御嶽神社が当時の嶺村に鎮座していたことから「嶺の御嶽さん」と呼ばれ親しまれている大田区の御嶽神社(読み方はおんたけじんじゃ)。
御嶽山そのもを信仰する木曾御嶽山信仰の神社で、木曾御嶽神社の里宮は長野県木曽郡王滝村。
奥宮は御嶽山(3,036m)に鎮座しています。
大田区の御嶽神社は、木曽の御嶽山で修行した一山行者(いっさんぎょうじゃ)が夢告で見た場所であり、「三度参拝」で木曽御嶽山に登ったのと同じご利益が得られると云われているスピリチュアルなパワースポットです。

目次
・ご祭神・ご利益
・歴史
・鳥居・参道
・社殿
・大鳥神社
・霊神の杜
・水行堂
・延命地蔵
・稲荷神社
・一山神社
・杜の霊神水
・御朱印・お守り
・酉の市
・駐車場
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
御嶽神社のご祭神・ご利益
ご祭神は、国常立命(くにのとこたちのかみ)・国狭槌命(くにさつちのみこと)・豊雲野尊(とよくもののかみ)。
その後利益は、木曽御嶽神社と同じく智恵や才能、長寿や病気平癒など多岐にわたります。
また、御嶽神社は「おんたけじんじゃ」の他にも「みたけじんじゃ」とも呼ばれますが、前者は木曽御嶽山信仰による読み方で、後者は蔵王権現信仰による読み方と信仰によって異なります。
御嶽神社の歴史
創建は、嶺村(現嶺町地区)ができた1535年(天文4年)頃。
当初は祠に近い小さいお社でした。
江戸時代後期の頃になると、木曾御嶽山で修業をつんだ一山行者によって木曽御嶽山関東第一分社となり信者が激増。
1831年(天保2年)に現在の大きな社殿が建てられました。
「嶺の御嶽神社に三度参拝すれば、木曾御嶽山へ一回行ったのと同じ」とも言われ、現在でも講社による定期的な参拝がおこなわれています。
また20年に一度、本山へ神輿を運んで担ぐ式年祭も執行されており、近年では2011年(平成23年)の第2回目がそれにあたります。
御嶽神社の鳥居・参道
最寄り駅の東急池上線御嶽山駅を出ると商店街。
突き当りを右に曲がるとすぐ見えてきます。
鳥居右側には「御嶽神社」と彫られた大きな社号碑、左側には「開山・一山行者」の碑。

鳥居からまっすぐ続く参道の先には社殿。
途中には、木の柵に囲まれた狛犬と手水舎、社務所。




社殿右側には神楽殿、夫婦松、大鳥神社、霊神碑。
右側には水行堂、延命地蔵、稲荷神社、一山神社、杜の霊神水があります。
御嶽神社の社殿
社殿前には、左は棒状のもの、右は筒状のものを口にくわえた一対の「お犬様(オオカミ)」の狛犬。
山岳信仰では神使が狼(山犬)とされる事が多く、渋谷にある宮益御嶽神社の社殿にも日本狼が鎮座しています。



本殿は大田区の文化財。
拝殿扁額には「御嶽山」。
1831年(天保2年)に藤原篤意によって建てられました。
提灯の奥には見事な彫刻と、御嶽信仰の三柱を祀っていることを示す扁額「三社宮」。
お賽銭箱にも、三柱を示す「御嶽に丸に三つ引き」の社紋。



社殿背面側面には、和漢の物語や古事にちなんだ「鎮」「義」「仁」「智」「信」「忠」「礼」「孝」「悌」の彫刻が施されています。
社殿向かって右側。
悌(兄弟又は長幼間の情)…師子(獅子)は子を千尋の谷に落す
孝(父母に良く仕える)…孝子父母を養う
礼(人の践み行う儀式作法)…浦島太郎を見送る乙姫様



社殿の真後ろ。
忠(幸いを願う本心)…琴の音が響き渡り大空の果てにあった雪も落ちた
信(うそを言わない、疑いの無い心)…琴の音を聞き分ける漁師
智(賢い人)…溺死せんとする童を助ける
社殿向かって左側。
仁(おもいやり)…竜宮を去る浦島太郎
義(人の践み行う正しい道)…心身を清めるための水垢離
鎮(守りのまじない)…松の落葉(鬼門除け)



御嶽神社の大鳥神社
大鳥神社には厳島神社と三輪神社が合祀。
11月の酉の日には「酉の市」が開催され、規模は小さいながらも熊手商も出ています。
また、大鳥神社の前には樹齢四百年の黒松「夫婦松」。

鎮座する狛犬の鼻の下には渦巻き状のヒゲらしきものがあり、ネコのように左右に跳ねており、くるくるとした巻毛が可愛らしい。


御嶽神社の「霊神の杜」
神社境内地奥には、約30基の霊神碑群が木曽御嶽山の形状をモチーフに並べられた神域。
「霊神の杜」と名付けられた鎮守の森です。
奥には、御嶽教の創始者である渡辺菊太郎の像。



御嶽神社の水行堂
御嶽行者が水行(水垢離)をするために建てられた切妻造りのお堂。
龍や亀の彫刻が施されている国登録有形文化財です。


御嶽神社の延命地蔵
水行堂右手に寄り添うように安置されているのは、1938年(昭和13年)の阪神大水害にて、数名の女の子の命を救ったとされる延命地蔵。
感謝したご両親がお地蔵様を引き取られましたが、東京に移住後、1997年(平成9年)に御嶽神社に奉納されました。

御嶽神社の稲荷神社
稲荷神社の特徴である狛狐さんは、外にはいませんでした。

御嶽神社の一山神社
本殿左側には、御嶽神社別棟の一山神社(いっさんじんじゃ)。
御祭神は、下化衆生の本願を叶えるため円乗院(埼玉県与野)で僧となり、ここ御嶽神社の中興の祖となった一山霊神。
俗名は治兵衛です。
御嶽三社の大神達から「早々下山し世間大衆の苦悩を救え、幸い汝に因縁の地あり、都を去る三里」と夢告を受け江戸に。
御嶽の神々の教えを広めながら近郷近在を歩き、御嶽の小社をみた一山行行者は、「これぞ木曽御嶽の大神の示現したところ」としてこの地に庵を結びます。
1831年(天保2年)に社殿を新築し、1851年(嘉永4年)に亡くなりました。
扁額には、一山行者を神格化した「一山霊神」と書かれています。



御嶽神社の杜の霊神水
一山行者が水行をおこなっていたと言われている古井戸でしたが、長く放置され荒れ果てていたところを、2008年(平成20年)に「杜の霊神水」として整備されました。
ちなみに、お水取りなどはできないようです。



御嶽神社の御朱印・お守り
御朱印は、兼務社(嶺白山神社、嶺天祖神社、嶺稲荷神社)を含めて合計4社あり。
こちらのお守りでは、勝負運を上げる「勝守」をはじめ、様々な授与品が用意されています。
また、日本武尊ニホンオオカミが描かれている厄よけの「お犬札」なんてものもあり。
御嶽神社の酉の市
境内社に大鳥神社があることからも、毎年11月には酉の市が開かれます。
とはいえ小規模で、熊手商は1店舗。
屋台グルメなどの出店はないようです。
ただ、境内がほのかにライトアップされる様子は神秘的です。
※酉の市の様子はこちら
御嶽神社の駐車場
参拝者専用の駐車場があります。

御嶽神社の詳細
御嶽神社へのアクセス
- 東急池上線:御嶽山駅より徒歩1分
- 公式サイト:https://mineno-ontake.com/
御嶽神社の主な行事・イベント
- 1月:歳旦祭
- 2月:節分祭
- 5月:五月祭
- 8月:木曽御嶽山登拝
- 9月:例大祭
- 11月:七五三祝祭、酉の市
- 12月:大祓
御嶽神社近くのおすすめ神社・寺
| 雪ヶ谷八幡神社 | 閑静な住宅街の小高いところに鎮座。大鵬の出世石など多数の見どころがあり。 |
|---|---|
| 多摩川浅間神社 | 展望台からは多摩川と街並みが見渡せます。映画「シン・ゴジラ」のロケ地。 |
| 日枝神社(川崎) | 平安時代からの歴史ある神社。子を抱えている「神猿」の石像があります。 |
| 白山神社 (嶺白山神社) | もとは女體権現社と呼ばれた白山信仰の神社。御朱印は御嶽神社で。 |
| 實相寺 | 池上梅園に隣接。重要文化財等に指定されている日蓮宗の寺院。 |







