明月院(読み方はめいげついん)境内にある開山堂(かいさんどう/かいざんどう)は、もとは禅興寺の隆盛期に建立した宗猷堂(そうゆうどう)。
堂内には中興開山・密室守厳禅師の木像、最明寺・禅興寺歴代住持の位牌が祀られています。
また、開山堂の左側は鎌倉最大規模と言われるやぐら(羅漢洞)があり、その近くには巨石に生えるモミジ。
明月院のスピリチュアルなパワースポットでもあります。
目次
・お地蔵さん(子地蔵・花想い地蔵)
・開山堂
・明月院やぐら(羅漢洞)
・瓶の井(つるべの井)
・山内首藤俊通公の墓
・絵馬堂と巨石
・アクセス
・明月院境内詳細
・近くにある神社・寺
開山堂のお地蔵さん(子地蔵・花想い地蔵)
開山堂は本堂「方丈」向かって左側、六地蔵近くの小径の先にあります。
途中には、かわいらしい衣装を羽織った7体の子地蔵。
そして、開山堂の前には、開山堂と向き合うように安置されている花想い地蔵。
常に季節の花を抱えており、アクセサリーを身につけているのも珍しいお地蔵さんです。
お地蔵さんの横の看板には素敵な文言が。
「人は誰しも、はなかい花の想い出の中に生きています。
大切な人との別れ、いとおしい物との別れ、そんな時 ふと目に止まった花がどんなにか心を慰めてくれたことでしょうか。
いつくしみ深き花地蔵」
明月院の開山堂
開山堂(宗猷堂)は、宝珠をのせた趣のある茅葺屋根。
堂内には明月院開山・蜜室守厳禅師の木像と歴代の住職の位牌が祀られています。
ちなみに、密室守厳は建長寺開山・蘭溪道隆(大覚禅師)の5代目の法孫です。
開山堂の明月院やぐら(羅漢洞)
開山堂を囲む明月院やぐらは、間口約7m・奥行き6m・高さ3mの大きさを誇る鎌倉最大規模といわれるやぐらで、羅漢洞(らかんあな)とも呼ばれています。
明治のはじめに発生した山崩れで発見されました。
室町幕府鎌倉公方第2代・足利氏満に仕えた関東管領の上杉憲方の墓と伝わっており、壁面に釈迦如来と多宝如来像、基壇上部には十六羅漢像が浮き彫りにされています。
中央には中興開基の上杉憲方を供養する宝篋印塔、その前には禅宗様式の香炉を表す石造物。
内部は立入禁止ですが、少し離れた場所からその様子をみることはできます。
このやぐらは、1160年(永暦元年)の平治の乱に敗れ戦死した山内俊道を供養するため、その子・経俊が造ったと伝えられています。
その数百年後に、上杉憲方が生前、自らの墓塔をやぐらの中に建立したとも言われています。
開山堂の瓶の井(つるべの井)
開山堂の右側、宝物庫の隣には「瓶の井(つるべの井)」と呼ばれる井戸。
岩盤を垂直に掘り抜いて造られた井戸で、中程が水瓶のように膨らんでいることから名づけられました。
江戸時代に良質な水が湧いていたと伝えらえる鎌倉十井の一つで、庭園にまく水などとして現在でも使用されているそうです。
開山堂の山内首藤俊通公の墓
瓶の井(つるべの井)隣の小さなお堂は、山ノ内を拓いた山内首藤俊通公の墓です。
説明書きによると、江戸時代後期に長州藩家老山内縫殿廣通が俊通公の埋葬地を探し当て墓石を建立。
明治時代の大規模都市開発で旅館吉水園(現在のウエスティン都ホテル京都)の敷地に改葬され、さらに2023年(令和5年)に現在地に改葬されました。
絵馬堂と巨石
中庭園に続く道には、巨石と絵馬堂。
巨石に根が落ち、土も水もない石に根を張り成長したモミジの木!
まさに自然のスピリチュアルなパワーを感じます。
絵馬堂内には仏像が安置されています。
明月院の詳細
明月院へのアクセス
- JR線:北鎌倉駅より徒歩9分
明月院境内詳細
本堂(悟りの窓) | アジサイ寺と呼ばれる臨済宗禅寺。紅葉シーズンの「悟りの窓」も人気。 |
---|---|
本堂後庭園 | 「悟りの窓」の奥にある庭園。紫陽花・花菖蒲・紅葉シーズンは混雑。別途拝観料が必要です。 |
竹林庭園 | 瞑想的な雰囲気がある小規模な竹林。 |
北条時頼廟 | 鎌倉幕府第五代執権・北条時頼の廟所。 |
明月院近くのおすすめ神社・寺
建長寺 | けんちん汁発祥のお寺。広い敷地内には多くの塔頭寺院と半僧坊大権現があります。 |
---|---|
半僧坊 | 建長寺の最奥にある、半僧坊大権現を祀る建長寺の鎮守。ハイキングコースにつながっています。 |
圓應寺(円応寺) | 鎌倉十三佛第5番札所の閻魔大王を本尊とするお寺。十王や奪衣婆、詫言地蔵も。 |
長寿寺 | 紅葉の名所。庭園からの眺めも最高です。拝観は期間限定。 |
浄智寺 | 鎌倉五山の一つ。鐘楼門に続く苔むした参道の石段や境内はフォトジェニック。 |
東慶寺 | 尼僧や女性の駆け込み寺として有名な仏教寺院。縁切寺とも呼ばれています。 |
円覚寺 | 鎌倉五山の由緒ある禅寺。山門や国宝の梵鐘、庭園、舎利殿と見どころ多数あり。 |