西口にひろがる高層ビル街に建つ、新宿ワシントンホテルの敷地に鎮座する新宿韋駄天尊。
赤地に白抜きで「韋駄天尊」と書かれた幟が目印です。
新宿韋駄天尊は、東京都あきる野市にある稲足神社(いなたりじんじゃ)が管理されている飛び地境内。
境内には、商売繁盛の神様を祀る蛯子稲荷大明神、私財を投じて稲足神社(東京都あきる野市)の遷座に尽力した野村専太郎ご夫妻の石像もあります。
また、絵馬やおみくじも置かれており、お守りは新宿ワシントンホテル地下にある「カフェ・ラフィーネ」にて授与されています。

目次
・ご祭神・ご利益
・歴史
・お堂
・蛯子稲荷大明神
・野村専太郎・ます夫妻像
・御朱印・お守り・おみくじ
・アクセス
・近くにある神社・寺
新宿韋駄天尊のご祭神・ご利益
ご祭神は、古代インド神話の神であり、仏教においては南方増長天八大将軍の一官として三十二将の主位になる韋駄天尊(いだてんそん)。
インドの伝説では、釈迦牟尼世尊の入滅後に仏舎利を奪った捷疾鬼(しようしつき)を、韋駄天尊が驚異的な脚力で追いかけ、雲を踏み、霧を破って瞬時に追いつき奪還したとあります。
このことから、足の速い様を「韋駄天の如し」といい、韋駄天走りと呼ばれるようになりました。
そのご利益は健脚健康。
守護神または戦神として祀られ、勝負事の神もしくは足の神として尊崇を集め、特に腰から足先にかけての疾患へのご利益があると言われています。
また、寺院においては修行僧の世話を司る神様として寺院の厨房に祀られ、インドにおいては生後間もない子供の病魔を退ける守り神としても崇敬されています。
例祭は11月8日で、稲足神社が斎行しています。
新宿韋駄天尊の歴史
上州館林の城主・秋元但馬守礼朝公の守護神かつ戦神として、当初は江戸浅草に祭祀されていましたが、1871年(明治4年)に秋元但馬守礼朝公の下屋敷がある現在地に遷座されました。
参詣する人が増えたため、1919年(大正8年)に仏堂として独立するも、空襲により破壊。
戦後に現在の板碑が復元されました。
周辺環境が整備される中、 現在の堂宇が建てられ今に至ります。

新宿韋駄天尊のお堂
新宿韋駄天尊のお堂は、ホテルのエントランス向かって右側。
敷地の端に建っています。

人が1人、2人入ったらぎゅうぎゅうになりそうなほどコンパクトなお堂には、ご本尊である韋駄天の姿が線刻された板碑が。


線香を立てる香炉、おりん。
さらには塩や水、両脇に榊。
仏式と神式が一緒くたになっているのは、管理されているのが稲足神社だからでしょうか。
ちなみに、韋駄天尊のご真言は「オン イダテイタ モコテイタ ソワカ」です。

韋駄天尊のご利益から、賽銭箱には願掛けでつるされた靴が。

お堂の左側には、当初の本尊であった木彫像の写真。
右側には熊手が飾られていました。


新宿韋駄天尊の蛯子稲荷大明神
新宿韋駄天尊のお堂向かって右側には、蛯子稲荷大明神(うばこいなりだいみょうじん)の社。
商売繁盛のご利益がある神様として、韋駄天尊と一緒に遷座されました。
例祭日は2月の二の午です。


新宿韋駄天尊の野村専太郎・ます夫妻像
お堂向かって左側には、実業家で元衆議院議員だった野村専太郎・ます夫妻像。
稲足神社の建立遷座にあたりあきる野の地を寄進された方でもあります。
稲足神社にも野村専太郎・ます夫妻像がありますが、こちらの方が先に作られています。

新宿韋駄天尊の御朱印・お守り・おみくじ
新宿韋駄天尊の授与品は、新宿ワシントンホテル地階「カフェ・ラフィーネ」にて頒布されていますが、問い合わせなどは稲足神社(あきる野市)になります。
取り扱っているのは御守り、絵馬のみ。
御朱印は取り扱っていないそうです(2025年11月問い合わせ確認済み)。

お堂にはおみくじと、新宿韋駄天尊の御神紋入り絵馬が。
おみくじ掛け・絵馬掛けは蛯子稲荷大明神のところに用意されています。




新宿韋駄天尊の詳細
新宿韋駄天尊へのアクセス
- 各線:新宿駅より徒歩8分
- 都営大江戸線:都庁前駅より徒歩11分
- 新宿韋駄天尊公式サイト:https://www.inatari.or.jp/idaten/index.html
- 稲足神社公式サイト:https://www.inatari.or.jp/inatari/index.html
新宿韋駄天尊近くのおすすめ神社・寺
| 銀世界稲荷神社 | 大名屋敷に咲いていた梅の花から命名。春先には参道を梅が彩ります。 |
|---|---|
| 十二社熊野神社 | 新宿高層ビル群のすぐ傍、新宿中央公園の一角にある神社。 |
| 出雲大社分祀(新宿) | 新宿住友ビルの入口に鎮座。大国主命と龍蛇神を祀り、向かいには恋弁天があります。 |
| 平田神社 | ビルの1階にあり、本殿の中に境内社がいくつかあります。平田篤胤を祀っています。 |






