高層オフィスビルと一体化し鎮座する、虎ノ門 金刀比羅宮(読み方はとらのもん ことひらぐう)。
場所柄、ビジネスマンやOLなど働く人に人気がある神社で、出勤前や退社時間、昼休みなどに賑わっているザ・都市型神社です。
金毘羅信仰から「虎ノ門のこんぴらさま」と呼ばれ親しまれています。
その御神紋は、開運はもちろんのこと仕事運と金運アップのご利益があると言われている丸金。
境内のいたる所にみられます。
また、四神が飾られた江戸時代の銅鳥居、江戸時代から続く良縁祈願など、江戸時代から篤い信仰が続く都会のスピリチュアルなパワースポットです。
目次
・ご祭神・ご利益
・歴史
・参道
・銅鳥居
・社殿
・喜代住稲荷神社
・結神社
・御朱印・お守り・おみくじ
・アクセス
・主な行事・お祭り
・近くにある神社・寺
虎ノ門 金刀比羅宮のご祭神・ご利益
ご祭神は、「天神地祗八百万神の中で運をつかさどる神である」とされる金刀比羅大神。
大物主神(おおものぬしのかみ)でもあります。
そのご利益は、海上守護・大漁満足・五穀豊穣・殖産興業・招福除災など。
ご神紋の丸金からも、金の気に満ちたスピリチュアルなパワースポットとしても有名で、金運や仕事運を豊かに繁栄させると言われています。
また、相殿に崇徳上皇を祀ることから、縁切りのご利益も。
保元の乱に敗れて讃岐に流された崇徳上皇が、未練を断ち切るために金刀比羅宮(香川県)に籠ったに由来しています。
崇徳上皇が崩御された後、妃の阿波内侍が崇徳上皇を弔うために建立した安井金比羅宮は、日本一の縁切り神社として有名です。
虎ノ門 金刀比羅宮は、オフィス街の真ん中にあることからも、人間関係だけでなく仕事関係の縁切り、さらにはお酒との縁切りのご利益が強いと言われています。
本殿で縁切りを祈願して悪縁を断ったら、境内の結神社で良縁祈願をすると良さそうです。
虎ノ門 金刀比羅宮の歴史
1660年(万治3年)、讃岐国丸亀藩主の京極高和が、藩領内の象頭山に鎮座する金刀比羅宮(本宮)の御分霊を、藩邸があった芝・三田の地に勧請したのがはじまりです。
1679年(延宝7年)になると、現在の虎ノ門(江戸城の裏鬼門にあたる)に遷座。
毎月10日には扉を開き、一般市民の参拝を許可していました。
当初は金毘羅大権現と称されていましたが、1869年(明治2年)の神仏分離のにより事比羅神社に変更。
1889年(明治22年)には、金刀比羅宮に社号を改称し現在に至ります。
虎ノ門 金刀比羅宮の参道
最寄り駅は東京メトロの銀座線虎ノ門駅。
2a出口より徒歩1分とアクセスしやすい、高層ビルが立ち並ぶオフィス街の一角に鎮座しています。
桜田通り(国道1号線)を虎ノ門ヒルズ駅方向に少し歩けば、大きな鳥居が突如として現れます。
高層オフィスビル・虎ノ門琴平タワーと一体化した境内は大きく開放的。
参道も整備されており、まさにスタイリッシュという言葉がぴったりな境内です。
参道の右手に手水舎と神楽殿。
神楽殿では、毎月10日に里神楽が奉納されています(1日5回、天候・祭事で実施しない月もあり)。
参道の先には、西鳥居ともう一つ手水舎。
虎ノ門 金刀比羅宮の銅鳥居
二の鳥居には、1821年(文政4年)に、芝周辺の商人・職人などから奉納された明神型鳥居(港区指定有形文化財・建造物)。
「金刀比羅大神」の扁額に、島木背面には金比羅参りでおなじみの「金」の文字紋が三つ。
鼻に逆輪造りの金物が飾られています。
そして、左右の柱には四方の守護神の彫刻。
東は青龍、西は白虎、南は朱雀、北は玄武が守る霊鳥霊獣です。
この銅鳥居は二代目・歌川広重の浮世絵にも描かれています。
銅鳥居の近くには百度石。
正面に「百度石」、背面には「大願成就」の銘。
心願が叶えられたお礼に建てられたものです。
虎ノ門 金刀比羅宮の社殿
戦災により焼失し、1951年(昭和26年)に拝殿と幣殿を。
1983年(昭和58年)に本殿を再建。
総尾州檜造り、銅板葺きの権現造り(東京都選定歴史的建造物)。
本殿は拝殿・幣殿とは違い鉄筋コンクリート造です。

社殿向かって左側、奥にあるのは参集殿。
虎ノ門 金刀比羅宮の喜代住稲荷神社
本殿向って右側にある二つの小さなお社の一つ。
手前に鎮座するのが、金運の神様を祀る喜代住稲荷神社(きよすみいなりじんじゃ)です。
虎ノ門 金刀比羅宮の結神社
結神社(むすびじんじゃ)は、喜代住稲荷神社の左隣に鎮座。
その縁起は定かではありませんが、昔から良縁のご利益があるとして女性を中心に厚い信仰を集めています。
江戸の頃は、結神社の前で自分の黒髪の一部切り取り、もしくは折り紙を持参し、社殿の格子や周りの木々にそれらを結わい付けていました。
お参りだけでなく、体の一部や心を込めた品物を神様に奉納する事で、その真心を形に表し良縁を願っていたそうです。
また、「縁を結ぶ」と「物を結ぶ」に通じるとされていたとも考えられています。
現在ではこうしたことはおこなわれていませんが、代わりに縁結びのお守りと良縁祈願紐が一緒になった「良縁祈願セット」を授与し、良縁祈願をできるようにしています。

虎ノ門 金刀比羅宮の御朱印・お守り・おみくじ
授与品は虎ノ門琴平タワー1Fに設置された授与所にていただけます。
御朱印には、丸金の表紋に天狗の持つ葉団扇の紋。
「虎ノ門の金刀比羅宮には天狗座す」に由来する陰紋です。
また、銅鳥居と歌川広重の「江戸名勝図会」のオリジナル御朱印帳2種類と、桜柄・パステルピンク色の御朱印帳とあります。
白錦御守や肌守、仕事御守、縁結御守、安産御守、病気平癒御守、交通守護御守などさまざまなお守りが用意されています。
なかでも人気なのが、縁結びのお守りと良縁祈願紐が一緒になった「良縁祈願セット」。
本殿向って右側にある結神社(むすびじんじゃ)にておこなう伝統的祈願です。
また、お正月から初こんぴら(現在は1月末までかな?)の期間中は、古来より虎ノ門こんぴら様の縁起のよい御神符「福銭開運のお守り」を授与しています。
お守りに添えてある福銭は、財宝の表象、こんぴら様の種銭とされており、福銭のついた頭をその年の恵方に向けて天井に貼り付けます。
虎ノ門 金刀比羅宮の詳細
虎ノ門 金刀比羅宮へのアクセス
- 東京メトロ銀座線:虎ノ門駅2a出口より徒歩1分
- 東京メトロ日比谷線:虎ノ門ヒルズ駅A2a・b出口より徒歩5分
- 東京メトロ丸ノ内線・千代田線:霞ケ関駅A13番出口より徒歩5分
- 公式サイト:http://www.kotohira.or.jp/
虎ノ門 金刀比羅宮の主な行事・お祭り
- 1月:歳旦祭、初こんぴら祭
- 2月:節分 追儺祭、紀元祭、祈年祭、喜代住稲荷神社(末社)大祭、天長祭
- 6月:夏越大祓式・道饗祭
- 10月:大祭
- 11月:新嘗祭
- 12月:年越大祓式・鎮火祭・除夜祭
- 毎月1日:朔日祭
- 毎月9日:九日祭
- 毎月10日:十日祭(月次祭)
- 毎月20日:二十日祭
虎ノ門 金刀比羅宮近くのおすすめ神社・寺
愛宕神社 | 自然災害から町を守るため、防火の神様を祀る神社。長く続く出世の石階段が有名です。 |
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萬年山 青松寺 | 曹洞宗江戸三カ寺の一つ。綺麗に手入れされた庭園や建物が並ぶ都会のオアシス。 |
烏森神社 | 癌封じお守りで有名。願い札・願い玉もついている心願色みくじも人気です。 |
山王日枝神社 | 江戸三大祭の一つである山王祭が行われる神社であり、東京十社の一つ。 |