主祭神・護良親王を祀る鎌倉宮(読み方はかまくらぐう)は、別名「大塔宮」とも呼ばれています。
護良親王(読み方はもりよししんのう/もりながしんのう)は後醍醐天皇の皇子で、鎌倉幕府倒幕運動に尽力。
足利尊氏との権力闘争に敗れたため、東光寺で自害した悲劇の武将です。
鎌倉宮は、その忠義と遺徳を偲んで創建された神社。
境内には、「身代わりさま」や境内のいたるところに飾られている獅子頭守り、季節折々の風景、種類豊富な御朱印と見どころがいっぱいです。
目次
・ご利益
・鳥居
・手水舎
・厄割石
・社殿
・撫で身代りさま
・有料拝観コース
・御朱印と和歌みくじ
・鎌倉薪能と結婚式
・行き方
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
鎌倉宮のご利益
ご祭神は、護良親王 (もりよししんのう)、北条高時 (ほうじょう たかとき)、足利尊氏 (あしかが たかうじ)。
勝負運、学業成就、家内安全、交通安全、開運厄除のご利益があると言われています。
また、鎌倉宮では木でできた朱色の獅子頭守りが有名。
古来から、厄を食べ幸せを招くと言われています。
護良親王も戦の際には持ち歩いていたと伝えられています。
鎌倉宮の鳥居
島木と貫の白に、笠木の赤が映える大きな鳥居。
鳥居脇には河津桜が植えられており、例年2月頃に見頃を迎えることからも、鎌倉内でも春の訪れを早くに感じられる桜スポットとなっています。
鎌倉宮の手水舎
手水舎には大小さまざまな獅子頭守りが飾られています。
その近くには、亀若丸。
亀若丸の頭を撫でて折鶴(初穂料100円)を持ち帰ると、鶴と亀が揃って健康が成就するそうです。
鎌倉宮の厄割石
手水舎の近くには厄割石があります。
素焼きの小さいお皿「かわらけ」に息を吹きかけて厄をのせ、割りつけます。
簡単に割れそうですが、意外とそうでもない。
この厄割石は鶴岡八幡宮を挟んで反対側、葛原岡神社にもあります。
厄割石の近くには社務所に繋がる源氏門。
この源氏門は二本の門柱に平入り切妻の棟門。
二階堂にあった邸宅の庭園に入る門を移築したものです。
鎌倉宮の社殿
拝殿は白木を用いた妻入りの切妻造。
舞殿も兼ねているため壁がなく、回廊で周囲が囲まれています。
拝殿から本殿にかけては屋根があり、本殿を囲む瑞垣上に菊の御紋の門幕が掛かっている中門が。
本殿は平入りの切妻屋根に風切りを明けた千木(ちぎ)を立て、鰹木(かつおぎ)を五本乗せた神明造。
周囲は棟塀と瑞垣で囲まれ、一般の方は立ち入り禁止となっています。
鎌倉宮の撫で身代りさま
村上社の御祭神・村上彦四郎義光公を模した「撫で身代りさま」は、樹齢100年を越える境内のケヤキから彫られた像です。
村上彦四郎義光公は、護良親王を逃がすために身代わりとなった忠義の勇士。
それにあやあり、体の痛む部分を撫でることで身代わりとなってくれると言われています。
鎌倉宮の有料拝観コース
境内の奥には、森の小道を散策できる神苑があります。
足利尊氏に捕えられた際に幽閉された場所と言われている歴史スポット「土牢」や、宝物殿、神社の奥や本殿の側面までみることができる有料エリアで、その入り口(拝観料受付所)は拝殿を挟んだ村上社の反対側。
ぐるっと本殿の後ろを通って見学できるコースだったようですが、訪れた時は社務所近くにある元出口が入り口に(2024年7月)。
社務所窓口で申し出てから入ります。
拝観料は300円です。
有料エリアの元出口である冠木門の門柱には「明治天皇御座所」。
入ってすぐのところに、昔使われていた授与所と宝物殿。
宝物殿は、鎌倉宮ゆかりの品々が陳列されているだけでなく、陸軍攻撃演習の折に明治天皇が行幸された際の行在所として建てられたという二重に価値のある歴史スポットです。
陳列されている品は、ガラス越しに拝見することができます。
宝物殿の先は小径が通り、石碑などがあります。
小径を進んでいった先には、護良親王が幽閉されていた土牢(二段岩窟)。
その先は立ち入り禁止になっていました。
昔はそちらから回ってきたと思われます。
土牢はとてもじゃないけど人が過ごせるような場所ではなく、当時ここで約9カ月に渡って幽閉されていたとは…なんともひどい時代です。
鎌倉宮の御朱印と和歌みくじ
鎌倉宮には、月替わりの限定御朱印や祭典神事の御朱印など多数のッ御朱印が用意されています。
御朱印を頂く際には、御朱印帳を渡し希望する御朱印の種類を伝えたら番号札が渡されます。
そして、呼び出しはマイクで。
授与される際には、神楽鈴を鳴らしてくれるなどありがたい心使いが。
さらに、職員手作りの和歌と季節の境内写真「栞」も一緒にいただけます。
写真と和歌は宮司さん自らが選出し、社務所内のプリンターを使い印刷。
年間約200回発行しているというこだわりです。
ちなみに、社務所の前にはベンチが用意されており、「鎌倉宮に参拝よ」とか「好きです鎌倉宮」などと書かれたハート形のうちわが。
記念撮影にピッタリ。
宮司様のセンスに脱帽です。
また、社務所の前にある庭園は、新緑や紅葉など四季を通じて美しい風景。
鎌倉市の天然記念物に指定されている、小賀玉(おがたま)の木が植えられています。
その他、御朱印だけでなく「和歌みくじ(初穂料200円)」も鎌倉宮の見どころの一つ。
和歌を趣味とされる宮司さんが考案した神社職員による手作りのおみくじで、後鳥羽天皇の勅により撰進された勅撰和歌集「新古今和歌集」より選出された和歌が記載されています。
隠しみくじ(シークレット)あるなど遊び心も満載。
「和歌はよくわかんないからなぁ」という方も安心の、宮司自作の解説書付き!
吉凶の結果解説がとても丁寧で、解説書には良運と悪運のグラフも。
上大吉から凶までの位置関係が見て取れるとわかりやすいです。
鎌倉宮の鎌倉薪能と結婚式
鎌倉宮の拝殿では10月上旬に、鎌倉の代表的な伝統行事の一つである鎌倉薪能がおこなわれます。
2023年におこなわれた際には、700人以上が来場。
野村萬斎さんが詐欺師を演じた狂言「六地蔵」や能「放下僧」を上演しています。
また、鎌倉宮では神前結婚式にも対応。
拝殿式と本殿式から選べます。
ただ、祭典神事が優先される為いつでも挙式できるわけではなく、仮予約制度、日取りのキープ、挙式無しのフォトウェディングは非対応。
参列でいるゲストの人数は20名以下で、ホテルや挙式会場のようなサービスはないので、新郎新婦二人だけの結婚式「ふたり式」や、ご家族のみでの「家族婚」など、規模は小さいけれども温かな祝福が得られる挙式を希望する方にはぴったりです。
鎌倉宮の行き方
鎌倉宮は荏柄天神社の近くに鎮座しているので、鶴岡八幡宮・白旗神社(西御門)・荏原天神社と参拝して回ってくるのも楽しいです。
また、バスも通っており、JR鎌倉駅から京急バス「鎌倉宮行き」の終点。
目の前です。
ちなみに、「大塔宮(だいとうのみや)」という表記になっているので注意が必要です。
鎌倉宮の詳細
鎌倉宮へのアクセス
- 各線:鎌倉駅より徒歩27分
- 公式サイト:https://www.kamakuraguu.jp/
鎌倉宮の主な行事・お祭り
- 1月:歳旦祭、御神楽始式、元始祭、若菜神事、昭和天皇祭、古札焼納祭、御粥神事、孝明天皇祭
- 2月:節分祭、紀元祭、祈年祭、天長節祭
- 3月:南方祭、建武中興記念祭、春季皇霊祭遥拝式
- 4月:村上祭、神武天皇祭、明治天皇行幸記念祭、昭和祭
- 5月:草鹿神事
- 6月:列格記念祭、凱旋祭、夏越大祓式
- 7月:七夕祭、御鎮座記念祭、護良親王祭、明治天皇祭
- 8月:例祭前夜祭、例大祭、例祭後鎮祭
- 9月:重陽神事、秋季皇霊祭遥拝式
- 10月:神嘗祭遥拝奉祝祭
- 11月:明治節祭、摂社例祭、新嘗祭
- 12月:神札頒布式、地久節祭、煤払式、平成祭、大正天皇祭、年越大祓式、除夜祭
- 毎月1日:月首祭
- 毎月20日:月次祭
鎌倉宮近くのおすすめ神社・寺
荏柄天神社 | 三天神社の一つ。受験合格にまつわる祈祷やお守りが充実しており、かっぱ筆塚・絵筆塚など見どころも。 |
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二階堂亀ケ渕・三寳稲荷 | 永福寺跡がある亀ケ渕の谷戸に古来より鎮座する、竹林に囲まれた小さな神社。 |
瑞泉寺 | 名勝庭園や洞窟がある美しい寺院。ハイキングコースの入り口にもなっています。 |
十二所神社 | 崖に面した場所にある神社。崖をくり抜いた穴に山の神様が祀られています。 |
覚園寺 | 北条義時が建立し、足利氏の庇護も受けた大倉薬師堂があるお寺。仏像や黒地蔵など見どころが多いです。 |
白旗神社(西御門) | 御祭神は源頼朝。頼朝の御墓を守っていた法華堂跡に鎮座。勝運のパワースポットです。 |
杉本寺 | 長い階段がある鎌倉最古の寺。苔のある階段や山門と長い歴史が感じられます。 |
報国寺 | 竹林で有名な古寺。足利一族のお墓、枯山水の庭園や抹茶がいただける茶室があります。 |
宝戒寺 | 御本尊は子育て経読み延命地蔵。別名「萩の寺」と呼ばれる花の名所です。 |