東京港区芝公園に鎮座する幸稲荷神社(読み方はさいわいいなりじんじゃ)は、江戸初期の寛永年間に府内古社十三社に定められた古社です。
境内には幸稲荷神社と共に、合祀された瘡護神社の社号碑や扁額が残っています。
幸稲荷神社は東京タワーを含む一帯の鎮守であったことから、東京タワー建設の際には地鎮祭を担当しており、また東京タワーの大展望台に鎮座するタワー大神宮は境外末社となっています。
氏子さんに幸事が続いた伝承からも、オリジナルの授与品「幸せに成る絵馬」は人気です。

目次
・ご祭神・ご利益
・歴史
・鳥居・境内
・社殿
・茅野天満宮・松野天満宮
・霊石「御祠石」
・御朱印・お守り・おみくじ
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
幸稲荷神社のご祭神・ご利益
ご祭神は伊弉諾命(いざなぎのみこと)・伊弉冉命(いざなみのみこと)の夫婦神、そして倉稲魂神(うかのみたまのかみ)。
伊弉諾命・伊弉冉命は延命長寿のご利益だけでなく、国土造成の大事業を成し遂げられたことから企業・銀行・土木建設関係者から会社繁栄・事業成功などのご利益もあると言われています。
また、農業の神様である倉稲魂神は、五穀豊穣・商売繁盛のご利益があるとして厚く信仰されています。
幸稲荷神社の歴史
創立は1394年(応永元年)。
武蔵国豊島群岸之村(現在の芝大門芝公園十号地)の鎮守として勧請。
当初は「岸之稲荷」と呼ばれていましたが、氏子・信者に幸事が続いたことから、いつからか幸稲荷神社と呼ばれるようになりました。
また、隣接する光宝寺が別当寺を担っていましたが、氏子たちの陳述によって別当寺から外れました。
明治の神仏分離では、増上寺山内に鎮座していた熊野神社・茅野天満宮・松野天満宮・瘡護神社(瘡守稲荷)と、金地院山内に鎮座していた稲荷神社・三峯社を合祀しています。
幸稲荷神社の鳥居・境内
東京タワーから徒歩5分圏内、芝給水公園沿いに鎮座。
道路に面した鳥居の扁額には「幸稲荷神社(さいわいいなりじんじゃ)」。
鳥居の右側には社号碑「幸稲荷神社」。
左側には合祀された「瘡護神社」の社号碑と2社分あり。
瘡護神社の社号碑があるのは、合祀後、瘡護神社への参拝者が多かったからだとか。


鳥居をくぐると、右手に手水舎と絵馬掛け。
左側には駐車場。
絵馬掛けには、2024年より頒布が始まった「幸せに成る絵馬」がズラリ。
「辛」の字に「一」を加えて「幸」にし、願い事を書いて幸せを祈念します。



幸稲荷神社の社殿
拝殿前には、体にしめ縄と紙垂が巻かれている岡崎現代型一対の狛犬。
旧社殿は東京大空襲によって焼失し、現在の社殿は1960年(昭和35年)に再建されたものです。
社殿には「稲穂」、お賽銭箱には「三つ巴」と二つの社紋がみられます。


扁額には社号碑と同じく「幸神社」と「瘡護神社」の2社。
瘡護神社は腫れ物や出来物の守護神とされ、病気の際には土団子を供え、平癒したら米の団子を供える民間信仰があります。

幸稲荷神社の茅野天満宮・松野天満宮
社殿の右側には、茅野天満宮・松野天満宮の合祀殿。
茅野天満宮はもともと増上寺山内にて茅野天神として鎮座していた神様で、江戸二十五天神の一社にも数えられていました。

幸稲荷神社の霊石「御祠石」
合祀殿の左隣には、慶長年間より伝わる社宝「御祠石(みふくらいし)」。
増上寺が芝の地に移転してきた際、観智国師(増上寺十三世)の夢枕に稲荷大明神が現れ、この石に腰掛けて荒廃した社殿を再建すれば寺を守護すると託宣されたと伝わる霊石です。
この石に水を注ぎ心願することで、病気平癒や子供の夜泣き封じのご利益があるといわれています。
水をかけれるように水入れと柄杓が置かれているのがありがたい。

幸稲荷神社の御朱印・お守り・おみくじ
社務所は社殿向かって右側の小路の先にあります。
御朱印は幸稲荷神社(2種類)と瘡護神社。
またお守りでは、今ある幸せを大事と祈願された「幸祝御守」や、ご多幸と結ばれることを祈願された「幸結守」、「御幣の金バッジ守」「肌身守り」「合格守」「交通安全守」「ペット守」などあり。
お正月期間には、おみくじ付きの干支土鈴が授与されています。




幸稲荷神社の詳細
幸稲荷神社へのアクセス
- 東京メトロ日比谷線:神谷町駅より徒歩5分
- 都営地下鉄三田線:御成門駅より徒歩7分
- 公式サイト:http://www.saiwaijinja.or.jp/
幸稲荷神社の主な行事・イベント
- 1月:歳旦祭
- 2月:小祭(節分)、初午祭
- 3月:小祭(春分)
- 5月:春祭
- 6月:大祓
- 8月:例大祭
- 9月:小祭(秋分)
- 12月:大祓
- 毎月1・15日:月並祭
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