境内社(浅間社、二重社、追分社、勝海舟神社)、社務局と多数あり。
また、御神札や御守り、絵馬などは下社授与所にて頒布致しており、授与品の郵送(要問合せ)にも対応しています。
お守りでは、八大天狗の一人と伝えられ様々な厄災や事故から身を守り運を開くとされる大天狗のお守りや、大山の風習「納太刀」を模した運を切り開き厄を断ち切る納太刀守、福を招き逃さず身につける大山のフクロウを模した福龍守など、さまざまな願いに寄りそったお守りが用意されています。
大山阿夫利神社の夜景&紅葉シーズン
大山ケーブルカーは平日なら16時半、土日祝は17時に終了。
ですが、夏期と紅葉シーズンのみ夜間運転を実施。
ライトアップされた大山阿夫利神社と、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにも掲載された大山からのプレミアム夜景が堪能できます。
8月におこなわれるとうろう祭りでは、地元小中学生製作の「牛乳パックとうろう」と、地域の店舗・旅館などで製作された「絵とうろう」が境内を明るく照らします。
また、紅葉シーズンは大人気(大混雑!)。
例年では10月初旬頃から色づき始め、11月中旬から11月下旬が見頃となっています。
紅葉期間中は宿坊スタンプラリーや社務局マルシェなどのイベントも。
ただ、週末は激混みが予想され、ケーブル駅に近い場所では普通に1時間待ちとかあります。
第2駐車場やシャトルバスが利用できる臨時駐車場は比較的混雑が緩やかとかなんとか…。
また、下山ケーブルも40分待ちなどですぐに移動できないなど、時間に余裕をもって行動するのが吉です。
大山阿夫利神社の七不思議
大山阿夫利神社・下社に徒歩で行くには、険しい岩々を上っていく男坂と階段状の山道を通り大山寺を経由する女坂があります。
この女坂の道中には「女坂の七不思議」が。
その一「弘法の水(こうぼうのみず)」
大山寺第三世弘法大師が金剛杖の先で地面をついたら清らかな水が湧き出したと伝えられている紅葉橋下の湧水。
その二「子育て地蔵」
お地蔵様のお顔が、いつの頃からか幼い子どもの顔に変わったと伝わるお地蔵さま。
子供の成長を見守るお地蔵様として信仰されており、赤い頭巾と涎掛けをまとっています。
その三「爪切地蔵」
弘法大師が自分の爪で彫った(しかもたったの一夜で!)と伝えられている2m越えの巨象。
右手に錫杖、左手に宝珠をもって座っています。
その四「逆さ菩提樹(さかさぼだいじゅ)」
上が太くて下が細い様子が、まるで逆さに生えたように見えることから「逆さ善提樹」と言われています。
その五「無明橋(むみょうばし)」
話をしながら橋を渡ると、橋の下に落ちたり、落とし物や忘れ物など悪い事が起きるといわれています。
近くには松尾芭蕉の句碑があります。
その六「潮音洞(ちょうおんどう)」
岩盤に四角い穴が開いており、耳を近づけ心を鎮めると遠くに潮騒の音が聞こえるといわれています。
その七「眼形石(めかたいし)」
人の目の形をした自然石で、触れてお祈りすると眼の病が治ると言い伝えられています。
大山阿夫利神社の詳細
大山阿夫利神社へのアクセス
- 小田急小田原線:伊勢原駅より神奈川中央交通バス「大山ケーブル」下車
- 公式サイト:https://afuri.or.jp/
大山阿夫利神社の主な行事・祭り
- 1月:歳旦祭・奉幣祭、元始祭、筒粥祭・引目祭
- 2月:節分祭、紀元節
- 3月:祈念祭、春季皇霊祭
- 4月:神武天皇祭・大新稲荷祭、春季大祭、雷山神社祭、祖霊社大祭
- 5月:酒祭
- 6月:浅間社祭、田植祭、権田祭、夏越大祓・疫神祭
- 7月:例大祭・夏季大祭始め
- 8月:夏季大祭収め、二重神社祭、秋季例大祭
- 9月:追分社祭、秋季皇霊祭、抜穂祭
- 10月:火祭薪能
- 11月:新嘗祭
- 12月:新穀感謝祭、煤祓、師走大祓・鎮火祭、除夜祭
大山阿夫利の案内
大山名水神泉 | 大山阿夫利神社境内にある名水。水は汲んで持って帰れます。 |
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登拝門 | 大山阿夫利神社の本社に続く門。しっかりとした登山スタイルの準備が必要です。 |
売店・茶屋処さくらや | 大山阿夫利神社にある昔ながらのお茶屋さん。オープンスタイルで甘味も人気。 |
大山 参集殿 洗心閣 | 山荘のような造りの休憩所。軽食も用意されています。 |
茶寮 石尊 | テラス席からも眺めも最高な茶屋。おしゃれな店内で甘味やドリンクをいただきます。 |
大山寺 | 中腹にあるお寺。秋の紅葉時には多くの人が訪れる名所です。 |
茶湯寺(涅槃寺) | 亡くなった方の霊を百一日の茶湯で供養する「百一日参り」のお寺です。数多くの石仏があり、釈迦涅槃像が有名です。 |
駐車場・こま参道・ケーブルカー | 伊勢原駅よりケーブルカー乗り場まで、多数の神社が散在しています。 |