不忍池辯天堂(読み方はしのばずのいけべんてんどう)は、東京都台東区にある天台宗別格大本山の寺院・寛永寺(読み方はかんえいじ)の開山・慈眼大師天海大僧正が建立したお堂。
正式名称は「東叡山 寛永寺 不忍池辯天堂」で、寛永寺に含まれるお堂となります。
ご祭神の辯才天様は、江戸最古の七福神とされている谷中七福神の一つ。
お正月限定で「谷中七福神めぐり」がおこなわれています。
また、境内には谷中七福神とは別に「大黒天(だいこくてん)」さまがお祀りされており、豊臣秀吉公が大切にしていたという伝説があります。
目次
・ご祭神とご利益
・歴史
・参道
・塚
・宇賀神王
・本堂
・大黒天堂
・御朱印やお守り
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
不忍池辯天堂のご祭神とご利益
ご本尊さまは、音楽と芸能の守り神である辯才天様。
年に1回、9月の「巳成金(みなるかね)大祭」でご開帳されています。
「辯財天」と書かれることから金運上昇といったご利益があると信仰されており、音楽と芸能の守り神であることから学業や芸術を良い方向に向かわせ、縁をくれる(縁結び)とも言われています。
不忍池辯天堂の歴史
不忍池辯天堂は寛永寺に属するお寺。
寛永寺は徳川将軍家の菩提寺だったお寺です。
現在の上の公園の全てが境内だっというのですが、幕末の上野戦争でほとんど焼失しています。
不忍池辯天堂を創建したのは、天台宗東叡山寛永寺の開山・慈眼大師天海大僧正。
「見立て」にから設計。
天然の池であった不忍池を琵琶湖、聖天が祀られた小さな島を竹生島、島を大きく造成することで竹生島の「宝厳寺(ほうごんじ)」に見立てて不忍池辯天堂を建立されました。
当初は船で参拝していたのですが、参拝者が増える様子から橋をかけて通れるように。
ところが、1945年(昭和20年)の東京大空襲で焼失。
1958年(昭和33年)に復興しました。
不忍池辯天堂の参道
不忍池辯天堂の手前まで、参道の両サイドにズラリと並ぶ屋台。
飲食できるようにテーブルとイスも用意されています。
不忍池辯天堂で屋台が出没しない時期はあるのかは不明ですが、少なくても私が参拝するときは必ずある見慣れた光景です。
不忍池辯天堂の塚
不忍之池弁天堂の周りには、鳥塚・魚塚・フグ塚・スッポン塚・包丁塚・眼鏡塚など、身近な品へのユニークな供養塚がズラリと並んでいます。
一つ一つ見て回るのも楽しい。
不忍池辯天堂の手水舎の龍
手水舎には、弁財天を祀るところによく見かける、波紋と三つの鱗紋が刻まれています。
そして天井に龍。
見落としがちなところなので、参拝の際には是非見ていただきたい。
不忍池辯天堂の宇賀神王
お堂の前には、ご祭神の八臂大辯才天(はっぴだいべんざいてん)の頭上にも鎮座している人頭蛇身の神様・宇賀神(うがじん)様が。
頭は髭男性、体はどぐろを巻いた蛇姿となかなか迫力あるお姿。
昔からあるようにも思えるのですが、2018年の秋からと意外と近年でした。
ご利益は招福・蓄財・開運です。
不忍池辯天堂の本堂
緑の屋根と赤い柱、白い壁と遠くからもわかる八角形の本堂。
なぜ八角形なのかというと、「どこからでもお参りができるように」という事なのだとか。
見上げれば、1966年(昭和41)に奉納された天井絵「金龍」。
迫力があります。
お堂向かって左側には、不忍池にそった休憩所が。
左側は上野恩賜公園ボート場に繋がっています。
不忍池辯天堂の大黒天堂
1945年の東京大空襲で焼失してしまいますが、1968年に再建。
豊臣秀吉公が大切にしていたという伝説がある大黒天様を祀っており、毎月の縁日法要では護摩が修され、普段は閉まっているお堂の扉が開かれます。
大黒天は福を授ける神・福を招く神であり、家門繁栄や富貴をもたらすといったご利益が信仰されています。
ちなみに、谷中七福神とは別です。
お堂の前にはお線香が置かれており、「香の十得」についての説明書きがありました。
不忍池辯天堂の御朱印やお守り
御朱印やお守り本殿の中にある授与所にていただけます。
御朱印には通常版と限定版が。
巳の日限定の御朱印では、かわいい蛇の印が押されます。
また、不忍池弁天堂は東京都台東区・荒川区・北区の7寺院に祀られている谷中七福神の一つでもあることから、正月期間にそれ専用のがあります。
普段、拝受できるお守りには弁天堂大提灯守、夢叶うお守、開運天龍守、梵字守、美し守り、愛のおまもり、えんむすび守、開運守り、福お守り、夢感想得・融通守、開運・天音守り、金運龍昇守、招福鈴、角大師守りなど、他にも多数あり。
お賽銭箱にすぐ近くに置かれているのが「融通守銭守」。
この融通銭を護持していると、お金に不自由しないと言い伝えられています。
初穂料は100円と手軽ですが、できれば毎月の交換が望ましいと、近隣に住んでいないとなかなか厳しいお守りです。
お守りでも巳の日限定で拝受できるものがあり、「巳金運御守(初穂料1,000円)」や祈祷された「塩守」が。
さらに、巳成金大祭限定のお守りの袋小判や福財布、小判肌守などもあります。
不忍池辯天堂の詳細
不忍池辯天堂へのアクセス
- 京成本線:京成上野駅より徒歩2分
- 各線:上野駅より徒歩5分
- 公式サイト:https://bentendo.kaneiji.jp/#gsc.tab=0
不忍池辯天堂の主な行事・お祭り
- 5月:影向会
- 9月:巳成金
- 11月:登天会
- 毎月初巳の日:ご縁日法要
不忍池辯天堂近くのおすすめ神社・寺
寛永寺 | 江戸城の鬼門に建立された寺院で、「東の比叡山」とも称されています。 |
---|---|
上野東照宮 | 徳川家康公(東照大権現)をまつる神社。拝観料を納めるとお狸様にも参拝できます。 |
五條天神社 | 梅の花をモチーフにした手水舎があります。境内社には花園稲荷神社。 |
清水観音堂 | 京都・清水寺を模した舞台造りのお堂。浮世絵にも描かれている松の輪からは不忍池が見えます。 |
上野大佛 | 「これ以上は落ちない」から受験生に人気。上野大仏とパコダ薬師堂と祀っています。 |