カエル男の最後!中山 七里「連続殺人鬼カエル男 完結編」

中山 七里さんのカエル男シリーズが遂に完結!
すべての因縁に決着がつく「連続殺人鬼カエル男 完結編」です。

ちなみに、カエル男シリーズは三部作ではなく四部作。
嗤う淑女シリーズ「嗤う淑女 二人」が三冊目に入るのだとか(知らんかった!)。

心神喪失者の行為は罰しない旨を定めた刑法第39条をテーマに、刑事の渡瀬と古手川がカエル男を追う今作。
殺され方が半端なくグロいです。

作中には、法医学ミステリー「ヒポクラテスの誓い」シリーズの光崎教授やキャシー、真琴さんも登場するだけでなく、リーガル・サスペンス「御子柴礼司(みこしば れいじ)」シリーズの極悪弁護士も登場と、中山 七里ワールド全開です。

中山 七里「連続殺人鬼カエル男 完結編」



目次
・あらすじ
・簡単ネタバレ
・感想
 

「連続殺人鬼カエル男 完結編」のあらすじ

凄惨な殺害方法と、稚拙な犯行声明文で世間を震撼させたカエル男連続猟奇連続殺人事件。
事件のキーマンである有働さゆりは、逮捕され医療刑務所に収監されるも脱走し行方知れずになります。

そして起こる連続殺人。

第1の被害者である烏森弁護士は、精神疾患を理由に被告を無罪にし名を上げた人権派弁護士。
トラックの荷台に括り付けられ、生きながら時速100キロで走る深夜の高速道路で引きずり殺されます。

第2の被害者である木嶋弁護士は、烏森弁護士と同じく心神喪失などを理由に殺人犯を無罪放免にした弁護士。
廃業した元ホテル内に括り付けられ、生きながらカラスにつつかれて死亡。
発見時にはほぼほぼ原形ナシ。

遺体のそばに稚拙な犯行声明文が残されていたことから、捜査一課の渡瀬と古手川は有働さゆり(カエル男)の犯行を疑いつつも、模倣犯も視野に入れて捜査を進めます。



 

ところが、第3の被害者(津万井弁護士)はこれまでのルールに当てはまらない殺され方をします。

食品加工工場の70度と高温の食品乾燥機の中に生きたまま入れられ、干からびた状態で発見されました。
まさに人間燻製…。

一人目と二人目は精神疾患を抱える殺人犯を無罪にした人権派弁護士。
ところが三人目は、少年法や刑法第39条による弁護で加害者を無罪・減刑を勝ち取ってきた弁護士と前者の二人と似たり寄ったりな弁護士なのに、ターゲットとしては明らかにルールから外れています。

これまでと異なる動きを見せるカエル男に困惑する渡瀬と小手川。

有働さゆりを弁護する御子柴礼司の協力から、有働さゆりは臨時のピアノ弾きとして横浜に潜伏しており、小さな子供も一緒にいることがわかります。

 

さらに、三つの殺人を犯して現在拘置所暮らしの御前崎教授(有働さゆりの元主治医)宛てに、有働さゆりから手紙が届きます。

「最近、以前の病気が再発しましたが、いいお医者さまが見つからず難儀しています。やっぱり私を一番理解してくれるのは御前崎先生しかいないようです」と書かれていたことから、自分なら3番目の事件の現場を直接みることでその理由がわかるはずだと司法取引をする御前崎教授。

捜査が膠着状態であることからこれを受け入れ、厳重体制で現場に連れていきますが、御前崎教授はクロスボウで射殺されてしまいます。

目撃情報から徐々に包囲網を縮めていきますが、なんと有働さゆりが大胆にも衆人環境の中に姿を現したのでした。

※ここから下はネタバレ(犯人名含む)です。




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「連続殺人鬼カエル男 完結編」の簡単ネタバレ

模倣犯説がチラチラと出てくるものの、犯人は人格が主人格に統合されはじめた有働さゆり。
カエル男であった時の殺人を知り罪の意識に苛まれ、罪を償うために起こした殺人でした。

烏森・木嶋・津万井を恨む被害者遺族に「殺してあげましょうか?」と打診。
殺人を実行し、受け取った報酬で潜伏していました。

カエル男による連続殺人にみせつつあえてルールを破ったのは、「さゆりの精神構造を最も理解している」と思っている御前崎教授を拘置所の外へ誘き出し殺害するため。

偶然保護する形になった男の子との出会いは突発的な出来事でしたが、「何かお返しをしたい」という音の子の言葉を、警察官である古手川が自分を撃ち殺す状態を作り上げるのに利用したのでした。



 

「連続殺人鬼カエル男 完結編」の感想

作中では、人権派弁護士が被害者で、刑法第39条「精神障害などが原因であることからも、法曹界や政治の動きまで事細かに描写されていました。

実際にこんな凄惨な事件があったら、こんな風に国を揺るがす事態になってもおかしくないなぁとも思える内容。

「罪を犯した人の人権も守らなければならない」といった主張が幾たびもでてきましたが、身内を惨殺な方法で殺されたら、同じことが言えるのかとイラッ。

いずれの被害者も殺し方がかなりグロかったですが、もしも自分が被害者の身内だったら「えっ?それくらい当然でしょう」と言いそう。
被害者の身内の一人が「殺してくれたカエル男にはお礼をいいたい」と言っていましたが、その気持ちはわかります。

外野はいろいろときれいごとを言うけれども、大切なものを奪われた身内からしたら「目には目を歯には歯を」のハンムラビ法典がせめてもの慰めになるのではないでしょうか。

 

それにしても、殺害方法のグロさには読む手が震えました。

また、逃亡生活でカエル男の人格に占拠されてもおかしくないのに、有働さゆりの主人格が勝ったのにはびっくり。

捕まる可能性が高いのにピアノを弾いていたのも、有働さゆりの必死の抵抗だったのですね。

御前崎教授を拘置所の外へ誘き出し殺害するための殺人を、無念を抱える人の代わりの復讐代行に置きかえる発想はすごいなと。
言い方は悪いですが、まさに一石二鳥な計画です。



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