7月下旬に上溝商店街でおこなわれる八坂祭こと上溝夏祭りは、亀ヶ池八幡宮の末社・八坂神社にお祀りされている疫病除けの神様・牛頭天王(須佐之男命/すさのおのみこと)様を祀るためのお祭り。
お神輿や山車が練り歩き、たくさんの露店が並び、近年では30〜40万の人が訪れる神奈川県北でも最大規模の賑わいをみせています。
江戸時代より伝わる伝統的なお祭で、「お天王さま」とも呼ばれる相模原市三大祭の一つでありかながわのまつり五十選の一つでもあります。
日曜日の夕方頃になると神輿と山車が続々と集まり、神輿の渡御と山車の巡行がスタート。
暗くなり始めると、神輿の提灯が灯が燈り幻想的な空間に。
そのなかで繰り広げられる「神輿もみ」は迫力があり、圧倒される光景です。
目次
・八坂祭「上溝夏祭り」とは?
・八坂祭(上溝夏祭り)の歴史
・本宮:17時半頃の様子
・本宮:18時頃の様子
・本宮:18時半頃の様子
・「神輿もみ」と「山の手囃子」
・本宮:19時頃の様子
・溝の七福神
・高嶋易断所のおみくじ
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
亀ヶ池八幡宮の八坂祭「上溝夏祭り」とは?
亀ヶ池八幡宮本殿裏に祭られているお天王さまこと須佐之男命は、江戸時代に京都の八坂神社からお迎えした神様。
八坂神社の御祭神をお祭りする八坂祭(上溝夏祭り)は、「お天王さま」の名で親しまれている江戸時代から続く歴史あるお祭です。
ちなみに、「天王さま」と呼ばれるお祭は全国でも多数あり、大体7月下旬頃に斎行されています。
宵宮と本宮の2日間にわたって斎行され、上溝町内にある20基以上の神輿が練り歩き、上溝の商店街には数百の屋台が建ち並びます。
かつての八坂祭(上溝夏祭り)では、7月27日に宵宮、7月28日に本宮とおこなっていましたが、近年では平日に大規模な祭礼行事をおこなうことが難しくなっているため、現在は7月の第4土日におこなわれています。
また、神事や仏事の後ろ倒しは縁起が良くないとして、最終週末が29・30日にかかる場合はその前週となることもあります。
八坂祭(上溝夏祭り)では、上溝それぞれの地区のお神輿への御霊入れの儀から始まります。
昔は上溝のお神輿の全基が亀ヶ池八幡宮境内に集まり、八坂神社の御祭神・須佐之男命(牛頭天王)様に神輿にお遷りいただいていたのですが、現在の道路事情などから、現在は各神輿の仮宿まで神職が出向いて御霊入れの儀を斎行しています。
お祭りの終了後には、御霊抜きの儀にて須佐之男命(牛頭天王)様におかえりいただきます。
八坂祭(上溝夏祭り)の歴史
現在(2025年)では、上溝16地区内に大人神輿11基・小人神輿5基・山車8台を保有。
各地域に残る記録から、各地域の神輿の中でも最古となるのが1809年(文化6年)の五部会の神輿です。
さらに、1845年(弘化2年)の四ツ谷、1852年(嘉永5年)の石橋、1861年(文久元年)の本町と続きます。
明治に入ると政府の方針から、亀ヶ池八幡宮に神輿が集合するのは神社の祭りになるとされました。
ところが、終戦後にGHQの占領政策により、亀ヶ池八幡宮に神輿が終結しお祓いを受けることが禁止されてしまいます。
そこで、神輿と山車の終結地として、亀ヶ池八幡宮ではなく旧相模原警察署(現在の上溝本町交差点付近)に変更。
以降、上溝商店街を練り歩く現在の形になりました。
本宮:17時半頃の様子
まずは、JR相模線番田駅から14分ほど歩き、上溝夏祭りの元である亀ヶ池八幡宮に参拝。
社務所はすでに締まっており、境内には人の気配はなし。
社殿前の扉も知っていたため、外から参拝させていただきました。
本宮:18時頃の様子
亀ヶ池八幡宮から上溝夏祭り会場に。
JA相模原市上溝支店がある通りから入りました。
西日がまぶしいですが、気温的にはかなり涼しくなってきていました。
宵宮・本宮の両日とも、会場となるてるて通り・まつり通りは通行規制(歩行者天国)となり、道路の両サイドに屋台が並び、大通りを歩く人の中を神輿や山車が練り歩いていました。
とても距離が近い!
神輿の渡御と山車の巡行や式典、上溝商店街主催の演芸ステージ、公民館主催の文化展、鼓笛隊などによるパレードなどがおこなわれてにぎやかです。
本宮:18時半頃の様子
ますます人も多くなり、移動するのが大変な状態に。
神輿や山車が行き交う様子もみられ、多くの人の中を進んでいく様子はなかなかのもの。
上溝夏祭りの「神輿もみ」と「山の手囃子」
上溝夏祭りの最大の見どころといえば「神輿もみ」。
祭典本部前を中心に威勢の良い神輿もみが披露され、その激しさにびっくりです。
神輿の振り方は各地区毎に様々。
オーソドックスな振り方は左右に激しく振るスタイルで、先棒・脇棒の4本全ての担ぎ手全員で威勢よくもむのでかなりの迫力!
その角度も相当です(写真の角度はまだまだ甘いほう)。
もうぐにょんぐょんって感じです。
あれだけ揺らされたら、神様も大喜びではないでしょうか。
見学しているこちらも、「来た甲斐があった!」と、なんだか福をいただいたような気持になります。
また、山車による民俗芸能「山の手囃子」の演技も見どころあり。
「いんば(院番)」「はやし(山手)」「鎌倉」などの演目が、笛・締太鼓・大太鼓・平手鉦・木頭によって演奏。
「いんば」の調べにあわせてひょっとこと岡目が踊り、「はやし」「鎌倉」の音色に獅子と狐が所狭しと舞い、観客の目を楽しませています。
本宮:19時頃の様子
次第に日が落ちてきて、神輿や山車に取り付けられている提灯の明りが周囲を照らし始めました。
なんとも幻想的です。
19時半ごろにJR相模線上溝駅に行くと、ホームでは駅員さんがロープをもって誘導されていました。
上溝夏祭りの終了は20時であることからも、まだ帰宅される人は多くはないとはいえ、ホームの規模からもなかなかの混雑具合でした。
溝の七福神
会場となっているてるて通りのつきじ海賓前には、溝の七福神の大黒天が鎮座。
他、てるて通りには福禄寿。
まつり通りには寿老人、弁財天がいます。
春・秋・冬の年3回、溝の七福神めぐりを開催(土日2日間)。
受付で御朱印台紙を受け取って商店街区域内に設置された7か所の七福神をめぐります。
各所指定の店舗をまわり朱印を集めたら、最後に受付で記念品をいただけるようです。
御朱印台紙は季節ごとに絵柄が異なり、通常台紙と型抜台紙の2種類。
参加費(納経料)500円で、型抜き御朱印台紙は1,000円です(※2025年7月)。
高嶋易断所のおみくじ
まつり通りから、大鷲神社の広場に向かう途中も屋台がびっしり。
その並びに、高嶋易断所のおみくじもありました。
誕生日別にズラリと並ぶ、セルフサービスの運勢直売所。
中には2枚入っており、「あなたの性格」と「地雷予」。
地雷予の方は、普通のおみくじと同じく、希望・結婚・病気・家出人などについてもつらつらと。
訴訟なんて項目も!?
「必要のない項目はスルーしてよいです」と書かれているのがおもしろい。
亀ヶ池八幡宮の詳細
亀ヶ池八幡宮へのアクセス
- JR相模線:上溝駅より徒歩15分
- 亀ヶ池八幡宮公式サイト:https://kamegaike.jp/
- 上溝夏祭り公式サイト:https://kamimizomatsuri.jp/
亀ヶ池八幡宮の主な行事・イベント
- 1月:元旦祭
- 2月:節分祭、初午祭、紀元祭、祈年祭
- 4月:春祭
- 5月:泣き相撲
- 6月:稚児行列、夏越祭
- 7月:八坂祭(上溝夏祭り)
- 8月:慰霊祭
- 9月:例大祭
- 11月:七五三、秋祭、新嘗祭
- 12月:年越除夜祭
- 毎月1・15日:月次祭
亀ヶ池八幡宮近くのおすすめ神社・寺
村富神社 | 京都伏見稲荷から神霊を拝受。御朱印は亀ヶ池八幡宮で。 |
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無量光寺 | 踊り念仏で有名な一遍上人が開いたお寺。10月23日は開山忌法要では「踊り念仏」が披露されます。 |
相模原氷川神社 | ご祭神は素盞嗚尊。境内には狐火の塚や安産祈願のお地蔵さんがあります。 |