長谷寺の境内社・かきがら稲荷は、牡蠣の殻を祀る珍しい神社。
境内には、絵馬代わりの牡蠣の殻が鈴なり状態にぶら下がっており、なんとも目を引く光景です。
人々を豊楽へ導く御祭神として、6月にはかきがら稲荷祭を斎行。
また、長谷寺は漫画「逃げ上手の若君」でも描かれており(第102話)、雫が絵馬を書いていることから聖地巡礼の一つになっています。
目次
・歴史とご祭神
・行き方
・絵馬
・社殿
・アクセス
・主な行事・お祭り
・長谷寺境内案内
・近くにある神社・寺
かきがら稲荷の歴史とご祭神
長谷寺のご本尊である十一面観世音菩薩は、行基によって衆生済度の誓願を込めて海中へ奉じられたものの、15年後に相模国の沖合の海面で発見。
奈良県の長谷寺開基・藤原房前によって鎌倉へと遷座されます。
流れ着いた際には大量の牡蠣が付着しており、ご尊体をお守りするために付着し漂う尊像を導いたとして、人々を豊楽へ導く御祭神「かきがら稲荷大明神」として祀られるようになりました。
かきがら稲荷への行き方
長谷寺境内にあるかきがら神社は、下境内から本堂・観音堂に続く階段を上り、右側にある鐘桜奥に鎮座。
階段を上りきったところには、にっこり笑顔の布袋尊。
「よく来たねぇ~」と言ってくださっているようです。
かきがら稲荷の参道は鐘桜沿いにあり、奥に赤い鳥居と大量の牡蠣殻の絵馬(!?)が見えます。
社殿は鳥居をくぐって右に曲がったところに。
長谷寺の梵鐘は、「文永元年」の銘をもつ歴史ある国の重要文化財。
現在は本堂・観音堂向かって左側にある観音ミュージアムに収蔵・展示されています。
実際に吊るされているのは、1984年(昭和59年)に新鋳されたものです。
毎朝、時間を告げる鐘として。
また、大みそかには除夜の鐘としてその音を響かせています。
ちなみに、除夜会では一般から除夜の鐘を突く方を募集しており、すぐに申込締め切られてしまう人気の行事となっています。
かきがら稲荷の絵馬
鳥居を通った先には蛎殻の絵馬がズラリ。
牡蠣の殻に願いを書くかきがら絵馬は、姿形が珍しいとして人気。
1個300円で願い事を書いて奉納出来ます。
境内には壁のように沢山のかきがら絵馬が飾られています。
この牡蠣の殻はどのように集めているのか…ちょっと気になるところです(笑)。
かきがら稲荷の社殿
社の両サイドにはキリリッとした狛狐様。
向かって左側は稲荷神の霊徳の象徴と言われている玉(宝珠)。
右側は、その御霊を身につけようとする願望を表す鍵を足元にお持ちです。
また、お賽銭入れは蓮のデザインとオシャレ。
社の中には、牡蠣殻としめ縄が巻かれた石が祀られていました。
長谷寺の詳細
長谷寺へのアクセス
- 江ノ電:長谷駅より徒歩5分
- 公式サイト:https://www.hasedera.jp/
長谷寺の主な行事・お祭り
- 1月:万灯祈願会、初観音
- 2月:節分会(追儺会)
- 3月:春季彼岸会
- 4月:灌仏会(花まつり)、かまくら長谷の市(春季)
- 5月:弁財天縁日
- 6月:阿弥陀会、かきがら稲荷大祭
- 7月:観音施餓鬼会
- 8月:四萬六阡日大功徳日
- 9月:秋季彼岸会、大黒天縁日
- 10月:かまくら長谷の市(秋季)
- 11月:写経清浄会
- 12月:観音御足参り・歳の市、奉納餅つき会、除夜会
- 毎月18日:観音会
長谷寺境内案内
本堂(観音堂)・阿弥陀堂 | 長谷寺の中心的お堂。本尊・長谷寺式十一面観音菩薩像が祀られています。 |
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地蔵堂 | 子孫繁栄のご利益をお授けする福徳地蔵他、多数のお地蔵さまが並びます。 |
大黒堂・弁天堂 | 鎌倉・江の島七福神の一つ。出世・開運授け大黒天、さわり大黒天、福徳弁才天が祀られています。 |
弁天窟 | 弘法大師参籠の地と伝わる弁天窟。窟内壁面には弁財天と十六童子、宇賀神が祀られています。 |
観音ミュージアム | 観音菩薩に関する教えを分かりやすく展示しています。 |
眺望散策路 | 由比ヶ浜が一望!あじさいや紅葉シーズンには人気のスポット |
海光庵 | 長谷の街並みや由比ガ浜のパノラマが広がる食事・甘味処。 |
長谷寺近くのおすすめ神社・寺
鎌倉大仏殿高徳院 | 鎌倉大仏(阿弥陀如来坐像)がある鎌倉の人気観光スポット。 |
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光則寺 | 何世紀もの歴史を持つ仏教寺院。美しい庭園と四季折々の木々が美しい境内。 |
甘縄神明宮 | 頼義が祈願して八幡太郎義家を授かったといわれる源氏ゆかりの神社です。 |
収玄寺 | 四条金吾の屋敷跡に建てられた日蓮宗の寺院。四条金吾邸趾の記念碑の揮毫は東郷平八郎です。 |
御霊神社 | 宝物殿に江の島七福神の福禄寿が祀られている歴史ある神社。紫陽花の名所でもあります。 |