阿弥陀三尊を祀り、徳川秀忠・徳川家光から篤い信仰を得ていた源覚寺(読み方はげんかくじ)。
正式名は「浄土宗 常光山 源覚寺」で、2024年(令和6年)に開山400年を迎えました。
特に眼病平癒にご利益があるといわれるこんにゃく閻魔は、そのスピリチュアルな由来からも有名。
閻魔堂にはたくさんの蒟蒻が奉納されており、縁日やほおずき市などでは多くの人でにぎわいます。
さらに、身体健全にご利益がある塩地蔵や小石川七福神の一つ毘沙門天が祀られるパワースポットです。
目次
・歴史とご本尊・ご利益
・こんにゃく閻魔とは?
・御百度石
・本堂
・閻魔堂
・塩地蔵
・毘沙門天堂
・汎太平洋の鐘
・御朱印・お守り
・小石川七福神
・ほおずき市
・駐車場
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
源覚寺の歴史とご本尊・ご利益
ご本尊は、阿弥陀三尊(阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩)。
その他、こんにゃく閻魔、塩地蔵、毘沙門天を祀るお堂があり、屋内墓苑・小石川墓陵には薬師如来と千手観音をお祀りしております。
源覚寺の創建は1624年(寛永元年)。
定誉随波上人(後の増上寺第18世)によって開山されました。
1657年(明暦3年)の明暦の火事、1762年(宝暦12年)のお薬園火事、1774年(安永3年)の戸崎町火事など数回の火災にあい、特に1848年(天保15年)の富坂火事では本堂などがほとんど焼失してしまいましたが、こんにゃくえんま像や本尊は無事。
現在の本堂は1979年(昭和54年)に再建。
同敷地内には屋内墓苑「小石川墓陵」もあります。
源覚寺のこんにゃく閻魔とは?
源覚寺のご本尊は阿弥陀三尊ですが、「こんにゃく閻魔」で有名。
なにせ、夏目漱石の「こころ」や「吾輩は猫である」、樋口一葉の「にごりえ」などの文学作品、落語の噺にも登場しているほどです。
閻魔大王とは、亡くなった人の生前の罪業を裁断する冥界の十王の一人。
源覚寺の閻魔大王は、右目部分が割れて黄色く濁っているのが特徴で、さらに本堂にはたくさんのこんにゃくがお供えされています。
その由来は、ある老婆の言い伝えによります。
宝暦年代の頃、眼病を患った老婆が閻魔大王に21日間の祈願を行ったところ、夢の中に大王が現れ「願掛けの満願成就の暁には、私の両目の内、ひとつを貴方に差し上げよう」と告げます。
そして満願の日。
老婆の目は完治し、閻魔大王の右目は盲目に。
老婆は感謝のしるしとして好物のこんにゃくを断ち、閻魔大王に供えつづけたそうです。
この話から、源覚寺の閻魔大王は「こんにゃく閻魔」と呼ばれるようになり、眼病治癒のご利益がある閻魔さまとして、老婆に倣いこんにゃくを奉納するようになったそうです。
こんにゃく閻魔像が祀られている閻魔堂の賽銭箱の左側には、こんにゃくえんま様の写真が飾られ、その前には参拝者が持参したお供えの蒟蒻が山積みになっています。
ちなみに、こんにゃくは境内では販売していないようなので、参拝前に近くのスーパーやコンビニで購入していくのがおすすめです。
また、閻魔さまのご縁日は毎月1日と16日。
特に地獄の釜開きとなる1月16日と7月16日は、休みなく働く地獄の鬼たちの休日であることから「亡者の骨休め」とも呼ばれています。
源覚寺の御百度石
最寄り駅は、東京メトロ南北線後楽園駅8番出口と、都営三田線春日駅A5出口。
どちらも徒歩2分とアクセスが良いところにあります。
山門をはいってすぐ左側にあるのが御百度石。
願いをかなえてもらうために100回お参りをするお百度参りでは、御百度石と本堂の間を100回往復します。
その際、御百度石の前にある小さな石を使って数えるのだとか。
源覚寺の本堂
本堂はお札所の裏側に。
中尊に浄土宗のご本尊である阿弥陀如来、左に阿弥陀如来の慈悲をあらわす化身である観音菩薩、右に知恵をあらわす化身である勢至菩薩が安置されています(阿弥陀三尊)。

源覚寺の閻魔堂
鮮やかな朱色の閻魔堂には、閻魔大王像が安置されています。
閻魔大王像の像高は約1m、ヒノキ材の寄木造りの木造坐像(文京区指定有形文化財)。
鎌倉時代の作と考えられており、その製作者は運慶派仏師。
お堂の扉はほぼ毎日御開帳されているので、こんにゃく閻魔像の姿をいつでもみることができますが、悪天候の日はお堂の扉が閉められていることもあるようです。
閻魔堂の前にはとても凝っているデザインの高炉があり、賽銭箱には大きな「め」の文字。
その両サイドに控える白い狛犬は唐獅子でしょうか?
源覚寺の塩地蔵
閻魔堂向かって右側には、元のお姿が分からない塩地蔵。
お地蔵さまの体に塩をつけてお祈りすると、塩をつけたのと同じ部分の病気が治ると信仰されている2体で1組のお地蔵さまで、特に歯痛にご利益があるのだとか。
また、「塩」が欠かせないお相撲さんもお参りに来られているそうです。
塩地蔵参拝用の塩は寺務所に用意されています(初穂料100円※2025年)。

さらに、目を引くのが塩地蔵近くにある木!
木肌の一部がボコボコっとなっていて…なんとも不思議な光景です。
源覚寺の毘沙門天堂
閻魔堂の右奥に建っている毘沙門天堂には、小石川七福神の一柱である毘沙門天が祀られています。
仏教世界の守護神である毘沙門天は、各方角を護っている四天王の1神。
北の守護神です。
開運・金運・商売繁盛・合格祈願などのご利益があるといわれています。
源覚寺の汎太平洋の鐘
1690年(元禄3年)、徳川綱吉の時代に鋳造。
サイパンの南洋寺に送られ、戦時中に行方不明になりますが、アメリカのテキサスで発見されたことで再び源覚寺に戻ってきた平和のシンボル「凡太平洋の鐘」です。
表面には弾痕跡や擦り傷がたくさんあります。
そして、釣り鐘の近くには南洋群島物故者慰霊の菩薩像。
その菩薩像の足元にはたくさんの貝殻が置かれています。
源覚寺の御朱印・お守り
御朱印は、参道途中にある寺務所でいただけます。
こんにゃく閻魔と毘沙門天の通常御朱印の他、特別御朱印(こんにゃく閻魔と黒地蔵)、切り絵御朱印、小石川七福神の色紙があります。
また、7月のほおずき市では、数量限定のほおずき市限定御朱印も頒布しています。
御朱印帳は白・朱・黒の三色。
表紙に閻魔様の刺繍が施されています。
お守りでは、閻魔様の御像が入っている厄除け・眼病平癒・身代わりのえんま御守や毘沙門天の勝ち守、紫檀の数珠玉で作られた梵天御守、般若心経御守、交通安全御守、ペット愛護御守など多数あり。
また、諸願成就には木札・千手観音御守・ほおずき御守のセット、必勝祈願には毘沙門天御守・毘沙門天絵馬・仕事御守・木札のセットなどもあります。
ちなみに、御朱印(一部)とお守りは寺務所だけでなくネット通販でも授与されています。
源覚寺の小石川七福神
小石川七福神は、1995年(平成7年)から始まった七福神巡り。
小石川七福神公認のスタンプがあります。
小石川七福神の寺院・神社は以下↓
恵比寿…深光寺
弁財天…徳雲寺、極楽水
寿老人…宗慶寺
布袋尊…真珠院
大黒天…福聚院
毘沙門天…源覚寺
福禄寿…東京ドーム
源覚寺のほおずき市
7月に開催されるほおずき市は、徳川家ゆかりの傳通院で開催される朝顔市と同日開催される催しです。
朝顔・ほおずきの鉢植え販売や伝統芸能のパフォーマンス、珍しい変化朝顔の展示、朝顔の花合わせ会(品評会)、模擬店や物産展などの屋台も出店。
多くに人が参拝し賑わいます。
源覚寺の駐車場
閻魔堂の裏側には駐車場があります。
源覚寺の詳細
源覚寺へのアクセス
- 東京メトロ南北線:後楽園駅8番出口より徒歩2分
- 都営三田線:春日駅A5出口より徒歩2分
- 公式サイト:https://www.genkakuji.or.jp/
源覚寺の主な行事・お祭り
- 1月:閻魔例大祭
- 5月:施飢餓法要
- 7月:閻魔例大祭、ほおづき市
- 8月:平和祈念
- 12月:除夜の鐘の集い
源覚寺近くのおすすめ神社・寺
慈眼院 澤蔵司稲荷 | 傳通院で仏教を学んだお狐様が祀られている霊場。 |
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月参堂 善光寺 | 月に一度のお参りを推奨する月参堂。徳川家康公の母君ゆかりのお寺です。 |
傳通院 | 徳川家康公の生母・於大の方の菩提寺。有名人のお墓が多数あります。 |
牛天神北野神社 | 御祭神は菅原道真公。授乳している狛犬さんがいます。 |
法眞寺(法真寺) | 東大の赤門近くに鎮座。本堂のステンドグラスが美しい、樋口一葉ゆかりのお寺です。 |
櫻木神社 | 主祭神は菅原道真公。太田道灌が江戸城内で創建し、湯島、本郷と移り今に至ります。 |