もともとは屋敷内に祀られていた上野毛稲荷神社(読み方はかみのげいなりじんじゃ)。
神職は常駐しておらず、等々力に鎮座する玉川神社の兼務社です。
例大祭は前日の宵宮から始まり、神輿巡行は本祭りで。
境内には数点の屋台もたち、神楽殿では夕方から奉納演芸がおこなわれます。
大人の宮神輿だけでなく子供神輿・太鼓車も巡行し、宮入りでは多くの人が集まりにぎやかです。
目次
・歴史とご祭神・ご利益
・行き方
・境内
・社殿
・神輿渡御
・御朱印
・アクセス
・近くにある神社・寺
上野毛稲荷神社の歴史とご祭神・ご利益
ご祭神は倉稲魂神(うかのみたまのかみ)。
稲荷神社の総本社である伏見稲荷大社と同じ神様で、五穀豊穣・商売繁盛・家内安全・厄除けなどのご利益があるとされています。
また、境内社に学問の神様である菅原道真公をお祀りする北野神社があることから、学業成就といったご利益も。
上野毛稲荷神社はもともとは、このあたり一帯で栄えていた田中家の屋敷内稲荷。
創建年代や由緒は不詳です。
この辺りでは、上野毛と下野毛(野毛)の村の境界付近にあった六所明神を氏神としていましたが、明治になると別の場所に移動。
村の氏神がなくなってしまったことから、田中家のお稲荷様を新たな上野毛の氏神として迎えることに。
そうして上野毛稲荷神社が創建されました。
上野毛稲荷神社の行き方
最寄駅は、東急大井町線上野毛駅。
ほど近い上野毛通り沿いに鎮座しています。
上野毛稲荷神社の境内
神社の入り口は、上野毛通りの急な稲荷坂の途中。
村人たちが崖の傾斜を切り崩し、平らな土地にしてから神社が建てられました。
鳥居をくぐった両脇には一対の常夜灯。
稲荷社といえば稲荷信仰の神狐像ですが、上野毛稲荷神社では見当たりません。
しかも、手水舎もなし。
神楽殿は鳥居を入って左側にあり、宵宮・本祭りともに夕方からは演芸奉納大会が開催されます。
神輿渡御中は閑散としている境内ですが、神輿が宮入りし、夕方からの演芸奉納大会が始まると人が集まりにぎやかです。
本祭りの最後には世田谷の餅搗唄が歌われ、餅がまかれて終了となります。
上野毛稲荷神社の社殿
1954年(昭和29年)に建てられた社殿は、修繕がしっかりされているのかきれいな状態です。
特徴的な緑の屋根は神明造。
そんなところも、稲荷信仰の神社としては珍しい。
いつもはひっそりと鎮座しているお社ですが、お祭りの日は扉が開けられ、灯りで神々しさが倍増しています。
社殿の脇には、北野神社の石碑「菅公一千年祭再建 北野神社」と、その右側に小さな石の祠があります。
1902年(明治35年)の菅公千年祭記念に際した記念碑です。
小さな祠が、北野神社ということかな?
上野毛稲荷神社例大祭の神輿渡御
1975年(昭和50年)に作られた大人神輿は、台座が二尺三寸(70cm)、唐破風軒屋根の勾欄造り、駒札には上野毛。
神輿渡御は本祭日のみで、年度によって若干コースが変わるようです。
宮出したら覚願寺を皮切りに各御旅所を回りますが、山車・子供神輿は途中で終了します。
途中から大人神輿だけで御旅所を回り、上野毛の商店街から駅前を通り、環八を渡って消防団小屋前まで行き、そして急な稲荷坂を下り宮入(2025年)。
宮入の時のテンションは高く、境内での熱気もなかなか。
普段の静かな神社では考えられない光景です。
神楽殿の前で差し、最後は社殿前で収めて神輿渡御は終了します。
上野毛稲荷神社例大祭の御朱印
境内には社務所がありますが普段は無人。
お正月には社務所が開かれています。
上野毛稲荷神社の御朱印はありますが、その対応は本務社の等々力玉川神社になります。
上野毛稲荷神社の詳細
上野毛稲荷神社へのアクセス
- 東急大井町線:上野毛駅より徒歩4分
上野毛稲荷神社近くのおすすめ神社・寺
中町天祖神社 | 等々力玉川神社が管理。境内社の弁天社には蛇石が奉納されています。 |
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金剛寺 | 玉川八十八ヶ所第三十五番札所。境内には薬師堂もあります。 |