マッチングアプリから始まる惨劇!内田英治「マッチング」

マッチングアプリをきっかけに、連続殺人事件と狂気のストーカーに巻き込まれていくサスペンススリラー小説「マッチング」。

内田英治監督の映画原作小説で、恋に奥手な主人公・唯島輪花を土屋太鳳さん、マッチングアプリで出会いストーカーへと変貌する永山吐夢をSnow Manの佐久間大介が演じています。

いくつもの殺意が絡んでおり犯人は複数。
登場人物それぞれに秘密があり、バッタバタと殺害されていくスリリングでテンポの良さがあります(これが現実なら地獄ですね)。

読みやすい文章で、そこまでページ数も多くないのであっさりと読破。
映画では描かれていない部分もあるようなので、読んで損はない一冊です。

とはいえ殺害シーンはグロテスクなので、怖いものが苦手な人は要注意です(汗)。

内田英治「マッチング」



目次
・あらすじ
・簡単ネタバレ
・感想
・内田英治さんの(読んだ)本
 

「マッチング」のあらすじ

主人公の唯島輪花(ただしま りんか)は、恋愛に奥手なウェディングプランナー。
同僚の伊藤尚美(いとう なおみ)の勧めでマッチングアプリ「ウィルウィル」に登録したところ、永山吐夢(ながやま とむ)という金髪の青年とマッチングします。

吐夢とデートするものの、その不気味な雰囲気から逃げるようにその場を離れてしまう輪花。
ところが、慌てていたことからもスマホを落としてしまい、それに気が付いた吐夢が拾い届けてくれます。

が、その際にスパイアプリを仕込まれてしまい輪花の行動は筒抜けに。
それ以降、吐夢はストーカーとして輪花につきまとうようになります。

 

その頃、世間ではアプリ婚連続殺人事件が勃発し世間の注目を集めていました。
いずれの犠牲者も、マッチングアプリ「ウィルウィル」で出会った男女。

そんな中、輪花が勤める「ナガタウエディング」とマッチングアプリ「ウィルウィル」でコラボすることになり、「ウィルウィル」の開発プログラマーである影山剛(かげやま つよし)と出会います。

吐夢のストーカーに怯える輪花は、マッチングアプリ業界に詳しい影山に相談したところ、永山吐夢はあちこちのアプリでトラブルを起こしている要注意人物であることを知らされます。

吐夢のストーカー行為だけでなく、輪花がウェディングプランナーとして結婚式に携わったカップルがアプリ婚連続殺人事件の4組目の犠牲になり、自宅にかかってきた女性からの不審な電話をきっかけに輪花の父・芳樹の様子に異変が見られるようになるなど、周囲でトラブルが勃発します。

さらに、アプリを通じてメッセージを送るだけだった吐夢が、「急ぎの警告が…影山には近づかないほうがいい」と自宅にまで出現するように。

輪花は吐夢の言葉を無視して影山とのデートを楽しみ、スマホに入れられたスパイアプリも消去してもらうなど、すっかり影山といい感じの仲に進展していました。



 

続くアプリ婚連続殺人事件で、輪花のかつて思い人であり結婚式の担当していた高校教師の片岡先生が犠牲に。

輪花が担当していたカップルが続けざまに殺害されたことから、警察からよからぬ疑いをかけられ、さらに追い打ちをかけるように週刊誌に片岡との不倫疑惑が掲載。

しばらく会社を休むことになり帰宅すると、父・芳樹の浮気写真がポスティングされており、芳樹がパソコンチャットで出会った節子と浮気し妊娠させ、それが原因で母・美知子は家を出て行った事を知ります。

芳樹は「すぐ帰る」と書置きを残して外出し、そのまま行方知らずに。

 

その頃、輪花が警戒して近寄れないことから、「輪花さんに伝えてもらいたいことがある」と尚美に接触する吐夢。

吐夢から話を聞いた尚美は「一人で家に来て欲しい」と輪花に連絡をするのですが、輪花がマンションに到着する前に殺されてしまいます。

さらに芳樹が自殺と、ショックな出来事が続き憔悴してしまう輪花。

そんな輪花に影山は、芳樹の不倫相手と吐夢が共犯していた証拠があると、輪花をある場所に連れていきます。

そこは、すでに廃墟となった公団でした。

※ここから下はネタバレ(犯人名含む)です。




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「マッチング」の簡単ネタバレ

影山が輪花を連れていった場所は、芳樹の不倫相手である節子が住んでいた公団。

実は、影山は節子の息子。
芳樹のせいで追い詰められていく母親の姿を見ていたことから、芳樹と輪花を恨んでいました。

影山は輪花の大切な人を奪うことを目的(復讐)に近づき、輪花が好きだった片岡夫婦、親友の伊藤尚美を殺害。

「ウィルウィル」の和田も殺害していますが、それは輪花を襲おうとしたから。
自分よりも先に襲うことを許さなかったからでした。

廃墟で輪花を殺そうと襲いかかる影山でしたが、吐夢が助けにかけつけ、とっさの機転で影山に一撃を加えることに成功。

吐夢が事前に連絡していた警察がかけつけ影山は逮捕されます。

 

ただ、影山が殺害したのは片岡夫婦、伊藤尚美、和田のみ。

輪花の父・芳樹は、状況的には怪しいけれども自殺。
それというのも、芳樹が自殺した場所から近いところに、節子に監禁されている母・美知子がいたから。

家出したとされていた輪花の母は、家族に付きまとう節子と決着をつけるために会いに行き、そこで囚われ25年も監禁されていたのでした。
精神的にもおかしくなっている姿を見た芳樹はショックを受け、それが原因で自殺したとされています。

輪花は節子に殺されそうになりますが、吐夢がかばい、芳樹の死を調べてた警察が駆け付け節子を逮捕します。

ちなみに、節子が芳樹に語った妊娠は本当で、その子供が吐夢。

吐夢が持っているクローバー入りのロケット型ペンダントは、その時に握りしめていたものでした。

 

そして、アプリ婚連続殺人事件の4組目までの犯人は吐夢。

また、吐夢がマッチングアプリで輪花に目をつけたのは、輪花の自撮り写真の背景に、輪花が小さい頃に描いた赤い服をきた女性と四葉のクローバーの絵があったから。

赤い服をきた女性は節子。
当時、近づいてきた節子を、幼い輪花が無邪気なお絵かきで描いていたのでした。



 

「マッチング」の感想

ストーリー展開がテンポよく一気読み。
映画では描かれなかった細かな部分が補完されているともいえる原作本です。

映画も一緒に観ることで、より背景や人物像が深く知り、より楽しめる一冊ではないでしょうか。

いろんな思惑、しがらみが交差してこんがらがり、多数の殺意でわけわかんない感じに殺されていきますが、最終的にピタリとパズルピースがはまるように整理整頓(解決)していくのが読んでいて気持ちよかった。

モチーフとなっているマッチングアプリは身近なツールであるだけに親近感がありハラハラできました。

しかしまぁ、かわいいお子さんと奥さんがいるのに、「遊びで…」と安易に女性を弄ぶ芳樹は最低だなぁと。
女性をなんだと思っているんだと憤りしかない。

 

内田英治さんの(読んだ)本

マッチング TRUE LOVE 「マッチング」の2年後。今度は南の島のマッチングツアーで起こる連続殺人。吐夢の罪と過去が暴かれます。


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