かつては深川一帯を境内としていた永代寺(読み方はえいたいじ)。
明治の神仏分離による廃寺を経て再建した高野山真言宗の寺院です。
正式名称は「大栄山 金剛神院 永代寺(だいえいざん こんごうしんいん えいたいじ)」。
御府内八十八カ所霊場68番札所、江戸六地蔵6番です。
深川不動堂(成田山東京別院)と富岡八幡宮の創建にも関わっているお寺で、深川不動堂の参道途中にあります。
目次
・歴史とご本尊・ご利益
・参道
・境内
・本堂
・地蔵堂
・御朱印・お守り
・アクセス
・近くにある神社・寺
永代寺の歴史とご本尊・ご利益
山号は大栄山。
院号は金剛神院。
宗派は高野山真言宗。
ご本尊は歓喜天。
1627年(寛永4年)に、菅原道真の末裔とされる長盛上人が開山。
霊夢に導かれて江戸を訪れ、永代島と呼ばれる小島の周囲を開拓し町場を開き、先祖伝来の八幡大菩薩像を祀り、富岡八幡宮と別当の遍照院(のちの永代寺)を創建。
1653年(承応2年)に仁和寺から「大栄山金剛神院永代寺」の寺号を贈られています。
当時の永代寺の境内は、現在の富岡八幡宮から深川不動堂、深川公園を含む広さがありましたが、明治の神仏分離にて一変。
当時の住職は還俗して富岡八幡宮の宮司となり、永代寺は廃寺となります。
その際、境内にあった江戸六地蔵の銅像地蔵菩薩坐像も失われました。
1881年(明治14年)、永代寺境内で成田不動の出開帳がおこなわれていたことから、旧永代寺内の吉祥院跡に深川不動堂(成田山東京別院)が創建。
1896年(明治29年)、旧塔頭の吉祥院が永代寺の名跡を継承。
現在に至ります。
永代寺の参道
最寄り駅は東京メトロ東西線門前仲町駅の1番出口。
深川不動堂の赤門をくぐった、参道途中にあります。
永代寺の境内
門前には、厄除弘法大師と彫られた寺号標。
山門の正面には本堂。
右側に手水舎、左側に地蔵堂があります。
境内には、水子地蔵や戦災供養の観音などが。
また、永代寺で聖天さまの修法を学び、1678年(延宝6年)に宝山寺(奈良県生駒)を開いた湛海和尚の石碑「生駒山宝山寺開基 湛海和尚終行之寺」もありました。
永代寺の本堂
コンパクトな境内なので、山門を入るとすぐ常香炉。
お線香はお堂のお賽銭箱の横に置かれており、灰の中に入っている火種(豆炭)に当てて着けます。
お寺によって火元もいろいろです。
永代寺の地蔵堂
お堂に向かって左手側に地蔵堂。
かつての永代寺は銅像地蔵菩薩坐像を持つ江戸六地蔵の一つでした。
現在は、子育て地蔵尊や取持地蔵尊などが祀られています。
永代寺の御朱印・お守り
御朱印は、お堂内でお受けできます。
「弘法大師 歓喜天尊」と書かれた御府内八十八ヶ所68番の御朱印と、江戸六地蔵6番の御朱印とあります。
また、お堂のところにはお守りがズラリ。
ご祈祷札や聖天御守、厄除御守、身代り御守、仏足、十二支守り本尊、ふくろう御守、幸福カエル、幸せ地蔵、金運河童守りなどいろいろあります。
永代寺の詳細
永代寺へのアクセス
- 東京メトロ東西線:門前仲町駅1番出口より徒歩1分
- 都営地下鉄大江戸線:門前仲町駅6番出口より徒歩4分
永代寺近くのおすすめ神社・寺
深川不動堂(成田山東京別院) | 千葉の大本山成田山新勝寺の東京別院。本堂は広く見ごたえがあります。 |
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富岡八幡宮 | 江戸勧進相撲(大相撲の前身)発祥の地。深川八幡祭り(水かけ祭り)で有名。 |
牡丹住吉神社 | ご祈念石がたくさん置かれているなど、地元でふるくから大切にされているお社。 |
木場 洲﨑神社 | 桂昌院の縁の、古き良き風情のある神社。玉の輿たまちゃんの像があります。 |
法乗院(深川ゑんま堂) | 大きな閻魔大王像と、祈願に合わせてお賽銭が入れられる投入口があります。 |
心行寺 | 深川七福神の福禄寿。多数の文化人が眠る浄土宗のお寺です。 |