江島神社に続く参道から離れた場所にある聖天島公園(読み方はしょうてんじまこうえん)。
敷地内には公衆トイレ・ベンチ・ブランコ・自販機などがあり、近くにはヨットハーバーや駐車場があることから公園沿いの道を観光客が頻繁に行き来しています。
そんな広々とした公園の端には社が鎮座。
鎌倉時代の僧・良真上人の像が安置されている聖天神社(聖天上人像社)です。
目次
・歴史
・社殿
・龍宮神と道祖神
・江島神社への近道
・アクセス
・江ノ島にある神社・寺
・江ノ島のおすすめグルメ
聖天神社(聖天上人像社)の歴史
聖天島公園がある場所は、もともとは江の島の海に浮かぶ「聖天島」という島。
八坂神社の江の島天王祭の際に禊が行われる神聖な場所でした。
「聖天島」の名前の由来は、2つあった岩の形が、仏教の守護神で人身象頭の姿をした仏像観喜天(かんぎてん)に似ていることからなんだとか。
関東大震災で海底が隆起して江の島と地続きとなり、東京オリンピックで湘南港が造られた際に海が埋め立てられて現在の形に。
聖天島の岩の上部(一部)が現在も残っており、聖天神社の後ろにある露頭がそれになります。
聖天神社(聖天上人像社)の社殿
聖天神社は、聖天島公園入口、歩道のすぐ近くにあります。
そこには、江島神社辺津宮を源実朝の命で創建した鶴岡八幡宮の僧・良真上人が祀られています。
良真上人は、1204年(元久元年)に鎌倉幕府2代将軍・源実朝に下之宮(現在の江島神社辺津宮)の再建を懇願し、1206年(建長元年)に完成させた僧侶です。
聖天神社に鎮座する良真座像は、もともとは下之宮にあった開山堂に納められていたそうですが、廃仏毀釈で開山堂が廃堂となりこちらの社に。
聖天神社(聖天上人像社)の龍宮神と道祖神
奥にある2つの社は、龍宮神と道祖神を祀る祠。
「龍宮神」とあることから、奥津宮の龍宮に祀られている龍神のことかと思われます。
道祖神を祀る祠には、檜扇を持った立ち姿の人物の像と、衣冠束帯に鳥帽子・檜扇の坐像が祀られています。
地元では昔から、一組の人像を並べた「双体道祖神」と呼ばれているそう。
1月におこなわれる漁業豊漁・海上交通安全・一家繁栄などを祈願する「道祖神まつり」では、木船に道祖神像をのせて瑞心門下で遥拝し、再び祠に戻るといった儀式をおこなっています。
ただ、昔は藁舟に道祖神像をのせて島内の家を一軒一軒回り、道祖神像に大好物のお酒をかけ、最後は藁舟だけを海に流すと、今よりも手がこんでいました。
これも時代の流れでしょうか。
確かに、現代で実施するにはなかなか難しそうです。
聖天神社(聖天上人像社)の江島神社への近道
聖天公園は江島神社の参道から離れた場所にあるため、江島神社を参拝する場合は戻らなければいけないと思われますが、実はショートカットできる道があります。
聖天公園の山裾に連なる住宅地の間に「頂上へ行く道」と書かれた看板があるので、その通りにいくだけ。
同時にこの道は津波などの避難経路になっています。
こちらの道にもカフェなどのお店があるので、ちょっとした穴場的スポットになっています。
聖天神社(聖天上人像社)の詳細
聖天神社(聖天上人像社)へのアクセス
- 小田急江ノ島線:片瀬江ノ島駅より徒歩16分
- 江ノ島電鉄:江ノ島駅より徒歩20分
江ノ島にある神社・寺
江島神社・辺津宮 | 一番下に位置する神社。境内社に奉安殿と八坂神社があります。 |
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江島神社・中津宮 | 鮮やかな朱色の社殿。龍の泉と水琴窟、江戸歌舞伎市村座ゆかりの品があります。 |
江島神社・奥津宮 | 源頼朝寄進の石鳥居の先にある神社。拝殿天井の「八方睨みの亀」の模写、隣の龍宮は要チェック。 |
江の島岩屋 | 手燭を手に見学する雰囲気ある洞窟。石の彫像と小さな神社がある、江島神社の発祥地です。 |
江の島大師 | 鹿児島・最福寺の関東別院。誰でも自由に参拝でき、高さ6mの赤不動像があります。 |
児玉神社 | 陸軍大将・児玉源太郎をお祀りする神社。明治日本の技術遺産である28センチ榴弾砲の砲弾があります。 |
江ノ島のおすすめグルメ
遊覧亭 | 昔ながらのレトロな雰囲気のお食事処。価格帯もリーズナブルで、メニューも充実。 |
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