謎解きショートドラマも配信!角谷進之介「0番ホームの掲示板」

謎解きクリエイター・角谷進之介さんの「0番ホームの掲示板」は、日常に潜む「異常」をテーマにした小説。

TikTokやInstagram、YouTubeなどSNSでは、桐谷健太初主演ショートドラマとして配信されています。

また、東急線を舞台にした周遊型謎解きイベント「0番ホームの掲示板 ―異常調査にご協力ください―」も開催(2026年10月2日〜2027年3月31日まで)されている、ホラー&謎解き&ミステリーのメディアミックスプロジェクトの原作小説です。

自身の身にまつわる異常に悩む少年・稲城怜と自称占い師の湯神が、神守駅の0番ホーム掲示板に貼られた奇妙な「異常」の解決に挑む連作短編です。

角谷進之介「0番ホームの掲示板」



目次
・登場人物
・あらすじ
・簡単ネタバレ
・感想
 

「0番ホームの掲示板」の登場人物

登場人物は以下↓

稲城怜…物に宿る感情などが霞の色と濃さでみえる高校生
湯神恭一郎…自称占い師。異常な研究をするため、0番ホームにある掲示板の借主。
花澄なづは‥ギャル風の駅員。
牧野…怜とは小学生の時から知っている仲。

各回の最後には報告書という形で、怪異の詳細が書かれています。

 

「0番ホームの掲示板」のあらすじ

感情がこもった物の存在がわかる目に悩んでいた稲城怜は、「まともじゃない悩み事は、神守駅の0番ホームに相談しろ」という噂に一縷の望みをかけて訪れたところ、常軌を逸した「異常」な悩みや依頼がびっしりと貼られた掲示板を見つけます。

そこで「異常」の研究をしている湯神恭一郎という怪しげな占い師と出会い、不可解な依頼の調査に同行することになります。

連れていかれたのは、とあるマンションの壁に「27と4」と削られ、消しても再び現れるという怪異が起こる場所。

落書きが現れる部屋に住んでいる依頼者・周防恵太(小学生)と恵太の母親に話から、少し前にマンションの5階に住む阪東由紀子が飛び降り自殺をしたことを聞き、その事が関係していると推測。
「異常」を解き明かしていきます。

その帰り道、怜は湯神から「私なら君の眼について力になれるかもしれない」と、「異常」を調べる協力を求められます。
怜は1ヶ月以内と期限を定めたうえで、湯神に協力、行動を共にすることにしたのでした。

 

次の依頼は、怜と同じ学校の葉山秋子から。

肝試しに行ったグループのメンバーが体調不良で次々と学校を休み、次は自分の番かもしれないと不安になり相談。
ところが、会う前に倒れてしまいます。

肝試しに参加した生徒4名の机の中から、肝試しの場所から取ってきたと思われるお札を発見。

湯神は、そのお札による呪いと推測し、呪いが発動する条件に注目。
もう一人のお札の持ち主である牧野も突き止め、無事にお札の呪いから解放したのでした。



 

後日、牧野から、人が突然消えた目撃談や神主が行方不明になり廃墟になっている飛駒山神社、通称「人喰い神社」へのお誘いを受けた怜。
湯神も合流し、神社の「異常」を調査・解決します。

次の「異常」は、掲示板に「異世界の野樽牟駅に行く、明日までにこの紙が剥がされてなかったら助けに来てほしい」と書かれた依頼。

特殊な手順で湯神と怜が行き、そこに閉じ込められていた依頼者を救出するのですが、なんと、その救助者は行方不明になった富士崎を探して迷い込んだとのこと。
そこで3人は、富士崎が行方不明になっているのを知ります。

 

富士崎が行方不明になって3日後。

湯神・なづは・怜・牧野の4人は、富士崎がよく見ていたサイト「最強スポット大百科」を調べ、そこ富士崎のアカウントと思われるアカウント「ふーにゃん」をみつけます。

書き込みからY教団集会所に行ったと推測。
ここからもさほど遠くない音見会館であることもわかり、さっそく訪れてみると、荒れた室内に魔法陣などの残骸が残るのみで、富士崎の姿も痕跡もなし。

その日の夜。
怜の携帯に、黒い影に追われていると、恐怖におびえる牧野から電話がかかってきます。

慌てて牧野のもとに駆け付ける怜ですが、そこで衝撃的な告白を聞くのでした。

※ここから下はネタバレ(犯人名含む)です。



 

「0番ホームの掲示板」の簡単ネタバレ

本作は、「幽霊」「四枚のお札」「人喰い神社」「野樽牟駅」「影の魔物」と異常にまつわる連作短編。

1話目「幽霊」の壁の落書きは、飛び降り自殺した阪東由紀子による仕業。
本当のメッセージは「(逆さまの)返して」。

実は母親と阪東由紀子の夫が不倫関係にあり、それに絶望したことによる自殺。

最後の嫌がらせとして、わざわざ周防家のテラスの上を自殺場所に。
そして、夫が不倫していなかった頃に贈られたブローチを身に付けて飛び降りました。

発見した周防はその事に気が付き、腹いせとして遺体からブローチを盗んでいたのでした。

 

始まりとなる「幽霊」以外の異常は、すべてある人物が陰で糸を引いているもの。

実行犯は牧野。
自分をいじめる富士崎への仕返しでした。

そして、牧野に異常の情報を与えて密かに誘導した黒幕が、存在そのものが異常である滑野と名乗る男性。
お札のお話で、怜が教室に向かう際に廊下で話した教師です。

牧野と富士崎はもともと仲良しだったのですが、怜が企画したタイムボックスに、富士塚からのプレゼントを入れたことに激怒。
その時からずっと牧野をいじめていたのでした。

そこで牧野は、「最強スポット大百科」を利用して富士崎を消すことに。
サイトを見ていたのも、コメントを書いたのも、お札屋敷に誘導したのも、富士崎ではなく牧野。

ちなみに、人喰い神社に誘ったのは、せっかく呪いをかけたのに解いた怜が邪魔だったため。



 

牧野はお札を利用して富士崎に呪いを発動させたものの、怜と湯神によって失敗。
回復した富士崎にもお札の事がバレてしまい、後日、集会所に呼び出されますが、そこで富士崎を仮死状態にします。

その後、富士崎が付き合っていた井上先生に声を掛けられ、「気持ち悪い」という理由から嘘の情報を教えて野樽牟駅送り出します。

さらに、何者かに狙われているようにみせかけて怜をおびき出し、鏡の中に閉じ込めますが、湯神のサポートから、小学生の頃に埋めたタイムカプセルと人喰い神社に置かれていた箱を利用して脱出します。

 

最後、湯神が最初に約束した「(怜の)悩みを取り除いてあげる」も解決。

さらに、実は湯神も「異常」であることが判明します。
詳細については隠されたままですが、自分の「異常」を解決するため他の「異常」を調べているようです。

存在そのものが異常となる滑野から、「(湯神が)異常を追求するのは、なぜそうなってしまったのかを知るためだ」と指摘されています。

 

「0番ホームの掲示板」の感想

全体的に読みやすく、そこまで怖くない。
ソフトなホラー作品といった感じでした。

また、謎解きも楽しめましたし、伏線の回収の巧み。
図やイメージ写真もはいっているのでわかりやすい。

 

そして、続きがあるのかなと思う終わり方。

配信されているショートドラマでは、本作に掲載されていないお話もみられますから、それらのお話も書籍化するのかな?

湯神が何を隠しているのか…続編に期待です。



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