本郷通りに面したところにある南谷寺(読み方はなんこくじ)は、江戸五色不動尊の1つである目赤不動尊を祀る天台宗の寺院です。
正式名称は「大聖山 東朝院 南谷寺」。
また、関東三十六不動霊場十三番札所でもあります。
本堂には檀家さんしか入れませんが、不動堂の参拝は誰でも可。
最寄駅からアクセスしやすく、不動堂には護摩木が用意されているので、参拝と一緒に祈願してみるのもおすすめです。
目次
・歴史とご本尊・ご利益
・江戸五色不動尊とは?
・本堂
・不動堂
・アクセス
・近くにある神社・寺
南谷寺の歴史とご本尊・ご利益
山号は大聖山。
院号は東朝院
南谷寺本堂に祀られているご本尊は阿弥陀如来。
不動堂に祀られているご本尊は不動明王です。
その創建は、1615年(元和年間)頃。
開基は、比叡山南谷の出身の万行律師。
不動明王を信奉していた万行律師は、伊勢国赤目山(三重県)で修行していた際、天から一寸二分ほどの黄金の不動明王像を授かったといわれています。
その後、江戸に赴き駒込村の動坂に庵を開き不動明王像を安置。
近くには将軍家鷹狩りの場があり、三代将軍・徳川家光が立ち寄った際に、「赤目不動」と呼ばれていた不動明王を「目赤不動」と呼ぶようにと命じます。
さらに、現在地を与えられ「大聖山東朝院」に。
1788年(天明8年)に上野の寛永寺の直末寺になり、「南谷寺」の寺号が与えられました。
南谷寺の江戸五色不動尊とは?
江戸五色不動とは、江戸にある目黒・目白・目黄・目青・目赤と呼ばれるお不動様のこと。
目黄は2寺あるので、実際には6ヶ所となります。
この「五色」とは、陰陽五行説における五つの方角(東・南・西・北・中央)のこと。
江戸幕府三代将軍・徳川家光が天海僧正の進言により、天下太平を祈願するため府内から選んだと言われています。
東/目青不動……教学院(世田谷区)
西/目白不動……金乗院(豊島区)
南/目赤不動……南谷寺(文京区)
北/目黒不動……瀧泉寺(目黒区)
中央/目黄不動……永久寺(台東区)
中央/目黄不動……最勝寺(江戸川区)
南谷寺の本堂
最寄り駅は東京メトロ南北線の本駒込駅。
2番出口から徒歩数分とアクセスしやすく、本郷通りを東京メトロ駒込駅方面に歩けば門柱が見えてきます。
門柱の右側には緑の字で「大聖山南谷寺」、左側には赤い字で「目赤不動尊」と刻まれています。
本郷通りに面した門柱から入ると、奥に南谷寺の本堂、手前右側に不動堂。
阿弥陀如来を祀る本堂は、檀家の人だけが入れるようです。
ちなみに、御朱印は本堂と不動堂の間にある納経所でいただけます。
南谷寺の不動堂
不動堂には六地蔵、手水鉢、恵比寿像、大日如来像、百度石が。
宝形造り桟瓦葺きの屋根の本堂は、1983年に再建。
お堂の前には狛犬も鎮座しています。
不動堂は誰でも参拝ができますので、扉が締まっていたら自分で開いてお参りをします。
6畳ぐらいの堂内には、御前立のお不動様の坐像が安置。
その胎内には万行律師が明王から授けられた尊像が納められています。
ご本尊は秘仏で、酉年の元旦と1・5・9月の各28日にだけご開帳されています。
不動堂の扁額の左右にも注目。
堂内には護摩木(100円)が用意されていました。
お金は賽銭箱に入れます。
南谷寺の詳細
南谷寺へのアクセス
- 東京メトロ南北線:本駒込駅2番出口より徒歩3分
- 都営三田線:白山駅A3出口より徒歩9分
南谷寺近くのおすすめ神社・寺
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