相模川の近く、須賀の地に鎮座する長楽寺(読み方はちょうらくじ)は、高野山真言宗・総本山金剛峯寺の末寺です。
ご本尊・薬師瑠璃光如来や日光・月光菩薩をはじめとする仏像、両部大曼荼羅や十二天図など、歴史的・美術的にも価値ある文化遺産を奉安しており、境内には石仏や庚申塔などがあり。
また、平塚七福神の寿老人を祀っています。
目次
・歴史と本尊・ご利益
・楼門
・本堂
・石仏・石碑
・永代供養墓「三界萬霊」
・寿老尊と護摩堂
・御朱印
・駐車場
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
・近くのおすすめグルメ
長楽寺の歴史と本尊・ご利益
山号は海詠山。
宗派は高野山真言宗。
相模薬師霊場の11番です。
ご本尊は薬師瑠璃光如来。
その脇侍には日光・月光菩薩をはじめ数々の仏像を奉安しています。
「新編相模国風土記稿」では、高野山真言宗の開祖・空海が関東を巡錫していた頃、819年(弘仁10年)に須賀の地に滞在し造船・航海・医療などを伝承したことが、この地で創建されるきっかけとなっています。
鎌倉時代になると、空海が滞在した霊地として、開山の祖である僧・鎮海が草庵「海詠庵」を立てて居住。
さらに1216(建保3年)に僧・朝秀が一宇を中興し庵号を「海詠山」にします。
その後、十三ヶ寺の末寺を配し三島神社の別当も務めるなど、高野山の直末寺として栄えますが戦争で本堂も塔堂伽藍もほぼすベてを焼失。
2012年(平成24年)に新本堂などの伽藍が再興され今に至ります。
長楽寺の楼門
長楽寺の最寄り駅はJR線平塚駅。
徒歩の行き方だと県道沿いに歩いていけばいいとわかりやすいのですが、15分程とちょっと距離があります。
ただ、途中には同じ平塚七福神の平塚三嶋神社と善性寺もあるので、こちらの寺院も一緒に参拝可能。
なので、行は徒歩で帰りはバスを利用するのもおすすめです。
楼門は、県道から小道を入ったところにあります。
2023年(令和5年)に新築された山門には、高さ3m、重さ300kgほどある四天王像が安置され、東西南北を見つめています。
足元には邪鬼。
表情が豊かです。
長楽寺の本堂
2008年(平成20年)に本山・高野山より新住職を招聘し、同時に平成の大復興事業として、新本堂「金堂」、寺務所や集会所の「金剛閣」、住職の住居となる「庫裡」の建設が進められ、2012(平成24年)に完成。
伝統的な寺院建築の技法と最新の設計思想による総桧造り・八間角造りの新本堂「金堂」は、金色に輝く美しさから名づけられました。
堂内には薬師瑠璃光如来像をはじめ、日光月光菩薩、原色の十二神将など真言密教の教えを説く仏像が安置されています。
長楽寺の石仏・石碑
楼門を入って右側には、供養塔や庚申塔、大日如来像等の石仏、六字名号塔、1646年(正保3年)の宝篋印塔など、多数の石仏や石碑が保存されています。
特に、十七世紀の造塔と推定されている庚申塔は、神奈川県の有形民俗文化財に指定されており、光背型塔で刻像は四臂青面金剛と二猿。
青面金剛の四臂は右上手に剣、右下手に宝棒、左上手に三叉戟、左下手に索を持ち、頭には三股冠とともに怒髪様の様相をしています。
左右の二猿は両膝を立てて正面を向いて座り、右猿は手を膝の上におき、左猿は膝上で手を結んでいます。
長楽寺の永代供養墓「三界萬霊」
永代供養墓「三界萬霊」には六地蔵がお祀りされています。
ちなみに「三界」とは、生まれかわり死にかわりするこの世界のことで、欲界(食欲、性欲、睡眠欲などの欲望の世界)・色界(欲望が無い世界)・無色界(形のあるものからはなれた世界)の3つの世界のこと。
欲界・色界・無色界すべてを指すのが「萬霊」です。
八角形の台座には、六道(地獄道、畜生道、餓鬼道、修羅道、人間道、天道)それぞれにおいて救済をしてくれる地蔵菩薩(六地蔵)が線刻。
地獄道を救う檀陀(だんだ)地蔵、餓鬼道を救う宝珠地蔵、畜生道を救う宝印地蔵、修羅道を救う持地地蔵、人間道を救う除蓋障(じょがいしょう)地蔵、天道を救う日光地蔵です。
長楽寺の寿老尊と護摩堂
平塚の七福神めぐり「湘南ひらつか七福神」の一寺として、無病息災・子孫繁栄・家業繁昌・交通安全・心願成就などのご利益を授ける寿老尊を祀っています。
また、湘南ひらつか七福神では、各境内(五ヶ所)に秋の七草を植栽・育成。
長楽寺の秋の七草はオミナエシ(花期は8~10月)です。
寿老尊の斜め後方には、護摩祈祷がおこなわれている護摩堂。
長楽寺の御朱印
御朱印は寺務所「金剛閣」でいただけます。
この金剛閣の屋根には、どんな願いもかない、欲しいと思っている宝物を作り出すといわれている宝珠が。
御朱印では、「湘南薬師」と書かれた第十一番札所の御朱印と、平塚七福神の寿老人の御朱印とあり。
また、湘南ひらつか七夕まつりが開催される時期には七夕御朱印を配布。
御朱印には、湘南スターモール商店街のイメージキャラクター「湘南ひこまるくん」と「ひらつかナナ姫ちゃん」があしらわれています。
その他、平塚七福神の色紙へのスタンプもあります。
長楽寺の駐車場
駐車場は県道側から入ることができます。
長楽寺の詳細
長楽寺へのアクセス
- JR各線:平塚駅南口より徒歩15分
- 公式サイト:https://www.kaieizan-mudouin-chourakuji.jp/
長楽寺の主な行事・イベント
- 1月:七草会(初薬師)、初大師護摩供養
- 3月:春季彼岸会、弘法大師御影供
- 8月:施餓鬼供養、盂蘭盆会
- 9月:秋季彼岸会
長楽寺近くのおすすめ神社・寺
平塚三嶋神社 | 湘南ひらつか七福神めぐりの一社。えびす神像の鯛を撫でて福を! |
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海宝寺 | 相模新西国三十三観音霊場。阿弥陀三尊など多数の石仏があります。 |
善性寺 | 平塚七福神の福禄寿がいる別名「湯呑寺」。本堂ステンドグラスの扉は必見。 |
乗蓮寺 | 御本尊は十一面観世音菩薩。相模新西国三十三観音霊場の第17番です。 |
長楽寺近くのグルメ
湘南スープカレー海月kurage | たっぷり野菜とオリジナルスパイスのスープカレー。辛さやスープ、ライスの量が選べます。 |
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