東京タワーと増上寺の間にあるもみじ谷(19号地)は、芝公園内に作られた人工の渓谷。
紅葉スポットとしても知られている都会のオアシスです。
このもみじ谷には、テレビでも紹介されたこともある隠れたパワースポット・蛇塚があります。
蛇塚にはお地蔵さまも安置されており、一緒に参拝すると「金運が上がる」「卵やお酒をお供えして願い事をすると出世する」など、金運・出世運・仕事運・商売繁盛などのご利益があるとされています。
さらに、蛇塚よりも高いところには如意輪観音菩薩を祀る如意輪観音堂が鎮座しています。
目次
・もみじ谷とは?
・もみじ谷に蛇塚ができた由来
・蛇塚の参拝方法
・如意輪観音堂
・アクセス
・近くにある神社・寺
もみじ谷とは?
紅葉山と呼ばれていたことから「もみじ谷」と名付けられた、芝公園内の人工の渓谷です。
増上寺を取り囲むようにある芝公園の一角で、もともとは増上寺の敷地。
1号地から25号地にわけて整備されており、もみじ谷は19号地になります。
傾斜がある敷地内には、高さ10メートルから2段に分けて流れ落ちる紅葉滝と渓流、自然石の岩場、緑豊かな樹林、そしてたくさんのもみじ。
もみじにはイロハモミジやオオモミジなど9種類のもみじが植えられており、秋には紅葉スポットととして人気。
夏は新緑が美しいです。
また、もみじ谷の見どころの一つとなっている紅葉滝は、日本人初のランドスケープデザイナーの一人、造園家の長岡安平(ながおかやすへい)が1906年(明治39年)が設計。
もみじ谷に人工滝を作ったのは、かつては天然の滝があったこと、奥深い山の雰囲気からと言われています。
ちなみに、2017年12月から2020年2月にかけておこなわれた修復工事では、4カ所にモミジ柄のタイルを設置。
探してみるのも楽しいです。
もみじ谷に蛇塚ができた由来
もみじ谷の蛇塚の由来は、秋田から上京し飲食店を始めた女性(神成志保さん)が、家で蛇を見かけたり夢に蛇が出てきたこと。
不思議な事に、そうした出来事があるたびにお店が儲かり商売繁盛!
箪笥から蛇の抜け殻まで出てきた事から「自分の守り神さまだ!」と確信します。
そこで、方位学の専門家にお願いして夢の場所を調べたところ、芝公園のもみじ谷であることが判明。
神様への感謝からこの場所に「塚」を作ってへびの抜け殻をお祀りしたいと考えたのですが、もみじ谷は都の管理下にあるため勝手に置物を置くことはできません。
芝公園近くにある心光院の住職に相談したところ、心光院の住職が仲介してくれ、「塚」を作って蛇神様をお祀りすることができました。
それ以来、蛇塚は金運や財運、出世運のご利益があるとして一躍有名に。
多くの人々が参拝に訪れテレビなどでも紹介されるなど、一時期はブームにもなりました。
さらに、東京タワーをはさんで蛇塚の反対側にある心光院の屋根に、蛇が昇っている夢を見たと住職に打ち明け供養。
心光院の境内には、神成さんが供養のために寄進したお蛇さまのお堂「竜王堂」があります。
こちらの竜王堂にあるお蛇さまは、たぶん蛇塚で祀られているお蛇様と同じものと思われます。
もみじ谷の蛇塚の参拝方法
もみじ谷の最寄り駅は、都営大江戸線の赤羽橋駅。
とはいえ、都営三田線芝公園駅からの参拝もおすすめです。
芝東照宮・増上寺を通ってこれます。
増上寺の千躰子育地蔵菩薩沿いの道路を東京タワー方面に進むと、やがてもみじ谷への入り口が見えてきます。
渓流のほとり沿いにある斜面にはお地蔵様。
その後ろに蛇塚が祀られています。
石段の幅は人が一人通れるほど。
蛇塚から下の小川までの高低差は3メートルほどあり、転落防止用の柵もないので注意が必要です。
手前から4体のお地蔵さんが並んでいますので、蛇塚への参拝では下のお地蔵様から順に手を合わせ、最後に祠の前のお地蔵様に手を合わせると良いと言われています。
一番奥のお地蔵さまの背後に祀られているお蛇さまのお姿は、ちょっと龍のお姿に近い?
お蛇さまが置かれているところは、お地蔵さまが守るような感じで鎮座されているので、昼間でも光が当たらず。
なので、お蛇さまの細部まではっきりと見れるわけではないのでちょっと怖い…。
ちなみに、生卵やお酒のお供えを持ってきた場合、安全衛生管理上、参拝後に必ず持帰らないといけません。
以前、「生卵とお酒をお供えするとよい」といった話が紹介されたことがあり、たくさんの生卵とお酒が置かれ、カラスが食い散らかしてお酒の瓶が割れたり、オオスズメバチによる被害が発生。
一時期、立ち入り禁止になったこともあったほどです。
卵やお酒はお供えしたら持って帰り、神様のお下がり物としていただくのもいいですね。
また、お賽銭はNGです。
拾得物として警察に届けられます。
もみじ谷の如意輪観音堂
公園内はぐるりと一周できるようにされているので、蛇塚から渓流にそって公園内を進んでも如意輪観音堂に辿り着けます。
今回は、上に続く階段があるので、そちらを上って回る事に


遊歩道のようになっている道を進んでいくと、如意輪観音堂の背後が見えてきます。
途中に大薩埵碑。
堂内には、如意輪観世音像が祀られています。
そのご利益は、福徳円満・如意満足・煩悩滅除・智慧増進・病気平癒など。
もみじ谷の高台にたつ如意輪観音堂は、設置された経緯や時期などは不明。
長年にわたって有志の方によって手入れが続けられているそうです。
ちなみに、如意輪観世音の正式名は如意輪観音菩薩。
上から順に如来・菩薩・明王・天部に分類されている仏様の中でも、2番目の「菩薩」に属する仏様。
また、死後に生まれ変わる六道輪廻(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天)では「天道」の救済に当たるとされています。
如意輪観音(にょいりんかんのん)は観音菩薩(観世音菩薩)の変化身の一つで、どんな願いも叶える宝とされる如意宝珠と、仏の教えを象徴する法輪を持ちます。
腕が6本ある六臂像などのお姿で表現されることもありますが、東京タワーの如意輪観世音像は半跏思惟像(はんかしゆいぞう)。
右膝を立てて左脚を組み、右手で顔に触れるようなポーズをされています。
もみじ谷(蛇塚と如意輪観音堂)の詳細
もみじ谷(蛇塚と如意輪観音堂)へのアクセス
- 都営大江戸線:赤羽橋駅より徒歩8分
- 都営三田線:芝公園駅より徒歩11分
もみじ谷(蛇塚と如意輪観音堂)近くのおすすめ神社・寺
宝珠院 | 増上寺の塔頭。徳川家康公の念持仏の弁財天と閻魔大王も安置されています。 |
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増上寺 | 徳川家の菩提寺。東京タワーが近い映えスポット。 |
芝東照宮 | 四大東照宮の一つ。ご神木は徳川家光お手植えのイチョウ。 |
タワー大神宮 | 伊勢神宮の天照大神を祀る、東京23区内で1番高い場所にある神社。 |
勝林山 金地院 | 德川家康公を開基とした、総本山は京都南禅寺。江戸三十三観音の二十八番です。 |