神奈川県伊勢原市の大山にある大山阿夫利神社(読み方はおおやまあふりじんじゃ)は、大山の山頂に奥社・前社含む本社、中腹に下社と鎮座。
本社までは登山となりますが、下社までは大山ケーブルカーでアクセス可能なため、観光で訪れる方も多い神社です。
最寄駅は小田急小田原線伊勢原駅。
ケーブルカー乗り場や、その手前のこま参道には車やタクシー、バスを使って向かいます。
しかも、その道中にも神社が点在しています。
目次
・歴史
・行き方
・駐車場
・こま参道
・稲荷大明神(通力稲荷大明神/こま参道)
・戸隠神社末社(こま参道)
・龗神の神(こま参道)
・追分社(八意思兼神社/男坂手前)
・根之神社(ケーブルカー乗り場)
・ケーブルカー
・アクセス
・主な行事・お祭り
・大山阿夫利の案内
大山阿夫利の歴史
大山には、古くから山岳信仰があります。
山上では雲や霧が生じやすく雨を降らすことが多かったことから「雨降山(あふりやま)」と呼ばれ、雨乞いの対象にもなっていました。
そこから「大山阿夫利(おおやまあふり)」に。
また、巨大な木太刀を江戸から担いで運び、滝で身を清めてから奉納と山頂を目指す庶民崇拝である大山詣りも有名。
大山詣りは歌舞伎や浮世絵にもとりあげられており、江戸時代の頃は手形不要であったことからも参拝者も多くいました。
大山詣りは先導師たちにより今も引き継がれています。
ちなみに、大山詣りでは大豆が奉納されており、僧侶たちが大豆から豆腐を作り精進料理にしていたことから、「大山とうふ」が名物になっています。
豆腐を食べながら歩いたと言われる「とうふ坂」なんて道も!
観光資源としても注目されており「大山とうふまつり(2023年に終了)」も開催していたほどです。
大山阿夫利神社の行き方
小田急線伊勢原駅・北口のバスロータリー4番のりばから神奈川中央交通バス「大山ケーブル行」に乗っていきます。
終点「大山ケーブル」までの乗車時間は約30分ほどです。
とはいえ、終点「大山ケーブル」のすぐ近くにケーブル乗り場があるわけではありません。
そこからこま参道を通っていきます。
大山阿夫利神社の駐車場
大山阿夫利には市営・民間と多数の駐車場があり、こま参道に近くなるほど料金は高くなります。
阿夫利神社参拝者駐車場(無料)もありますが、かなり離れています!
こま参道の入り口でもある阿夫利神社御神燈まで約2.5㎞。
徒歩30分ほどの距離です。
神奈川中央交通のバス停「菊屋前」からバスに乗っていきます。
途中にある伊勢原市営大山第一駐車場は、阿夫利神社御神燈まで約600mほど(徒歩8分)。
とうふ参道を通ってなら750m(徒歩10分)。
駐車料金は1日600円です。
そして、一番近い伊勢原市営大山第二駐車場(とうふ広場)は、1日1,000円。
ちなみに、伊勢原市営大山第二駐車場の向かいにある、お土産も併設している大山観光案内所にも数台の車が停められ、こちらは1日700円とお安いです。
大山阿夫利神社のこま参道
阿夫利神社御神燈を通った先にこま参道。
こま参道には宿坊や食事処、お土産屋さんがズラリと並んでおり、その道は階段と坂道!
ケーブルカー乗り場までは15分ほどの距離です。
足元には大山を代表する土産物「大山こま」をデザインしたタイルが、各石段の踊り場27ヶ所に敷かれており、大小のコマの絵が踊り場の数を示しています。
そして、参道脇にはコマを挽く木地師(ろくろや轆轤鉋を用いて椀や盆等の木工品を加工・製造する職人)のお店がズラリ。
平日は閑散としていますが、休日は多くの人で賑わいます。
こまがよく回ることは金回りが良くなるとされ、家内安全・商売繁盛を呼び込む縁起物としても人気に。
大山詣りで御師が配札時に講へ配り、参拝者も土産物として購入されていました。
ちなみに、大山こまの材料には主に大山のミズキが使用されており、芯はモミジやカシ材。
芯棒は上が細くて中が太く、丸みをおびた形状。
白木に紅・藍・紫で塗り分けています。
大山こまの製作技術は伊勢原市指定無形民俗財に指定されています。
大山阿夫利神社の稲荷大明神(通力稲荷大明神/こま参道)
こま参道の入り口近く、お豆腐料理屋「和仲荘」の隣に鎮座する、「稻荷社」と書かれた神額が掲げられている正一位稲荷大明神。
もともと大山川対岸の千代見橋近くに鎮座していましたが、関東大震災で社殿が壊れたため現在地に。
地理書「風土記稿」には、5柱のご祭神が記載されています。
・倉稲魂命(うかのみたのみこと)…五穀豊穣を司り生命の根源を司る「いのち」の根の神様。また、お稲荷さんの祭神。
・大己貴命(おおなむちのみこと)…大国主命(おおくにぬしのみこと)とも呼ばれる、慈悲深く福徳を授ける神様。薬祖神ともされています。
・大田命(おおたのみこと)…猿田彦大神の子孫。五十鈴川の霊域を献上し、伊勢神宮の創建に尽力した神様だと言われています。
・大宮姫命(おおみやめのみこと)…天照大神が天岩戸に籠もっていたときに舞を舞った、巫女の元祖ともいえる神様。
・保食神(うけもちのかみ)…五穀を司る神で、食物の神でもあります。
大山阿夫利神社の戸隠神社末社(こま参道)
戸隠神社末社はもともと大山山内の別の場所にありましたが、こま参道沿いの「かんき楼」さんの敷地内に。
既存の社殿は老朽化が進み、2020年に新調されています。
社は棟持柱のある神明造り。
大山山内の他の末社と同様に、屋根板はシャクリ出しで板葺形。
木曽桧で造られています。
大山阿夫利神社の龗神の神(こま参道)
ケーブルカーの駅の手前に鎮座。
ご祭神は高蘢神(たかおかみのかみ)と祓戸四柱神(はらえどのよはしらかみ)です。
祓戸四柱神は、
・瀬織津比売(せおりつひめ)…祓い浄めの女神。
・速開都比売(はやあきつひめ)…水の神様、海の神様として信仰されている女神。
・気吹戸主(いぶきどぬし)…罪や穢れを祓い去り、さまざまな災いから守ってくれる神様。
・速佐須良比売(はやさすらひめ)…根の国・底の国に持ち込まれたもろもろの禍事・罪・穢れをさすらって失う神。
大山阿夫利神社の追分社(八意思兼神社/男坂手前)
ケーブルカー乗り場に向かう途中の分かれ道の先、男坂と女坂の分岐点に鎮座。
読み方は「やごころおもいかねじんじゃ」。
1911年(明治44年)に大山地区内にある無格社の春日社・根ノ社・五社稲荷社・諏訪社・愛宕社・松尾社・皇産霊社の7社を合祀し坂本神社に。
その後、追分社になりました。
9月には追分社祭がおこなわれています。
大山阿夫利神社の根之神社(ケーブルカー乗り場)
ケーブルカー乗り場に鎮座。
ご祭神は、磐拆神(イワサクノカミ)・根拆神(ネサクノカミ)・石筒之男神(イワツツイオノカミ)です。
悪縁や邪念を断ち切り、開運・病魔退散のご利益があると信仰されています。
大山阿夫利神社のケーブルカー
大山観光電鉄の大山ケーブルカーは、山麓の「大山ケーブル駅」、中間駅の「大山寺駅」、山上の「阿夫利神社駅」をつないでいます。
全長0.8㎞、標高差278mの急勾配を約6分。
大きくとられた窓からは、大山の四季の自然や車窓からの眺望を堪能できます。
ケーブルカーは、平日9時から16時半、土日祝は9時から17時までを基本に20分間隔で運行しています。
多くの人が訪れる時期には増発や営業時間の延長が行われています。
運賃は片道なら大人640円、小児320円。
往復なら大人1,270円、小児640円。
中間駅の大山寺駅までの切符もあり、片道なら大人360円、小児180円。
往復なら大人700円、小児350円。
ちなみに、大山ケーブル駅と阿夫利神社駅で駅員さんが切符を確認。
大山寺駅は駅員が常駐していません。
大山ケーブル駅の切符売り場の隣には小さな売店があり、大山阿夫利関連グッズが置かれています。
特にアピールされているのが、昆虫食とタガメサイダー。
タガメサイダーは独自製法で抽出したタガメエキスを使用した昆虫ドリンク。
試してみたかったのですが、この日はすでに売り切れていました。
大山阿夫利神社の詳細
大山阿夫利神社へのアクセス
- 小田急小田原線:伊勢原駅より神奈川中央交通バス「大山ケーブル」下車
- 公式サイト:https://afuri.or.jp/
大山阿夫利神社の主な行事・祭り
- 1月:歳旦祭・奉幣祭、元始祭、筒粥祭・引目祭
- 2月:節分祭、紀元節
- 3月:祈念祭、春季皇霊祭
- 4月:神武天皇祭・大新稲荷祭、春季大祭、雷山神社祭、祖霊社大祭
- 5月:酒祭
- 6月:浅間社祭、田植祭、権田祭、夏越大祓・疫神祭
- 7月:例大祭・夏季大祭始め
- 8月:夏季大祭収め、二重神社祭、秋季例大祭
- 9月:追分社祭、秋季皇霊祭、抜穂祭
- 10月:火祭薪能
- 11月:新嘗祭
- 12月:新穀感謝祭、煤祓、師走大祓・鎮火祭、除夜祭
大山阿夫利の案内
大山阿夫利神社(下社) | ケーブルカーで来れる山中の神社。晴れた日には、鳥居から遠く江ノ島までの眺めは最高です。 |
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大山名水神泉 | 大山阿夫利神社境内にある名水。水は汲んで持って帰れます。 |
登拝門 | 大山阿夫利神社の本社に続く門。しっかりとした登山スタイルの準備が必要です。 |
売店・茶屋処さくらや | 大山阿夫利神社にある昔ながらのお茶屋さん。オープンスタイルで甘味も人気。 |
大山 参集殿 洗心閣 | 山荘のような造りの休憩所。軽食も用意されています。 |
茶寮 石尊 | テラス席からも眺めも最高な茶屋。おしゃれな店内で甘味やドリンクをいただきます。 |
大山寺 | 中腹にあるお寺。秋の紅葉時には多くの人が訪れる名所です。 |
茶湯寺(涅槃寺) | 亡くなった方の霊を百一日の茶湯で供養する「百一日参り」のお寺です。数多くの石仏があり、釈迦涅槃像が有名です。 |