2023年(令和5年)に御鎮座百年を迎えた東京・赤坂の乃木神社。
明治期に活躍した乃木希典将軍とその細君である乃木静子夫人が祀られており、勝負運や仕事運、縁結びなどのご利益があるスピリチュアルなパワースポットです。
都心の真中にあるとはおもえないほど緑豊かな境内には、御祭神の石膏像、ご殉死の刀、遺言状などを展示した宝物殿も。
隣接する乃木公園には、かつて夫妻が暮らしていた邸宅も残されているなど、実際にあった歴史を体感できます。
また、アイドルグループ「乃木坂46」のメンバーが成人する際には、乃木神社で成人式をおこなうことからも、ファンの間では聖地になっています。
目次
・ご祭神・ご利益
・歴史
・参道
・社殿
・つれそひ回廊
・授与所・宝物殿
・御朱印・お守り・おみくじ<
・御祈祷
・アクセス
・主な行事・お祭り
・乃木神社近境内
・近くにある神社・寺
乃木神社のご祭神・ご利益
ご祭神は、乃木希典命と乃木静子命の二柱。
乃木将軍として知られる軍人・教育者の乃木希典(のぎまれすけ)と、その奥方の静子さんです。
乃木希典のご神徳は「忠誠」であり、文武両道の神様としても信仰されています。
1904年(明治37)、日露戦争の旅順攻囲戦でロシアの永久要塞といわれた旅順要塞を攻略したことから、日本海軍の東郷平八郎と共に「陸の乃木、海の東郷」と称されるように。
その後も、軍人として数々の武勲や御事績を示しました。
また、学習院長を任ぜら昭和天皇の御養育にあたられるなど、教育者としての事績、詩歌・漢詩・書画から学問の神様としても信仰されています。
静子夫人も忠孝・質素・仁愛の人ととして有名。
内助の功を尽くされたことから夫婦和合の神様として祀られています。
ちなみに、東郷平八郎は原宿の東郷神社に祀られています。
乃木神社の歴史
1912年(明治45年)に明治天皇が崩御し御大葬がおこなわれた日、御霊轜が宮城を出発すると同時に乃木ご夫妻は先帝に殉じて自刃。
ご夫妻の忠誠心に感激した国民がこぞって乃木邸を訪れ、ご祭神の葬儀と同時に幽霊坂と呼ばれていた坂の名前が乃木坂に改められました。
当時の東京市長・阪谷芳郎男爵は同志とともに中央乃木会を組織し、乃木邸内の小社にご夫妻の御霊をお祀り。
1919年(大正8年)に乃木神社創立の許可が下り、1923年(大正12年)に鎮座祭が斎行され、翌年には東京府社に列せられました。
空襲により消失してしまうものの、1962年(昭和37年)の50年祭に併せて本殿・幣殿・拝殿が復興。
中央乃木会は、崇敬会として現在も存続しています。
ちなみに、乃木将軍から名づけられた乃木坂には、アイドルグループ「乃木坂46」の音楽販売会社があり、乃木坂46の最終オーディション会場として使用されたSME乃木坂ビルも。
乃木神社では毎年、乃木坂46のメンバーたちが成人を祝っていることからも、乃木坂・乃木神社と乃木坂46のちょっとした聖地になっています。
境内の絵馬掛けには、乃木坂46への応援メッセージや、コンサートツアーの成功を願う祈りが書かれた絵馬がたくさんあります。
乃木神社の参道
最寄り駅は東京メトロ千代田線乃木坂駅。
1番出口の階段を出てすぐ左側に神社の入り口と、アクセスが良い場所に鎮座しています。
赤坂や六本木の繁華街も近い都心の中とは思えないほど自然豊かで、境内には静かな気が漂っています。
通りに面して建つ白い一之鳥居。
鳥居の前に鎮座する筋肉質な狛犬は、瓦せんべい元祖として有名な亀井堂総本店(神戸市)の創業者・松井佐助の奉納です。
また、御鎮座百年奉祝記念事業の一環からスロープが整備されており、境内にも設置するなどバリアフリー化に努めています。
鳥居の先には、「勝」と書かれたボードと境内案内板。
右側には、御鎮座100年の記念事業の一環で2020年に改修されたモダンな手水舎。
以前は社殿の手前、左側に設けられていましたが、こちらに御鎮座百年奉祝事業で移設されました。
ちょうどつれそひ風鈴回廊期間中だったからか、風鈴が飾られていました。
さらに進むと、2019年(令和元年)に新しく建立された吉野産ヒノキの二之鳥居。
ちなみに、二之鳥居の反対側には旧乃木邸があるエリア。
こちらは裏門となり、開放時間内であれば入れます。
表門は西側の外苑東通り沿いにあります。
※乃木公園についてはこちら
右側には球状の形をしたおみくじ掛け。
正面につれそひ回廊。
左側には、境内末社の赤坂王子稲荷神社があり、出口付近には干支の大絵馬が。
記念撮影スペースになっています。
※赤坂王子稲荷神社についてはこちら
参道の左側には絵馬と古神札焼納札。
授与品ことに所定の桶に入れます。
なお、ダルマ、熊手、人形などは受け付けていません。
乃木神社の社殿
かつて、二之鳥居は社殿の正面にありましたが現在地に移動。
そのため、正面は広い空間となり清々しいほど開放的です。
創建時の社殿は東京大空襲によって焼失し、現在の社殿は1962年(昭和37年)に建てられた拝殿・幣殿・本殿による造り。
拝殿の前に鎮座するのは、かつて二之鳥居の横に置かれていた狛犬です。
拝殿の右側には、境内摂社の正松神社に続く参道。
※正松神社についてはこちら
反対側、拝殿の左側には、雷神木に向かう小道が続いています。
※雷神木についてはこちら
乃木神社のつれそひ回廊
二之鳥居の正面にはつれそひ回廊。
夏は風鈴が飾られ、期間限定で自由に入れます。
乃木會館から本殿へと続く約50メートルほどのつれそひ回廊には緋毛氈が敷かれ、乃木家の家紋である市松四つ目の紋があしらわれた照明が照らしています。
夏期はたくさんの風鈴が飾られ、「つれそひ風鈴回廊」として限定期間公開しています。
また、「つれそひ風鈴回廊」の特別御朱印も頒布。

乃木神社の授与所・宝物殿
お札、お守り、ご祭神関連書籍などのお頒ちしている授与所。
御朱印やご祈願の申し込みもこちらです。
授与所の隣には入場無料の宝物殿。
半地下のスペースには、御鎮座90年を記念して修復・奉納された乃木将軍の石膏像、ご殉死の刀、遺言状、勲章、漢詩などが公開されています。
乃木神社の御朱印・お守り・おみくじ
通常御朱印では常時「乃木神社」「正松神社」「赤坂王子稲荷神社」の3社。
季節に応じて限定御朱印を授与しています。
お守りは、祈願にそった内符と5種類ある外側の袋が好みの袋を選びつくるスタイル。
「たばねのし」「うま」「ひょうたん」「なつめ」「かいのき」の柄でカラーも5種類あります。
その他、ご祭神にあやかった「勝守」や、雷神木の木片が納められている「攘災開運守」、すこやか安産守、乃木ご夫婦が生涯をそいとげられたことにあやかった「つれそひ守」「よりそひ守」「よりそひ婚姻届」などがあります。
他の御守では無理ですが、よりそひ守・つれそひ守については郵送にも対応しています(※2025年8月)。
また、乃木将軍は生前にひょうたんを愛用していたことから「ひょうたんの乃木神社」とも呼ばれており、それにちなんだひょうたんのお守りもあったそうです。
おみくじでは、筒から棒を引く「のぎのおみくじ」の他、縁結び恋みくじ、招福開運まゆみくじ、こどもみくじとあります。
ちなみに、「のぎのおみくじ」には、乃木大将が詠んだ歌が書かれています。
授与品には日本酒もあり、乃木将軍ゆかりの地から日本酒が集まる「日本酒の会」が、毎年開催されています。
乃木神社の御祈祷
御祈願は1組ずつ奉仕(予約優先)。
そのため、同伴する家族と一緒に参拝できます。
また、初宮詣や七五三などで必要な御会食・衣装のレンタル、記念写真などは乃木會館に予約を受け付けています。
乃木會館には授乳室もあるので、小さいお子さんがいても安心です。
乃木神社の詳細
乃木神社へのアクセス
- 東京メトロ千代田線:乃木坂駅1番出口よりすぐ
- 公式サイト:https://nogijinja.or.jp/
乃木神社の主な行事・お祭り
- 1月:昭和天皇祭、新春厄年祓大祭・どんと焼き、凱旋記念日祭他
- 2月:節分祭、赤坂王子稲荷神社祭他
- 3月:春季皇霊祭
- 4月:神武天皇祭遙拝式、昭和祭他
- 5月:のぎびと大祭
- 6月:水無月大祓式
- 7月:明治天皇祭
- 9月:例祭、秋季皇霊祭
- 10月:管弦祭、献茶祭、神嘗奉祝祭、正松神社祭・祖霊舎祭
- 11月:御鎮座記念日祭、明治祭、新嘗祭
- 12月師走大祓式
- 毎月1・13日:月次祭
乃木神社近境内
境内社 | 正松神社、雷神木、赤坂王子稲荷神社とあります。 |
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乃木公園 | かつて乃木将軍が奥様と住んでいた建物の他、乃木家祖霊舎、馬小屋、乃木公園などがあります。 |
乃木神社近くのおすすめ神社・寺
赤坂氷川神社 | 赤茶色の社殿と大銀杏が目を引く東京十社の一つ。観光名所にもなっています。 |
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龍土神明宮 天祖神社 | 南北朝時代至徳元年に創建の歴史ある神社。港区七福神の福禄寿も祀っています。 |