江戸時代の蘭学者でさつまいもの栽培を広めた、甘藷先生こと青木昆陽(あおき こんよう)を偲び10月に開催される目黒不動尊のお祭り「甘藷祭り(薩摩芋 秋 収穫祭)」。
甘藷先生のご命日である10月12日に昆陽会(こんようえ)が執り行われ、縁日にあたる28日に甘藷祭りが開催されています。
甘藷先生のお墓参りはもちろん、縁日ということで護摩祈祷もおこなわれており、境内では屋台グルメがズラリ。
さつまいもの販売は見当たりませんでしたが(2025年)、甘藷祭りということでさつまいもに関連したお店も出店されており、さつまいもを存分に味わいお土産として購入するのも楽しいお祭りです。

目次
・目黒不動尊の甘藷まつりとは?
・境内の様子
・縁日の護摩祈祷
・特別御開帳
・甘藷先生のお墓
・特別法要
・縁日屋台グルメ
・瀧見茶屋
・御朱印
・おすすめお土産
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
・近くのおすすめグルメ
目黒不動尊の甘藷まつりとは?
甘藷先生(かんしょせんせい)こと青木昆陽(あおき こんよう)は江戸中期の儒者。
幕臣大岡忠相の知遇を得て書物方となり、のち評定所儒者・書物奉行となった方です。
八代将軍徳川吉宗の命により蘭学を学び、長崎に遊学し、「和蘭文学略考」「和蘭貨幣考」「和蘭語訳」などを著述。
さらに「蕃薯考(ばんしょこう)」にて、救荒作物として甘藷の栽培を奨励し甘藷先生と呼ばれるようになりました。
甘藷先生は下目黒の大鳥神社近くに別邸を持っており、お墓は瀧泉寺(目黒不動尊)飛び地境内の目黒不動墓地に。
そうしたご縁から、瀧泉寺(目黒不動尊)では10月12日の命日に昆陽会(こんようえ)、10月28日の縁日には甘藷祭りを開催しています。
甘藷祭り(薩摩芋 秋 収穫祭)の境内の様子
午前中の11時半ごろに到着したところ、まだ境内はのんびりとした雰囲気。


男坂の階段を上って上境内にいくと、本堂右側にさつまいも畑。
これからの収穫を待っている様子で、葉っぱがわさわさ。
甘藷先生のお像の前ももっさり。


さつまいもの収穫は、別日に行われる様子(2025年)。
境内には目黒不動尊子ども会主催「秋の収穫祭」のポスターが張られていました。

ちなみに、下境内には甘藷先生の碑があります。

本堂ではちょうど護摩祈願がおこなわれており、本堂の外からその様子を見ている方でちょっと混雑。
本堂内は、この日が平日だったこと、1日に数回おこなわれていることからも、そこまで混雑はしていませんでした。

縁日の護摩祈祷
28日の縁日では護摩祈祷が、10時から18時半まで時間を決めて数回おこなわれています。
本堂右手受付所にて、護摩祈祷開始時間の30分前までに申し込み(事前予約が必要な場合もあり)。
時間を過ぎると次回の護摩祈願になります。
護摩祈祷の申込者は本堂へ入る事ができ、不動明王ご本尊前で大きく炎が立ち上がるダイナミックな護摩祈祷を見る事ができます。
しかも、特別護摩木(1,000円)の申込者も!



今回は特別護摩木で13時半の護摩祈願に参列させていただきました(ご祈祷は30~40分ほど)。
護摩木を焚くことで煩悩を焼き尽くし清らかにし、煙と共に願い事が天上へ届けられて成就すると言われています。
護摩祈祷後はお堂にいる方たちに向けてお祓い?をおこない、壇からまだ火が消え切っていない護摩灰がお賽銭箱のところにに。
参列されていた方が並び、手を合わせるとともに、煙にカバンやお財布などを当てるなどされていました。
ちなみに、本堂内にはたくさんの仏像や絵が安置されているので、護摩祈願が始まる20~30分前に入堂するのがおすすめ。
不動明王ご本尊の両サイドには大黒天と弁財天十五童子。
さらに右側には大日大勝金剛像や薬師如来、虚空菩薩、文殊菩薩など。
左側には歳徳神、普賢菩薩、愛染明王、そして芋神として甘藷先生の座像も祀られていますので、護摩祈祷が始まる前に近くでお参りすることができます。
縁日の特別御開帳
そして、忘れちゃいけないのが大本堂の後ろに控える大日如来像への参拝。
28日の縁日には、普段閉じられている金剛界大日如来(一字金輪曼荼羅 金剛界大日如来)がご開帳されています(ご開帳されないときもあるらしい)。
たくさんの金色の獅子が支える白い蓮の台座に座られている、とてもきれいなお姿です(撮影禁止)。

他の境内のお堂もご開帳されているので、この機会に是非参拝しておきたいところです。



甘藷先生のお墓(目黒不動尊敷地外墓地)
甘藷まつりで訪れたら、是非行っておきたいのが甘藷先生のお墓参りです。
お墓は目黒不動尊の敷地外墓地にあり、史跡になっています。
ちなみに墓石に彫られている「甘藷先生墓」は甘藷先生が刻んだもので、生前に建てた寿塔です。

甘藷先生の特別法要
午後には、観音堂と隣接している瀧泉寺の本坊・阿弥陀堂にて甘藷先生の特別法要がおこなわれました。
阿弥陀堂には、さつまいも産業共同組合と霧島酒造さんからの奉納品が。


ちなみに、霧島酒造さんは瀧見茶屋横で出店されており、「志比田工場 黒霧島原酒」と「特別蒸留きりしま」「KIRISHIMA No.8(キリシマナンバーエイト)」が。
「特別蒸留きりしま」と「KIRISHIMA No.8」を試飲させていただいたのですが、どちらもマスカットと思わせるフルーティーな味。
「特別蒸留きりしま」はよりはっきりとした味でカクテルなどを好む方によいかな?
「KIRISHIMA No.8」は「特別蒸留きりしま」よりもフルーティーさはあっさりしていますが、これぞ本格芋焼酎といった切れ味のよさがありますので、焼酎好きにはこちらかな?


甘藷祭り(薩摩芋 秋 収穫祭)の縁日屋台グルメ
この日は縁日ということもあり、境内にはたくさんの露店が出店し、屋台グルメが堪能できます。
とはいえ、午前中は準備でのんびりした雰囲気で混雑している気配はなし。
屋台によってはテーブルと椅子が用意されていますが、特に待つことなく利用できました。
お昼過ぎぐらいから、幼稚園を終えた親子や学校が終わった子供たちでにぎわい始め、夜になると近隣のサラリーマンや大人で賑わうようです。




いつもはバスが通るであろう道も、屋台がズラリと並び通行止めになっています。
そして、三福堂近くには毎度おなじみ「たかまのはら 白龍神」のテントも。
たくさんのお守りと共に白蛇ちゃんがいました。

甘藷祭り(薩摩芋 秋 収穫祭)の瀧見茶屋
縁日では、仁王門近くにあるカフェ「瀧見茶屋」もオープン!
店内でお茶をするのはもちろん、開運さつまいもを買って境内で食べるのも良し。
開運さつまいもは丸いのと細長いのと2種類あり、目黒不動尊でお祓いを受けたさつまいもなんだそうです。




甘藷祭り(薩摩芋 秋 収穫祭)の御朱印
甘藷祭り(薩摩芋 秋 収穫祭)の限定御朱印はなく、通常の4種類。
不動明王・聖観音・恵比寿神、そして2024年10月から加わった大日如来。
甘藷祭りは縁日に開催されているので不動明王・聖観音・恵比寿神は御朱印長に直書きですが、大日如来は縁日でも書置きです。


甘藷祭り(薩摩芋 秋 収穫祭)のおすすめお土産
甘藷祭りということで、上境内に出店されていた東京浅草に本店がある和菓子屋さん「舟和」さんの芋ようかんはおすすめ。
そのまま食べてもいいですが、アレンジしてもおいしい。



瀧見茶屋横で出店されている霧島酒造さんの「志比田工場 黒霧島原酒」と「特別蒸留きりしま」「KIRISHIMA No.8(キリシマナンバーエイト)」は、店舗にはあまり流通されていないそうなので、焼酎好きの方にお土産にピッタリ。
ちなみに私が購入したのは14時半ごろでしたが、「KIRISHIMA No.8」は残り2本でした。
焼酎作りで使われている九州産のさつまいもをいただきましたが、こちらは我が家で料理する予定です(笑)。
大きい!



また、カフェ「瀧見茶屋」の店頭では、28日限定の目黒不動尊開運最中が販売されています。
こちらも箱入りなのでお土産としても喜ばれそうです。

瀧泉寺(目黒不動尊)の詳細
瀧泉寺(目黒不動尊)へのアクセス
- 東急目黒線:不動前駅より徒歩12分
- JR山手線:目黒駅より徒歩20分
- 公式サイト:https://megurofudo.jp/
- J目黒不動尊LOVE:https://megurofudo.love/
瀧泉寺(目黒不動尊)の主な行事・お祭り
- 1月:開山忌(慈覚大師忌)、干支まつり
- 2月:豆まき式、涅槃會
- 3月:刷毛・筆供養會、春季彼岸會
- 4月:花まつり、大施餓鬼會
- 6月:山家會
- 7月:盂蘭盆會
- 9月:秋季彼岸會
- 10月:甘藷まつり
- 11月:霜月會
- 12月:成道會、星曼荼羅ご開帳
- 毎月28日:目黒不動尊大縁日
- 毎月8・18・28日:ご縁日護摩
瀧泉寺(目黒不動尊)近くのおすすめ神社・寺
| 五百羅漢寺 | 近代的な外観のお寺。十数年かけ作り上げた仏像彫刻を拝観できる、仏様のミュージアム。 |
|---|---|
| 海福寺 | 目黒区の指定文化財である赤い山門の四脚門は、宇和島藩伊達家から寄進されたものです。 |
| 成就院(蛸薬師) | 御本尊が3匹の蛸にささえられる蓮華座に乗る薬師如来像。天台宗の寺院。 |
瀧泉寺(目黒不動尊)近くのおすすめグルメ
| らかん茶屋 | 五百羅漢寺併設(拝観料不要)のお茶屋さん。食事と甘味を提供しています。 |
|---|






