東京都江東区富岡にある富岡八幡宮(読み方はとみおかはちまんぐう)は、徳川将軍家からも信仰された「江戸最大の八幡様」「深川の八幡様」。
毎年8月におこなわれる深川八幡祭り(水かけ祭り)は、江戸三大祭りのひとつとして有名です。
また、富岡八幡宮は江戸勧進相撲(大相撲の前身)発祥の地。
境内には歴代の横綱の名前が刻まれた横綱力士碑があり、新しい横綱が誕生すると境内で奉納土俵入りがおこなわれています。
東京マラソンのコースにもなっており、神輿を威勢よく振り動かしランナーの無事を祈る神輿振りがおこなわれるなどスポーツに縁があり、勝負運のパワースポットと言われています。
さらに、富岡八幡宮は挙式会場としても人気。
末永い幸せを祈る「永代の舞」は、ここでしか見れない特別な舞です。
目次
・歴史とご祭神・ご利益
・大鳥居と石像
・黄金大神輿
・八角十二支石碑
・神馬像
・社殿
・横綱力士碑と古札納め所
・境内末社
・御朱印・お守り・おみくじ
・深川八幡祭り(水かけ祭り)
・御鎮座四百年記念大祭
・駐車場
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
富岡八幡宮(深川八幡)の歴史とご祭神・ご利益
ご祭神は応神天皇。
誉田別命(ほんだわけのみこと)や八幡神とも呼ばれています。
他、神功皇后、仁徳天皇、天照大神、武内宿禰、日本武尊、天児屋命、竈大神、常磐社神の8柱。
さらに、17の末社には市杵島姫命や少彦名命など18柱の神様が祀られている格式の高い神社です。
戦いに強い応神天皇にあやかり勝利事や出世開運のご利益の他、多くの神様を祀る事から厄除けや事業繁栄、家内安全、交通安全、安産、学業成就など、さまざまなご利益があると言われています。
また、御母である神功皇后は、新羅平定に向かった際に八幡様(応神天皇)を身ごもり臨月を迎えていたものの、腰帯に石を抱き産気を抑えて出陣。
見事平定し帰国後無事にご出産されたことから、戌の日による安産祈願と腹帯を推奨しています。
富岡八幡宮の始まりは1627年(寛永4年)。
菅原道真公の末裔といわれる長盛法印(ちょうせいほういん)が御神託を受け、現大地(当時は永代島と呼ばれる干拓地)に波除け・津波除けとして創建したことからです。
周辺の砂州地を埋め立てて社地と氏子の居住地を造り、源氏の氏神・八幡大神を篤く尊崇していた徳川将軍家により保護され、明治維新の際には准勅祭社に。
ちなみに、門前仲町の2大社寺として富岡八幡宮と深川不動堂が有名で混同しがちですが、両社寺は明確に異なります。
神仏習合の時代では、富岡八幡宮の神宮寺(別当寺院)を永代寺が担っており、その永代寺の境内に建立されたのが深川不動堂。
明治に入り神仏分離がおこなわれると、富岡八幡宮は永代寺管理から外され永代寺自体も破却されますが深川不動堂のみが残され今に至ります。
富岡八幡宮(深川八幡)の大鳥居と石像
社殿正面入り口、永代通り沿いには高さ10mもの大鳥居。
大鳥居をくぐった両サイドには、多数の石像が置かれています。
左側には江戸時代後期の測量家・伊能忠敬像。
伊能忠敬翁は深川黒江町(現・門前仲町1丁目)に住んでおり、測量旅行出発の際には富岡八幡宮を参拝していました。
伊能忠敬像の隣には、深川めしの専門店「深川宿 富岡八幡店」。
新鮮なあさりをたっぷり使った江戸の味「深川めし」を堪能できます。
右側には大関力士碑・巨人力士碑・巨人力士手形足形碑・強豪関脇碑・釈迦ヶ嶽等身碑等一群の顕彰碑がズラリ。
大関力士碑は歴代大関を顕彰するために建立されたもので、9代目市川団十郎と5代目尾上菊五郎により寄進されていた2基の仙台石を使って明治の頃に製作。
初代大関・雪見山から104人の歴代大関の四股名が彫り込まれています。
富岡八幡宮(深川八幡)の黄金大神輿
参道にある神輿庫には2基の大きなお神輿があり、ガラス越しに見られます。
大きい御神輿は日本最大級の大きさ!
しかもダイヤモンドやルビーがあしらわれて豪華絢爛!!
もともと元禄時代の豪商・紀伊国屋文左衛門が奉納したとされている総金張りの宮神輿が3基ありましたが、関東大震災で焼失。
焼失した神輿は三社託宣に因み、八幡造り・神明造り・春日造りの三基三様の神輿で「みこし深川」と言われていました。
現在ある宮神輿は1991年(平成3年)に佐川急便グループの会長(当時)・佐川清氏が奉納されたもので、その大きさは高さ4m以上、重さ4.5トン。
日本一と称される黄金大神輿です。
ただ、その大きさから毎年担ぐのは難しく別で宮神輿を製作。
二の宮として1997年(平成9年)の例大祭で渡御されています。
富岡八幡宮(深川八幡)の八角十二支石碑
参道の手水舎近くには、十二支が刻まれた八角形の石碑「願掛けの八角十二支石碑」があります。
こちらは、風水で有名なDr.コパ氏が監修した石碑です。
願掛けをしながら指定の順番に石碑を触っていくと道が開かれ、決断が導き出されるそうです。
金運・人気運・才能運・恋愛運・人間関係・仕事運・健康運それぞれの触り方が説明書きされています。
やり方は簡単。
初めに昭和天皇の記念碑に一礼し、自分の干支を利き手で触ります。
願掛けしたい事を心で想いながら、願い事に合わせて石碑を触ります。
ちなみに、願い事は一人ひとつ。

富岡八幡宮(深川八幡)の神馬像
表参道の途中、階段の手前は西参道と東参道に分かれており、婚儀殿に繋がる東参道途中には神馬像。
震災で焼失した本社の再建を記念して建立されたものだそうです。
富岡八幡宮(深川八幡)の社殿
社殿広場の手前両サイド、階段脇には狛犬。
階段上右側には授与所があります。
鮮やかな朱色が目を引く御本殿は、1956年(昭和31年)の鉄筋コンクリート造。
2棟の建物が前後に繋がった重層型準八幡造りです。
正面には「萬世泰平」の扁額がかかっています。
御本殿向かって右側にご祈祷受付所。
御朱印はご祈祷受付所の隣、御朱印受付でとなります。
左側には干支「巳」が描かれた「アート干支大絵馬」。
深川エリアで初開催された「アートパラ深川おしゃべりな芸術祭」の全国公募展「第1回アートパラ深川大賞」を受賞した西川さんが描いた作品です。
富岡八幡宮(深川八幡)の横綱力士碑と古札納め所
横綱力士碑は社殿向かって右側、駐車場に続く道の先にあります。
1900年(明治33年)、第12代横綱陣幕久五郎を中心に歴代横綱を顕彰する碑が建立。
初代・明石志賀之助から72代・稀勢の里関までの四股名が刻まれており、その大きさは高さ3.5m、幅3m、重さ20トン。
新横綱が誕生した時には相撲協会立会いによる刻名式と、新横綱の土俵入りが奉納されます。
さらに両側には伊藤博文、山県有朋、大隈重信といった賛同者の名が刻まれています。
相撲興業は江戸時代に始まりましたが、トラブルが多発していたころから禁令が出る事もしばしば。
1684年(貞享元年)に、春と秋の2場所での勧進相撲が幕府から許されるようになり、それが富岡八幡宮でした。
定期興行制や番付制が確立されていき本所回向院に移るまで、約100年間に渡って本場所が境内でおこなわれていました。
横綱力士碑向かって左隣と斜め前は参拝者専用駐車場であり古札納め所も。
古札納め所では原則、富岡八幡宮(深川八幡)で授与された授与品のみを受け付けており、古い人形のお焚き上げ(有料)も受け付けています。
また、横綱力士碑の右側は境内社に通じています。
富岡八幡宮(深川八幡)の境内末社
境内には多数の末社が2ヵ所に分かれて鎮座しています。
東側、横綱力士碑と婚儀殿近くには七渡神社や粟島神社、車析社、客神社、野見宿禰神社、住吉社、聖徳太子社、天満天神社、祖霊社、花本社、永昌五社稲荷神社。
西側には鹿島神社、大鳥神社、恵比須社、大国主社、富士浅間社、金刀比羅社。
富岡八幡宮(深川八幡)の御朱印・お守り・おみくじ
御朱印は本堂向かって右側、御朱印受付で。
持参した御朱印帳に直書き、もしくは書き置きの御朱印がいただけます。
もちろん御朱印帳の用意もあり。
お正月や酉の市、例大祭、夏や秋の時期などには限定御朱印が頒布されることも(書置きのみ)。
また、富岡八幡宮(深川八幡)は東京十社の一社になるため、東京十社絵馬や東京十社朱印帳も用意されています。
深川七福神の恵比須神を祀っていることからも、元旦から7日まで限定で専用色紙・笹・鈴の授与がされています。
お守りには多種多様な祈願に対応したお守りが用意されており、人気なのが「福縁銀杏守・えんむすび銀杏守」。
震災・戦災にも耐えた生命力が強い本殿裏にある2本のイチョウの木(御神木)に由来したお守りで、雌木と雄木の結晶である銀杏にちなみ福縁(神縁)を祈願。
縁結び・良縁・福縁のご利益があるとされています。
お守りに同封されている台紙にお願い事を書き、ハート型に折って祈願箱に奉納。
神前にて祈願後した後にお焚き上げしてくださいます。
また、1年365日において毎朝神主が祈願成就の祝詞を奏上してくれる「感謝箱」、お母さんと赤ちゃんの健康と安全を祈願した「安産腹帯(安産のお守り付き)」なんて授与品も注目です。
絵馬には八幡太郎義家が描かれた必勝合格絵馬(大・小)、宮神輿が描かれた神輿絵馬、江戸勧進相撲にちなんだ力士絵馬の3種類。
神札神符授与品の郵送にも対応しています(公式サイトに詳細あり)。
おみくじは、「八幡みくじ」や「縁結びみくじ」などがあります。
八幡みくじは「大吉>吉>中吉>小吉>半吉>末吉>小凶>凶」の順番。
八幡みくじは授与所にもあり、授与所では棒を引くスタイル。
巫女さんがくじを渡してくれます。
縁結びみくじは、境内社の七渡弁天社のもの。
中にはラッキーカラーの天然石ストラップが1つ一緒に入っています。
富岡八幡宮(深川八幡)の深川八幡祭り(水かけ祭り)
8月中旬におこなわれている「深川八幡祭り(水かけ祭り)」は、日枝神社(赤坂)の山王祭、神田明神の神田祭と共に江戸三大祭りの一つ。
伝統的な掛け声「ワッショイ、ワッシヨイ」と、沿道の観衆から担ぎ手に浴びせられる清めの水が特徴です。
八幡宮の御鳳輦が渡御を行う本祭りは3年に一度で、50基以上の神輿が連なって渡御。
その迫力ある様は「神輿深川」と称えられています。
富岡八幡宮(深川八幡)の御鎮座四百年記念大祭
2027年(令和9年)にご鎮座400年を迎え、同年に斎行される御鎮座四百年記念大祭では御本社一の宮神輿の渡御も行なわれます。
それに伴い、記念事業として客殿の建設、本殿の耐震補強や銅板屋根の葺き替え工事、末社や神輿庫などの改修工事がおこなわれています。
富岡八幡宮(深川八幡)の駐車場
参拝者用駐車場(無料)が、横綱力士碑近くにあります。
他、「タイムズ」の駐車場がありこちらは有料です。
↓タイムズ富岡八幡宮東:10台(参拝は15分無料、ご祈祷は90分無料、ご婚礼は6時間無料)

他、タイムズ富岡八幡宮4台(有料)、タイムズ富岡八幡宮南20台(有料)、タイムズ富岡八幡宮北6台(有料)とあります。
富岡八幡宮(深川八幡)の詳細
富岡八幡宮(深川八幡)へのアクセス
- 東京メトロ東西線:門前仲町駅より徒歩3分
- 都営地下鉄大江戸線:門前仲町駅より徒歩6分
- 公式サイト:http://www.tomiokahachimangu.or.jp/
富岡八幡宮(深川八幡)の主な行事・お祭り
- 8月:深川八幡祭り
- 11月:酉の市
- 毎月1・15・28日:月次祭(縁日)
- 毎月15・28日:フリーマーケット
- 毎月第1・2・4・5日曜:骨董市
富岡八幡宮(深川八幡)近くのおすすめ神社・寺
深川不動堂(成田山東京別院) | 千葉の大本山成田山新勝寺の東京別院。本堂は広く見ごたえがあります。 |
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大栄山 金剛神院 永代寺 | 深川不動堂の参道途中にある寺院。御本尊は歓喜天、真言宗のお寺です。 |
牡丹住吉神社 | ご祈念石がたくさん置かれているなど、地元でふるくから大切にされているお社。 |