熊手だけでなくお祭り定番グルメの屋台も立ち並び、朝から夜までにぎわう大鳥神社の酉の市は、この時期ならではの目黒の風物詩です。
目黒の大鳥神社の酉の市開催時間は、朝8時から夜の22時ごろまで。
商売繁盛、事業繁栄、家内安全、開運招福を願って、多くの人が参拝に訪れ、社殿では太々神楽や熊手の舞、江戸消防記念会の木遣りが奉納されます。
目次
・大鳥神社の酉の市の歴史
・境内の様子
・参拝の様子
・屋台の様子
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
大鳥神社の酉の市の歴史
目黒大鳥神社のご祭神は、日本武尊(やまとたけるのみこと)。
相殿神は、日本の国開きの神様である国常立尊(くにのとこたちのみこと)と、日本武尊の奥様である弟橘媛命(おとたちばなひめのみこと)です。
目黒の酉の市の起源は古く、浅草の酉の市と同じ頃。
江戸時代には始まっていたとされています。
神事で御神前にたてまつるのは、八つ頭の芋と熊手。
「酉の市」は、日本武尊が東征の際に参拝・祈願したことが始まりで、出立した日が「酉の日」です。
「八つ頭」は日本武尊が東征の時に八族の各頭目を平定した御功業を具象化したもの。
「熊手」は日本武尊が焼津で焼討ちに遭われた時、熊手で草を薙ぎ倒したかき集めて火を防ぎ、向火で賊を退けた事からです。
このことから、「頭の芋=八つ頭」は人の頭に立つように出世できる。
「熊手」は家の内に宝を掃き込む(掻き込む)縁起物として信仰されるようになりました。
ちなみに、江戸消防記念会の奉納・参拝祈願は、日本武尊が熊手で火を防いだ火難除けの神様であることことに由来。
江戸消防記念会の木遣りが奉納されます。
また、大鳥神社の社名「おおとり」は「大取」として、宝物を大きく取り込む、すなわち商売繁盛・開運招福の神様としての信仰があります。
大鳥神社の酉の市の境内の様子
大鳥神社は、JR・東急電鉄・東京メトロ・都営地下鉄と多数の電車が停まる目黒駅から、目黒通り沿いにある権之助坂を下り、目黒川を渡り、山手通りと交差する場所に鎮座。
通りには酉の市の開催を知らせる旗、大鳥神社の境内の周りには提灯が掲げられ、屋台も連なりまさにお祭りの雰囲気!
今回、訪れたのは20時前。
境内に入るための長蛇の列ができており、誘導に従って入っていました。
ただ、そんなに待つこともなく、数分で入れました。
境内にはびっしりと熊手屋さんが立ち並び、見上げるほどの高さ。
大きな熊手から小さな熊手まで見事な装飾で、夜の暗闇に灯されてキラキラとまぶしいです。
見ているだけで福がいただけそう。
目黒大鳥神社の酉の市では、熊手の購入者に火打石でお清めをしてから口上と一本締めが行われます。
境内に威勢の良い声が響き渡り、見ているこちらもワクワクしちゃいます。
大鳥神社の酉の市の参拝の様子
参拝では6列ほどになり、順次お参り。
拝殿の両サイドには、御神前にて祈願をして神社のおふだをつけた「開運熊手守り」を授与するテントが。
さらに、古い熊手のお焚き上げ受付所も。
こちらにも、昨年に拝受した熊手を返す人が途切れずに訪れており、熊手が山積み状態でした。
もちろん、普段の授与所も開いており、御朱印では酉の市限定の御朱印も。
その近くの目黒稲荷神社へは立ち入りができないようにされていて、参拝はできませんでした。
社殿は参道よりも一段高い場所にあるので、ちょうど熊手の露店が並ぶ様子が上から眺められました。
たくさんの人でぎゅうぎゅう。
そして、いつもはその存在をしっかりと主張している狛犬が熊手に埋もれている…。
大鳥神社の酉の市の屋台
境内だけでなく、目黒通り沿いにもたくさん屋台が出店。
境内も通りも人と屋台でぎゅうぎゅうなので、脱出(!?)するのも容易ではありません。
所狭しと立ち並ぶ屋台には、たこ焼き、お好み焼き、じゃがバターなどのお祭り定番グルメの他、伝統の切山椒も。
切山椒は、無病息災を願いお正月などにも食べられてきた餅菓子。
しん粉餅・砂糖・山椒を煎った粉を混ぜ、細長い拍子木形に切りそろえてつくられており、甘さの中にピリリとした刺激があるお菓子です。
また、山椒は体の中の厄除けをしてくれるとも信仰されており、魔よけになる色(白、桃色、緑、紫、茶色)に色付けされているのが特徴です。
大鳥神社の詳細
大鳥神社へのアクセス
- 各線:目黒駅西口より徒歩7分
- 公式サイト:https://www.ootorijinja.or.jp/
大鳥神社の主な行事・お祭り
- 5月:目黒稲荷神社例大
- 9月:例大祭
- 11月:七五三詣、酉の市
大鳥神社近くのおすすめ神社・寺
大圓寺 | 行人坂の途中にある寺院。たくさんの仏像群、七福神と見ごたえあり。 |
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蟠龍寺 | 浄土宗の寺院。奥まったところにひっそりとあり、本堂右手奥の岩窟内には山手七福神の弁天様がいます。 |
海福寺 | 目黒区の指定文化財である赤い山門の四脚門は、宇和島藩伊達家から寄進されたものです。 |
五百羅漢寺 | 近代的な外観のお寺。十数年かけ作り上げた仏像彫刻を拝観できる、仏様のミュージアム。 |
泰叡山護國院瀧泉寺(目黒不動尊) | 目黒不動として有名な天台宗寺院。水かけ不動明王や、お堂の後ろも忘れずに参拝したいところ。 |
瀧泉寺三福堂 | 目黒不動尊の境内の近く、元祖山手七福神の恵比須様や大黒天、弁財天を合わせて祀るお堂。 |