兵庫県で1505年(永正2年)に創業と、500年以上の歴史のがある「剣菱」。
一度は聞いたことがある、誰でも知っているといってもいいぐらい有名な日本酒です。
スーパーでも気軽に買えますし、コンビニで見かけることも。
昔から変わらず全量蔵付き酵母で醸す全量蓋麹法。
現在に至るまで剣菱の定番商品はわずか5種類です。
創業からある旗管銘柄「剣菱」
江戸末期からある燗向け「黒松剣菱」
冷でも美味しい「極上黒松剣菱」
5~15年熟成の純米系古酒による最上級モデル「瑞祥」
2008年に発売された21年ぶりの新商品「瑞穂」
どれも普通種ですが、山田錦や愛山などをふんだんに使用しています。
お父さん(おじさん)が飲むお酒といったイメージが強いのは、昔からあること、熱燗で飲むが最高においしい事が影響しているからでしょうか!?
剣菱の黒松剣菱
幅広い料理に合う黒松剣菱は、黄色みがかっているのが特徴的。
ブレンダーが、タンク内で熟成された1~5年の原酒の中から見極めてブレンドしています。
荒々しさと旨味がある飲み口。
500年という歴史が感じられる濃さがあるものの、そこまで重くない落ち着いたキレ味。
最近の新進気鋭の日本酒とはちょっと違う、懐かしいタイプの銘酒ではないでしょうか。
価格:1287円 |
剣菱では酒造り
剣菱のロゴは、男女の象徴を形にしたもの。
しかも、髭文字も取り入れたデザイン。
5種類の定番酒ではすべて同じ品質の酒米、同じ工程を共有。
1年以上の熟成とブレンドです。
精米歩合は常に70%以上。
その年の米の仕上がりに合わせて削り具合を変えているので、ラベルには記載されていません。
そのため、規格的には普通酒になり、大吟醸や吟醸などの造り分けではなく、熟成年数やブレンド比率、割り水度数の掛け合わせで表現されているのだとか。
常にベースは一緒で、同じものを変えずに繰り返し仕込み続けているそうです。
仕込みでは、人工酵母は使わない山廃仕込みが基本。
全量蓋麹法での麹造りです。
昔から、酒造り期間中は全員が蔵に住み込んでおこなっているというのですからすごいです。
剣菱の歴史
江戸で飲まれる下り酒として発展してきたことから、長い船旅でも運ばれやすい酒造り。
劣化しにくい安定性があり、幅広い食べ物にあう味として定着しました。
剣菱ブランドのほとんどでアルコールが添加されていますが、品質保持を優先しているからなんだとか。
ちなみに、剣菱はこれまで数回のオーナーチェンジが行われています。
いわゆるM&A。
2019年に、これまでおこなっていた桶買は全廃しています。
また、酒造りの道具を自社製作し、伝統技術を社内で共有。
農業法人を立ち上げて農地の一部を借り上げる形の自社栽培をスタートするなど、さまざまな取り組みをおこなっています。
さらに、剣菱酒造には営業や広報の部署はなし。
原価はカットしないでおいしいお酒をつくる。
営業や広告代はお酒の味に影響しないからいくらカットしても大丈夫、という考えからなんだとか。
手の届く価格設定と、飲み手の目線に立った経営理念に脱帽です。
剣菱の詳細
剣菱酒造へのアクセス
※酒の販売・蔵の見学は行っていません(2024年7月公式サイトより)