世田谷区奥沢エリアのパワースポットこと奥澤神社(読み方はおくさわじんじゃ)で、江戸時代中頃から続く伝統的な神事であり、東京都指定無形民俗文化財(風俗慣習)になっている「大蛇お練り(だいじゃおねり)」が斎行されました。
お祭りの主役である大蛇さまは、毎年新しく手作りされており、前年の大蛇さまは鳥居にクルリと巻かれます。
この伝統的な大蛇の交代では厄除けと開運を祈念されており、単なるお祭りではなく、1年を通じて大蛇が人々を見守り続けている大事な祭事となっています。
目次
・奥澤神社の大蛇お練りとは?
・大蛇お練り斎行前の様子
・斎行前の大蛇さま
・厄除け大蛇御輿&子供大蛇御輿
・大蛇お練りの様子
・御朱印・大蛇の絵馬
・アクセス
・近くにある神社・寺
奥澤神社の大蛇お練りとは?
大蛇お練りの始まりは、江戸時代の中頃。
奥沢にて疫病が流行し多くの村人が病に倒れた時に、村の名主の夢枕に八幡大神が現れ、「藁で作った大蛇を村人が担ぎ村内を巡行させるとよい」とのお告げがあったことによります。
お告げの通りにしたところ、たちまち疫病が沈静化。
この奇跡的な出来事から、厄除けと開運を祈念し、奥澤神社の例大祭では大蛇お練りがおこなわれるようになり、鳥居には厄除けの大蛇が飾られることとなったのです。
例大祭の開催は、例年では9月の第2土曜日。
大蛇お練りは午前中に奥沢エリア周辺を回ります。
大蛇は奥澤神社を出発して緑が丘方面に向かい、奥沢から九品仏方面へと練り歩きます。
途中、各町会の神酒所を回りながら、各睦に引き継がれていきます。
翌日には神輿渡御として、6つの神輿連合による奥澤睦連合宮入りがおこなわれます。
ちなみに、大蛇お練りは1939年(昭和14年)から1957年(昭和32年)まで中断されていた時期がありました。
その理由は、木製の鳥居から現在の石製に変わったから。
「(石で作られた鳥居だから)大蛇さまのお腹が冷えてしまう」というのがその理由だったのですから、なんともかわいらしい!
地域の方にとって大切な存在であることがわかるエピソードです。
大蛇お練り斎行前の様子
奥澤神社へのアクセスは、最寄り駅である東急目黒線奥沢駅より徒歩2分。
自由が丘や九品仏にも近い場所です。
大通りには「大蛇お練り」と書かれた旗が並んでいました。
大蛇お練りが始まるまで、境内は担ぎ手の氏子さんや神職さん、そして見学に来られた方でいっぱい。
氏子さんの半被には、さぎ草のシルエットや「大蛇神輿」の文字がデザインされていてかっこいい!
ハレの日ならではの昂った士気が感じられ、見ているこちらもワクワクしてしまいます。
神楽殿ではお囃子が流れ、大蛇さまが出る前にと参拝に訪れていました。
鳥居の前と弁財天社前に屋台が出店。
とはいえ、まだ時間的も準備段階でした。
斎行前の大蛇
お祭りの主役である大蛇は全長約10メートル、重さ150キログラム。
毎年新しい藁を使って手作りされています。
大きく開かれた社殿には、お練りを待つ大蛇様がくつろいで(!?)いらっしゃいました。
その愛嬌のあるお顔がかわいい。
お練り前に参拝し、社殿に安置されている大蛇さまを撮影されている方が多くみられました(私もその一人)。
奥澤神社の厄除け大蛇御輿&子供大蛇御輿
厄除け大蛇御輿&子供大蛇御輿は、奥沢大蛇通りのビルの1階部分に安置されていました。
大蛇は「ジャ」と呼ばれており、祭礼の1週間前に宮司や氏子さんたちが制作。
一緒に、大神輿と子ども神輿にからませる小型の蛇も作られます。
伝承された技法で顔を藁で編み、別に作った目玉をはめ込み、細縄で作った髭をセットしているのだとか。
大蛇お練りの様子
出発は午前10時頃。
宮入は12時半頃です。
氏子さんたちが社殿に入り大蛇様をかついで出て、大蛇さまのお顔を社殿に向けます。


神楽殿でお囃子が奏でられるなか、氏子さんたちお練り団は神職からお祓いを受け、先頭に神職、1対の提灯、大蛇、1対の提灯の並びで歩き始めました。

まずは境内の御神木を一回りし、表参道の鳥居から東にのびる奥沢大蛇通りに。

お神酒所に立ち寄った後、定められた順路を通りながら、いくつか設けられたお神酒所を巡り、九品仏の浄真寺まで練り歩きます。
十数人の担ぎ手が「わっしょい!わっしょい!」と威勢よく掛け声をかけながら、時には道幅いっぱいに蛇行させ、厄除開運を願って練り歩く姿は圧巻です。
安全に遂行されるように、警察の方も車を誘導したりと大忙し。
車が普通に走る通りでは、通行止めはしていないようでした。
大蛇さまが通る道には、見守るご近所の方、遠方からの参拝者と多数の人の姿がみられました。
お練りを終えた大蛇さまは1年間拝殿に安置。
翌年の例大祭前に鳥居のしめ縄として巻き付けられ、新しく作られた大蛇さまが再び町内を練り歩きます。

ちなみに、お練りの最中、ご利益があるとされている「厄除けの藁」を配られています。
是非ともゲットしたい藁です。
奥澤神社の御朱印・大蛇の絵馬
御朱印は書置き。
大蛇お練りが始まる前にいただきましたが、例大祭の限定御朱印などはありませんでした。
ちなみに、お正月と例大祭の日のみ限定で授与している絵馬があります。
絵馬に土で作られたザンバラ髪の大蛇の頭がついている「大蛇の絵馬」。
そのご利益は一家和楽・心体健全・招福開運です。
奥澤神社の詳細
奥澤神社へのアクセス
- 東急目黒線:奥沢駅より徒歩3分
奥澤神社近くのおすすめ神社・寺
自由が丘熊野神社 | 赤い鳥居が印象的な、静かな庭園にある伝統的な神社。 |
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谷畑弁財天 | 住宅街に鎮座する水の神様。小さな神社ですが境内に池があります。 |
九品仏浄真寺 | 阿弥陀如来仏や釈迦如来仏、閻魔大王など多数の仏像がある広い寺院。秋には紅葉が美しいです。 |