明月院(読み方はめいげついん)の入り口である拝観口を通ってすぐ左側、太鼓橋を渡った先にあるのが鎌倉幕府第5代執権・北条時頼公を祀る廟です。
北条時頼は鎌倉幕府を磐石にした執権であり、倹約を意識した民衆に寄り添った政治をおこなった武将。
その左側には北条時頼公の墓所。
右側にはお茶室「月笑軒」。
歴史が色濃く残るエリアですが、苔庭や月の広場など自然美の見どころも満載。
明月院の特徴である、うさぎちゃんを探すのも楽しいエリアです。
目次
・苔庭
・月の広場
・北条時頼廟
・北条時頼と明月院
・北条時頼公墓所
・お茶屋「月笑軒」
・桂橋
・アクセス
・明月院境内詳細
・近くにある神社・寺
明月院の苔庭
総門を入って左側の太鼓橋を渡ると苔庭、月の広場茶屋「月笑軒」。
奥に明月院の前身・最明寺を建立した北条時頼の廟所と墓所があります。
太鼓橋を渡ったところにある苔庭には、苔がカーペットのようにきれいに育っており、本堂後庭園の苔に負けず劣らず。
明月院の月の広場
季節の花が楽しめる「月の広場」は、トイレ前の広場のこと。
トイレはこのエリアのみです。
名前から、こちらにもうさぎちゃんの置物がちらほらとみられます。
季節に合わせて飾り付けが変わるようなので、参拝した毎にうさぎちゃんを探してみるのも楽しいですね。
明月院の北条時頼廟
このあたりは謡曲「鉢の木」でも有名。
北条時頼の別荘みたいなもので、将軍の御所の近くにあった本邸よりもこちらによく居たとか。
その私邸に建てた持仏堂が最明寺。
北条時頼は建長寺も開いていますが、こちらは公的な意味合いが強く、最明寺はくつろぎの寺として創建しています。
1263年(弘長3年)の11月に37歳でここに亡くなったことから、命日には北条時頼公の法事を営むべく、建長寺派住職・徒弟が参集しています。
北条時頼と明月院
北条時頼は臨済禅に深く帰依し、1253年(建長5年)に中国の大覚禅師(蘭渓道隆)を開山に迎え、日本最初の禅の専門道場・建長寺を創建しています。
1256年(康元元年)に大覚禅師を戒師として、執権職を長時に譲り出家(30歳)。
僧名は覚了房道崇(かくりょうぼうどうす)。
北条時頼の死後、時頼の子である北条時宗が廃寺となっていた最明寺を禅興寺の名前で再興し、建長寺と円覚寺の間にあることから、開山は建長寺開山の蘭渓道隆、開基は円覚寺開基の時宗自身にしています。
禅興寺は明治元年に廃寺となり、明月院が残り今に至ります。
明月院の北条時頼公墓所
廟所の左隣には、北条時頼公のお墓。
お墓は、宝篋印塔・五輪塔などを組み合わせた石塔仕様です。
北条時頼の墓が明月院にあるのは、最明寺で亡くなったから。
お墓の近くには、北条時頼が最明寺で詠んだ詩が書かれた石碑。
「春流高如岸 細草碧於苔 小院無人到 風来門自開」
明月院のお茶屋「月笑軒」
茶屋「月笑軒」ではお菓子と抹茶をいただくことができます。
和モダンな雰囲気の店内では、大きな窓から境内の緑がよく見えます。
晴れた日は、赤い毛せん敷きの縁台でお茶を楽しむのも。
抹茶や甘酒、ジュース、コーヒーなど、ホッとひと息つきたい時にピッタリなメニューが揃っています。
明月院の桂橋


明月院の詳細
明月院へのアクセス
- JR線:北鎌倉駅より徒歩9分
明月院境内詳細
本堂(悟りの窓) | アジサイ寺と呼ばれる臨済宗禅寺。紅葉シーズンの「悟りの窓」も人気。 |
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本堂後庭園 | 「悟りの窓」の奥にある庭園。紫陽花・花菖蒲・紅葉シーズンは混雑。別途拝観料が必要です。 |
開山堂 | 明月院を開山した密室守厳の木像を安置。周囲はやぐらに囲まれています。 |
竹林庭園 | 瞑想的な雰囲気がある小規模な竹林。 |
明月院近くのおすすめ神社・寺
建長寺 | けんちん汁発祥のお寺。広い敷地内には多くの塔頭寺院と半僧坊大権現があります。 |
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半僧坊 | 建長寺の最奥にある、半僧坊大権現を祀る建長寺の鎮守。ハイキングコースにつながっています。 |
圓應寺(円応寺) | 鎌倉十三佛第5番札所の閻魔大王を本尊とするお寺。十王や奪衣婆、詫言地蔵も。 |
長寿寺 | 紅葉の名所。庭園からの眺めも最高です。拝観は期間限定。 |
浄智寺 | 鎌倉五山の一つ。鐘楼門に続く苔むした参道の石段や境内はフォトジェニック。 |
東慶寺 | 尼僧や女性の駆け込み寺として有名な仏教寺院。縁切寺とも呼ばれています。 |
円覚寺 | 鎌倉五山の由緒ある禅寺。山門や国宝の梵鐘、庭園、舎利殿と見どころ多数あり。 |