増上寺の安国殿の近くにある、観音様が祀られているお堂とたくさん並ぶお地蔵様。
お堂には子育て・安産のご利益があると信仰されている西向聖観世音菩薩(読み方はにしむきせいかんぜおんぼさつ)が祀られており、その視線の先には千躰子育地蔵尊(せんたいこそだてじぞうそん)。
毛糸の帽子や前掛け、そして手に風車を持つ千躰子育地蔵尊がズラリと並ぶ光景は圧巻です。
鎌倉時代の執権・北条時頼公が建てたとされる、増上寺が移ってくる前から鎮座していた観音像さまです。
目次
・西向観世音菩薩堂の歴史
・境内
・千躰子育地蔵尊
・御朱印
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
西向観世音菩薩堂の歴史
西向観世音菩薩堂は、鎌倉時代の執権・北条時頼公が諸国視察の際、観音山(現:東京タワー)に立てた辻堂。
この辺りが霊所であり、憩いの場であったことから、街道に向けて石製の観音像を安置したのが始まりです。
この観音像には不思議な言い伝えが残されており、どの方向に向けても一夜のうちに西に向いてしまうそうです。
そのことから「西向観音」と呼ばれることになったとか。
増上寺がこの地に移ってくる前からすでに鎮座されていました。
1975年(昭和50)年の浄土宗開宗八百年記念の境内整備事業にて、現在の安国殿前に遷座。
1980年(昭和55年)年に観音堂が建てられました。
また、江戸三十三観音霊場第二十一番札所。
例年4月に大法要、7月に盆踊りが斎行されています。
西向観世音菩薩堂の境内
境内入り口には「西向観音」と書かれた石柱。
筆は明治の落語家・橘右近。
入ってすぐ右手に西向観世音菩薩堂。
西向観世音菩薩は鎌倉街道(現六本木方面)に向けて安置されており、聖観音像は子育て開運のご利益があると信仰されています。
ちなみに、ご本尊阿弥陀如来は東向き。
堂宇横には石仏や手水鉢が。

増上寺の千躰子育地蔵尊
子育てや安産などのご利益があるといわれる西向観世音菩薩にちなみ、子や孫の健康と成長を願って、また水子さまの供養の為、1975年(昭和50年)より増上寺のひまわり講が中心となって奉安されているお地蔵様。
裏側には奉納者の名前があります。
お地蔵さまは子どもの守護者で、特に生きて生まれてこられなかったり、幼くして亡くなったりした子どもたちの魂を守っているとされています。
お地蔵様が身に着けている頭巾と前掛け、頭を守り寒さをしのぐ為のもの。
風車はお地蔵様の加護に感謝するためのもの。
これらには阿弥陀仏の守護を表す赤色が使われています。
西向観世音菩薩堂の御朱印
江戸三十三観音霊場の御朱印があり、安国殿にて授与。
御朱印には、江戸三十三観音第二十一番と印が押されています。
増上寺の詳細
増上寺へのアクセス
- 都営地下鉄三田線:御成門駅より徒歩3分
- 都営地下鉄三田線:芝公園より徒歩3分
- 都営地下鉄浅草線・大江戸線:大門駅より徒歩5分
- 東京メトロ日比谷線:神谷町駅より徒歩10分
- 公式サイト:https://www.zojoji.or.jp/
増上寺の主な行事・イベント
- 1月:正月初祈願、正五九黒本尊祈願会他
- 2月:節分追儺式、円山稲荷祈願会、涅槃会他
- 3月:春彼岸
- 4月:御忌大会、潅仏会(花まつり)、ふれあいフェア、地蔵尊大法要
- 5月:景徳祭、正五九黒本尊祈願会
- 7月:増上寺七夕まつり、地蔵尊盆踊り他
- 8月:はさみ供養、広島・長崎原爆殉難者追悼会、平和祈願会他
- 9月:正五九黒本尊祈願会、秋彼岸
- 10月:静寛院和宮奉讃法要、みなと区民祭り、璽書道場
- 11月:五重相伝会、授戒会、十夜法要、七五三ご祈願
- 12月:伝宗伝戒道場、成道会、仏名会、お身拭い式、除夜鐘
増上寺近くのおすすめ神社・寺
芝東照宮 | 四大東照宮の一つ。ご神木は徳川家光お手植えのイチョウ。 |
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宝珠院 | 増上寺の塔頭。徳川家康公の念持仏の弁財天と閻魔大王も安置されています。 |
芝大神宮 | 1000年以上の歴史を持つ由緒ある神社。伊勢神宮からの分霊を祀る「関東のお伊勢様」。 |
蛇塚・如意輪観音堂 | 東京タワーの下、もみじ谷にある金運パワースポット。 |